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《3回連載》角型フィルターで変わる!
エモーショナル風景写真
第2回 海での絶景写真の撮り方

NiSi レビュー記事

Photo & Text:薮田織也

TOPIX

ここ最近、「 絶景 」をキーワードに風景写真撮影の人気が急上昇しています。本サイトにも、どうやって撮影すればプロ写真家のような風景写真が撮れるのかといった質問が寄せられるようになりました。そこで、角型フィルターのリーディングカンパニー NiSi 社の協力のもと、光景写真家・薮田織也に、角型フィルター撮影術を3回連載でお届け。第2回は角型フィルターを使った海の絶景写真撮影術です( 編集部 )

■ メーカーサイトはこちら ■
■ 第1回 角型フィルターってなに? ■
■ 第3回 フルサイズ標準ズーム用 V5 ■

Index

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前回は NiSi 製角型フィルター全般について紹介したが、2回目の今回はレンズ口径が比較的に小さなマイクロフォーサーズカメラ用に開発された M75 システムを中心にして、角形フィルターの活用方法をお届けしよう。

■写真1 NiSi 角形フィルターを使った作例
5月の夕方5時、夕陽の風景。角型フィルターを使うと非現実的な画になる

5月の夕方5時、夕陽の風景。角型フィルターを使うと非現実的な画になる

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1.取り回しの楽な小型の角型フィルター M75

筆者の薮田が仕事で使うカメラは受光部のサイズ順に中判デジタル、フルサイズ一眼レフ、そしてマイクロフォーサーズ( 以下 M4/3 )機だ。M4/3 機の最大のメリットはカメラ本体とレンズがコンパクトで軽量なこと。このことは風景写真を、いや絶景写真を求めて山や海、谷や川を移動する上では大変にありがたいことだ。ポートレートではアシスタントを使うが、風景写真の場合は単独で、しかも徒歩で山や海に赴くことが多いので、機材の大きさや重量はシビアな問題となるからだ。M4/3 の初代機 OM-D E-M1 を手にした 2014 年( 発売日は 2013 年 10 月 )以降は、風景撮影といえば E-M1 を持って出かけるようになった。そんな今回、別の仕事で M4/3 の最新機 OM-D E-M1X での作品撮りを依頼され、この数ヶ月というものは E-M1X と角型フィルターの組み合わせで方々に脚を運んで撮影を試みた。

■写真2 OM-D E-M1X と M75 システム
小型軽量で取り回しの楽な OM-D E-M1X に最適な M75 システム

小型軽量で取り回しの楽な OM-D E-M1X に最適な M75 システム

E-M1X は従来の E-M1 シリーズよりも縦型グリップ( 専用バッテリーが2つ入る )分が大きく重くなってはしまったが、風景撮影は長時間におよび、さらに長秒撮影を頻繁にするので、従来機サイズであったとしても補助バッテリー用の縦型グリップを付けるので結論では差し引きゼロなのだ。レンズも従来からの M4/3 用が使えるので、軽さと小ささはフルサイズと比べれば依然アドバンテージはある。

さて、そんな M4/3 機にぴったりの角型フィルターが NiSi M75 システムだ。M4/3、またはレンズ口径の小さなミラーレス機用に 75mm 幅の角型フィルターを装着できるので M75 システム。フィルターホルダーも NiSi 製シリーズ中もっとも小ぶりで、M4/3 機が持つコンパクトかつ軽量のアドバンテージを失わずにすむ。大きな角型フィルターがあれば大は小を兼ねるで M4/3 機にも使えるが、大きい故に取り回しが不便になるので、こうしたコンパクトサイズの角形フィルターシステムがあるのは喜ばしいことだ。また、システム全体および単品価格も大型と比較して安価となる。

■写真3 M75 システム + OM-D E-M1X で撮影
実際の撮影シーン。三脚の脚部には M75 専用バッグをくくりつけられる

実際の撮影シーン。三脚の脚部には M75 専用バッグをくくりつけられる

アダプターリングによって対応できるレンズのフィルター径は以下の通り。

単位 mm:39、40、43、46、49、52、55、58、60、62
( 67mm はメインアダプターのみで対応可 )

67mm より大きなフィルター径を持つ M4/3 用レンズは、V5 または新製品の V6 システムがオススメだ。ただ、M4/3 の出目金タイプの超広角レンズ用のアダプターは未発売。

