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ブツ撮りカメラマン高崎勉のつぶやき
vol.8静物(ブツ撮り)写真はアートになりうるのか

Posted On 2021 4月 07
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Photo : Tsutomu Takasaki

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今回のブツ撮りカメラマン高崎勉のつぶやきは ” 静物写真はアートになるか? ” について考察をしております。また、2021 年5月より富山県高岡市で開催する高崎勉氏の個展の情報も掲載しております。ぜひサイトにご訪問くださりご覧ください。 by 編集部

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■メインコラム:静物(ブツ撮り)写真はアートになりうるのか

こんにちは。高崎勉です。
みなさん、2021 年度版の「 写真・映像用品年鑑 」は既にお手に取っていただけたでしょうか。その巻頭特集で僕の記事、写真上達講座「 写真が上達するコツ 」を掲載していただいています。ブツ撮りを中心に光の捉え方を解説していますので、是非ご一読ください!

さて、写真のジャンルの中で「静物画」は、商品撮影、ブツ撮り、スティルライフ、、、、と、様々な呼び方をしますが、これらは主に広告の世界で多く目に触れることができます。ポスター、チラシ、パンフレット、ホームページ、ECサイト、私たちが何かしらの「物」「商品」に興味を持って(購買意欲を持って)調べようとする時、必ず商品写真を目にすることになりますが、写真というよりは「ただ商品が写っている画像」として捉えられてしまうことが多いようです。

ここだけの話、、、商品撮影がしっかり撮ることが出来たら、報酬がしっかり(ガッチリ!)取ることができるジャンルです。

つまり、人件費的な「 労働の対価 」としてだけではなく、「 クリエイティビリティ(創造性)」と「 技術 」が評価されやすい。その理由は面倒臭い上に、難しいからです。

ただ「 難しさ 」にはテクニック以外にもう1つあって、それは「 いい写真 」と「 悪い写真 」の違い、そして「 商品が売れる写真 」と「 売れにくい写真 」の違いが、一般的に認識されていないことから、正しく評価されることが難しいのです。それが認めてもらえなければ、、、、安価な技術の低いカメラマンに仕事が流れ、「伝わらない写真」が蔓延し、残念なことに広告写真、写真業界、ひいてはこの国の文化の低下に繋がってしまうのです。

僕はそこに抗って活動しているつもりですが、最近は広告のジャンルで撮るだけではなく、文化財の撮影などにも活動の幅を広げています。そしてアートの世界にも。

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静物画は美術の世界ではイタリアやスペインなどに比べて宗教画の依頼が少なかったオランダで 1600 年頃から広まったとされています。
依頼者(パトロン)を象徴する「もの」や生活の光景を描いたりすることから始まり、次第に死生観を表現するものになっていきました。そうした背景があるためか、海外では写真のアートの世界でも Stilllife が1つのジャンルとして確立しています。
では国内でも静物写真はアートとして評価されるのか。

まさにこれは僕の挑戦です。
今年(2021年)の5月から開催する高崎勉写真展「いま君はどこにいるの」展は「コロナ禍に一人の写真家が何を感じ、どう生きてきたか」をテーマにする個展ですが、ここで展示されるシリーズのいくつかに Stilllife(ブツ撮り)があります。

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スクリーンショット 2021-02-15 8.45.47

広告的アプローチの作品から、社会的メッセージを内包したものまで、僕が被写体と向き合ってきた足跡です。
(このブログで挿絵的に使ってきた写真も多数展示します。)
開催する5月中旬にはコロナが今より落ち着いていることを祈りつつ、制作の最終段階を迎えています。北陸近郊にお住いの方、ぜひご来館くださいね。(もちろん遠方からも!)

<< 写真展情報 >>
ミュゼふくおかカメラ館
高崎勉写真展「いま君はどこにいるの」

~ 開 催 概 要 ~
当館で開催された個展「30年の旅の軌跡」から4年。
東京を舞台に活躍する富山市出身の写真家 高崎勉の新作展。
アート作品の他に日常のスナップフォトを感性溢れる文章とともに初公開。
次のステージを目指す写真家はコロナ禍に何を感じ、生きているのかが窺える。

会   期  2021 年 5 月 15 日(土)~ 7 月 11 日(日)
開 館 時 間  9:00 ~ 17:00(入館は 16:30 まで)
主   催  ミュゼふくおかカメラ館(公益財団法人 高岡市民文化振興事業団)
入 館 料  一般 500 円 高校・大学生 300 円 中学生以下無料
※ 65 歳以上は 400 円(免許証などをご提示ください)
※祖父母と孫が一緒なら入館料無料
(祖父母は高岡市、富山市、砺波市、小矢部市、南砺市、射水市、氷見市、滑川市、舟橋村、上市町、立山町、魚津市、黒部市にお住まいの方)
※リピーターは100円割引
(過去にカメラ館で鑑賞したチケットの半券を提示された一般の方が対象)
※上記の割引は併用できません。
※新型コロナウイルス感染症対策に伴い予告なく会期のの変更または中止が見込まれます。来館の際には当館ホームページの情報などご確認ください。

お問合せ先  ミュゼふくおかカメラ館
〒939-0117 富山県高岡市福岡町福岡559
TEL:0766-64-0550 FAX:0766-64-0551
https://www.camerakan.com

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■ サブコラム:ブツ撮り質問箱

高崎勉さんによる「 ブツ撮り質問箱 」も随時質問を受け付けています。商品撮影で ” 行き詰っていること ” ・” 悩んでいること ” などがございましたら下記のフォームから質問をお寄せください。

< ブツ撮り質問箱お問い合わせフォーム >
>> https://forms.gle/2eVEJLYassBC5fmRA <<

著者について
■ 高崎 勉 - Tsutomu Takasaki - 1967年富山市生まれ。1987年東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1999年高崎写真事務所設立。静物写真にこだわり続け、広告撮影と並行しアーティストとして作品制作にも意欲的に活動する。「毎日広告デザイン賞 発言広告の部 最高賞」はじめ数多くの受賞歴を持つとともに、幅広く雑誌・書籍等で写真作品が掲載されている。2017年に開講した Abox Photo Academy 塾長。商品撮影講座&アートフォト講座の講師を務める。