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2.M75 システム構成

M75 システムも写真4のように豊富なフィルターバリエーションを揃えている。これだけのフィルター群があれば、さまざまな状況に対応した絶景写真が撮れるはずだ。

■写真4 M75 システムバリエーション

 

写真5は M75 の基本構成だ。この構成の中で、フィルターとアダプターリングだけが別売の M75 ホルダーキットと呼ばれるパッケージ製品が売られているので、角形フィルターが初めての人はこれを求め、必要なアダプターリングとフィルターを個別に購入することになる。

■写真5 M75 システム基本構成
パッケージキットとして、上記からフィルターとアダプターリングを除いた M75 ホルダーキットがパッケージ販売されている

パッケージキットとして、上記からフィルターとアダプターリングを除いた M75 ホルダーキットがパッケージ販売されている

■写真6 M75 システムの装着
M75 システムの装着順序。67mm 径のメインアダプターにアダプターリングを装着することで、67mm 以外のフィルター径レンズにも装着できる

M75 システムの装着順序。67mm 径のメインアダプターにアダプターリングを装着することで、67mm 以外のフィルター径レンズにも装着できる

M75 システムのメインアダプターは 67mm のフィルター径用に作られていて、中央には Pro C-PL や Landscape CPL の専用円形フィルターが装着できる。後ほど Pro C-PL と Landscape CPL の違いを紹介するが、CPL フィルターの回転はメインアダプターに装備されたダイヤルでする。CPL が必要ないときは外しておいてもよい。メインアダプターにはフィルターホルダーをセットできるが、いつでも簡単に脱着できるようになっている。( 写真7

■写真7 フィルターホルダーの装着とロック
フィルターホルダー側面にあるロックネジを緩め、メインアダプターの端にかけ、着脱用ノブを引きながらセットする。ロックネジを締める

フィルターホルダー側面にあるロックネジを緩め、メインアダプターの端にかけ、着脱用ノブを引きながらセットする。ロックネジを締める

フィルターホルダーとメインアダプターはロック( 写真7 )していなければ独立して回転できる構造になっている。これは実際の撮影で CPL フィルターと GND フィルターの回転角度を個々に調節する必要があるからだ。CPL フィルターの調整は、フィルターホルダーに ND などの角型フィルターを装着する前にしておく必要がある。CPL フィルターの回転角度を決定してからフィルターホルダーに角型フィルターを挿入し、その後でメインアダプターにフィルターホルダーを装着するのが正しい使い方の順番だ。ND を付けたフィルターホルダーをメインアダプターに装着した後ではファインダーが暗くなり、CPL の効果を目で確認できない。また、フィルターホルダーをロックした後で回転させると、せっかく調整しておいた CPL の角度が狂ってしまうことがあるので要注意だ。

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3.風景専用の Landscape CPL

M75 システム構成( 写真5 )にある Pro C-PL と Landscape CPL フィルターは、いずれも回転させて偏光をカットする偏光フィルターのことで、CPL( または C-PL ) とはサーキュラー・ポラライズド・ライト・フィルターの略だ。偏光フィルターとは被写体に当たって反射してくる光をコントロールして、被写体が持つ本来の色を引き出すフィルター。フィルター自体を回転させてもっとも効果がある角度に調節できる。

CPL フィルターを装着して撮影すると、被写体の色彩が鮮やかになり、青空がより濃く、水面がクリアに再現できるようになる。これは、空気中で乱反射したり、ガラス面や水面などから反射してくる光のうち、特定の一方向の光のみを CPL フィルターが透過させるからだ。

■写真8 CPL フィルターの効果
 

CPL フィルター無し(左)、CPL フィルター有り(右) ◀▶を動かして確認

だが、CPL フィルターは付けるだけで効果を発揮するフィルターではない。撮影位置と太陽光の位置、光が反射してくる角度などの条件によって効果の度合いは変わってくる。CPL フィルターが回転できるようになっているのはこのためで、カメラを設置したら撮影前に CPL フィルターを回転させて、その効果がもっとも出るように調整しなければならない。また、調整ができたからといって、そのままの状態で長時間撮影していれば、太陽の角度が変わることで CPL フィルターの効果が変わってしまうので都度調整するようにしよう。

さらに、撮影時の太陽の位置や角度によっては CPL フィルターの効果がまったく発揮されないことがある。太陽がレンズの光軸方向にあるとき、すなわち逆光時には CPL フィルターの効果、主に色彩とコントラストが高まる効果はわずかしか発揮されない。逆に太陽がレンズの光軸の後ろや横にあるときは大きな効果が期待できる。CPL フィルターの効果のうち、水面やガラス面からの反射光を除去する効果は逆光時でも発揮される。

さて、本題の Pro C-PL と Landscape CPL の2つのフィルターについて説明しよう。この2つのフィルターはどちらも CPL フィルターとしての本質は同じだが、Landscape CPL はその名前が示すとおりにランドスケープ、すなわち風景「 遠景 」に特化した CPL フィルターだ。被写体が近くにある「 近景 」であれば Pro C-PL フィルターでも十分な効果は得られるが、レンズの無限遠を使うような「 遠景 」の場合に、より高い偏光効果が期待できるのが Landscape CPL だ。

■写真9 Pro C-PL と Landscape CPL
Pro CPL (左)と Landscape CPL(右)

Pro CPL (左)と Landscape CPL(右)

写真9は Pro C-PL フィルター(左)と Landscape CPL フィルター(右)だ。フィルター自体に照明を当てて撮影すると違いがはっきりわかるが、太陽光の下で見ると違いはわかりにくい。フレームに刻印されたフィルター名で判別して使うようにしよう。

実際に Pro C-PL フィルターと Landscape CPL フィルターを使って風景を撮るとどんな違いがあるのかを紹介しよう。写真10 はフィルター無し(左)と Landscape CPL フィルター(右)を使って撮った違いで、写真11 は Pro C-PL フィルター(左)と Landscape CPL フィルター(右)との違いだ。いずれも同じ場所、同じ時刻の遠景写真だが、Pro C-PL フィルターが遠くに行くほどに偏光効果が弱まっているのに対して、Landscape CPL だと偏光効果が均質なのが観て取れるだろう。また Pro C-PL フィルターは少しイエローがかってみえるが、Landscape CPL だとそれが抑えられ、より忠実なカラーバランスだといえる。一般的に角形フィルターの利用は遠景を撮る場合が多いと思うので、最初に選ぶ CPL フィルターなら Landscape CPL をお薦めする。

■写真10 フィルター無しと Landscape CPL の違い
 

フィルター無し(左)と Landscape CPL フィルター(右)の違い ◀▶を動かして確認
■写真11 Pro C-PL と Landscape CPL の違い
 

Pro C-PL フィルター(左)と Landscape CPL フィルター(右)の違い ◀▶を動かして確認
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4.海で絶景写真を撮ってみよう

NiSi M75 システムと OLYMPUS OM-D E-M1X の組み合わせで、幻想的な海の風景を撮ってみたい! と思い、下田の爪木崎をはじめ、真鶴半島の三ツ石海岸、三浦半島の秋谷海岸に行ってきた。狙ったイメージは、「 磯の海面を雲海のように撮る!」と、「 波を渓流のように撮る!」そして、「 鏡のように凪いだ海を撮る!」の3つ。

磯の海面を雲海のように撮る!」は前回も掲載した真鶴半島三ツ石海岸の写真( 写真12 )だ。この日は風が強く波もあり、そこそこにしぶいていた。こういう波のときに長秒露光( 10 ~ 20 秒 )すると、波頭の白が雲海のように描写できる。岩がゴツゴツと飛び出た磯であれば、岩を山に見立てて天上界のように表現できるのではと考えた。

■写真12 磯の海面を雲海のように撮る!
カメラ:OLYMPUS OM-D E-M1X レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO  フィルター:NiSi M75 システム Pro CPL + Soft nano IR GND8(0.9) + IR ND1000(3.0)  ストロボ:Air10s + Nissin MG10  f/8.0 ss 15sec ISO:640

カメラ:OLYMPUS OM-D E-M1X レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
フィルター:NiSi M75 システム Pro CPL + Soft nano IR GND8(0.9) + IR ND1000(3.0)
ストロボ:Air10s + Nissin MG10  f/8.0 ss 15sec ISO:640

時刻は夕方近い4時、曇天。レンズを向けた方角( E-M1X は気圧、標高・水深、温度、方角が EXIF に記録される )は南南東。ここで構図決めだ。近景はゴツゴツした岩を入れ、遠景に名勝の三ツ石を置く。構図が決まったら三脚にカメラを設置し、NiSi M75 システムにメインアダプターまで装着しておきワンカット撮ってみる。テストカットを観て、近景の岩のコントラストを強くするため Pro C-PL フィルターを付けて調節する。続いて岩に絡みつく波を主題にしたいと考え、遠景の三ツ石と空が明るくなるのを避けるためにフィルターホルダーを装着して Soft nano IR GND8(0.9) を使って遠景を暗くする。打ち寄せる波を雲状にしたいので 15 秒の長秒露光をするために IR ND1000(3.0) を装着して撮影する。この時点でほぼ完成形に近い画になるのだが、曇天の長秒露光は CPL フィルターを付けてもコントラストが低めになるので、仕上げに GN80 の大光量ストロボを使った。大きめの波が来るタイミングを待ってレリーズを押し、15 秒の露光中にストロボを照射角を狭くして3方向( 主に岩 )に5回フル発光させて撮影したのが写真12 だ。イメージ通りのカットが撮れるまで、30 カット同じ撮影を繰り返した。

続いて「 波を渓流のように撮る!」と「 鏡のように凪いだ海を撮る!」は三浦半島の秋谷海岸で撮影した。こうした画は真鶴での写真のように波が高い日は残念ながら撮れない。ある程度に凪いだ日を選ばないとならないのだ。理由は前述したように、波が高いときの長秒露光は波頭が「 雲海 」のようになってしまうからだ。

■写真13 波を渓流のように
カメラ:OLYMPUS OM-D E-M1X レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO  フィルター:NiSi M75 システム Pro CPL + Soft nano IR GND8(0.9)  f/11.0 ss 1/2sec ISO:200

カメラ:OLYMPUS OM-D E-M1X レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
フィルター:NiSi M75 システム Pro CPL + Soft nano IR GND8(0.9)
f/11.0 ss 1/2sec ISO:200

波を渓流のように撮る!」の結果は写真13 だ。岩に押し寄せる波を渓流のように写すには、これまでの作例のように5秒や 15 秒といった長秒露光では上手くいかない。寄せては引く波を渓流のように見せるには、波が押し寄せてくる間だけを露光する必要があるのだ。この日の撮影で比較的に上手くいったのが( 画的に会心の作では決してないが )写真13 で、この露光時間は 0.5 秒だった。このテーマはもっと場数を踏んで会心作を撮りたいと考えている。

■写真14 ND1000 を使わないで撮った写真
カメラ:Nikon D850 レンズ:TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2  フィルター:NiSi S5 システム Pro CPL + Reverse Nano IR GND8(0.9)   f/11.0 ss 1/160sec ISO:100

カメラ:Nikon D850 レンズ:TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2
フィルター:NiSi S5 システム Pro CPL + Reverse Nano IR GND8(0.9)
f/11.0 ss 1/160sec ISO:100

最後のイメージが「 鏡のように凪いだ海を撮る!」だ。これも海面が凪いでいないと撮れないが、海の場合はいくら凪が良くても無風時の湖面のようにはならないのが普通。まず、完成形を撮る前に、CPL フィルターとリバース GND フィルターだけで撮ってみたのが写真14 だ。シャッタースピードは 1/160 秒。当時はこんな風に穏やかな凪だった。この風景を「 鏡のように凪いだ海面」にするために、Nano IR ND1000(3.0) を付け、シャッタースピードを5秒にしたのが写真15 だ。ちなみにこの一連カットは OM-D E-M1X と M75 ではなく、Nikon D850 と S5 システムを使っている。

■写真15 鏡のように凪いだ海 ss5秒
カメラ:Nikon D850 レンズ:TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2  フィルター:NiSi S5 システム Pro CPL + Reverse Nano IR GND8(0.9) + Nano IR ND1000(3.0)   f/11.0 ss 5sec ISO:100

カメラ:Nikon D850 レンズ:TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2
フィルター:NiSi S5 システム Pro CPL + Reverse Nano IR GND8(0.9) + Nano IR ND1000(3.0)
f/11.0 ss 5sec ISO:100

■写真16 鏡のように凪いだ海 ss 30 秒
カメラ:Nikon D850 レンズ:TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2  フィルター:NiSi S5 システム Pro CPL + Reverse Nano IR GND8(0.9) + Nano IR ND1000(3.0)   f/16.0 ss 30sec ISO:100

カメラ:Nikon D850 レンズ:TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2
フィルター:NiSi S5 システム Pro CPL + Reverse Nano IR GND8(0.9) + Nano IR ND1000(3.0)
f/16.0 ss 30sec ISO:100

さらに写真15 と同じ構成でシャッタースピードを 30 秒にしたのが写真16 だ。写真15 に比べて海面がさらに穏やかになっているのがわかるだろう。残念ながら鏡面と言えるほどの作例にならなかったが、長秒露光により海面の波紋がなくなったことで無風の湖面程度には近づけることができた。こうした作例も、もっといろいろなロケーションに行っていずれは完成形に近づけたいと思っている。

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5.M75 システムのアクセサリー

■写真17 M75 専用バッグ
M75 システムで使うパーツのほとんどを収納できる専用バッグ

M75 システムで使うパーツのほとんどを収納できる専用バッグ

第2回の最後は、M75 システムのアクセサリー「 専用バッグ 」( 写真17 )の紹介をして締めくくろう。前回紹介した S5 システムにも専用バッグがあるが、M75 のそれは個人的によくできていると感じている。というのも、撮影に必要なシステムのほとんどがこの専用バッグに収められることだ。S5 と 次回紹介する V5 システムのバッグは角型フィルターの板自体は別のものに収納しなければならないが、M75 システムの専用バッグは内部が7つに仕切られており、各パーツをすべて、そして角型フィルターも1~2枚は収められる。この仕切りのおかげでフィルターを傷つけることもない。

■写真18 専用バッグの内部
専用バッグの内部は7つに仕切られている。ND、GND、CPL に加え、ホルダーとアダプターの各パーツを個別に収納できる

専用バッグの内部は7つに仕切られている。ND、GND、CPL に加え、ホルダーとアダプターの各パーツを個別に収納できる

専用バッグの背面にはマジックテープで開閉できるベルト通しと三脚用のフラップが装備されているので、専用バッグを腰や三脚にくくりつけておける。小さなアイディアに思えるが、実際の撮影現場では大変重宝する工夫だ。こうしたアイディアを含めて専用バッグの完成度が高いと、不整地でも角形フィルターが安心して利用できる。M75 以前の専用バッグは少々使い勝手が悪かったが、M75 システム以降に発売された新製品 V6 システムのアクセサリーも、M75 と同じような専用バッグが用意されているようなので、今後の NiSi 製品では期待が持てるだろう。

■写真19 三脚の脚部に装着できる
背面のフラップを使って三脚の脚部に装着できる。フラップはベルト通しにもなる

背面のフラップを使って三脚の脚部に装着できる。フラップはベルト通しにもなる

最後に少しだけ宣伝をさせていただく。今回掲載した写真12 は、2019 年 5 月 31 日からオリンパスプラザ東京 地下1階ショールーム クリエイティブウォールで開催される「 広告写真家が撮る OM-D E-M1X の世界 」で A2 サイズでプリント展示される。また、6月2日(日)には同会場でトークショーもあるので、ご興味ある方は脚をお運びいただきたい。待ってます!

さて、次回の最終回は、フルサイズ一眼レフの標準ズームで使える V5 システムの紹介と、実際の撮影現場で必要になってくる遮光の方法について紹介しようと思う。お楽しみに。

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■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
薮田織也事務所
■ 協力 ■
NiSi

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薮田 織也
著者について
■ 薮田 織也( Oliya T. Yabuta )人物・光景写真家 ■  1961 年生まれ。テレビ番組制作会社、コンピュータ周辺機器メーカーの製品企画と広告制作担当を経て、1995 年独立、人物写真家に。2000 年よりモデルプロダクションの経営に参画し、モデル初心者へのポージング指導をしながらポージングの研究を始める。2008 年「モテ写: キレイに見せるポージング」を共著で上梓。2003年か らStudioGraphics on the Web の創設メンバーとして活動。近著に「 美しいポートレートを撮るためのポージングの教科書 」( MdN 刊 )、監修書籍に「 ちょっとしたコツで10倍かわいく見える モテ[写]の教科書。」(MdN 刊)がある。公益社団法人 日本広告写真家協会 正会員
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