●手ぶれやピンぼけの原因
手ぶれやピンぼけが発生する、それぞれの原因をチェックしておきましょう。 ピンぼけ写真とは、文字通り被写体にピントが合致していない状態で撮影した写真です。そのため、ぼやけた写真が撮影されます。最近は、銀塩フィルム式でもデジタルカメラでも、オートフォーカスが搭載されている製品ばかりなのに…、と思われるかもしれまん。実は、ピンぼけに見える写真の中でも実はピントが合致している写真もあるのです。例えば、撮影したい被写体ではないモノにピントが合っている場合。画面右隅にほんのわずかに写っている、手前に生えていた樹木にピントが合ってしまうと、人間にはピントが合わない場合もあります。他にも、被写界深度の関係でピントが合わない場合もあります。被写界深度とは、分かりやすくいうと、カメラからどの距離からどの距離までピントが合っているように見えるか、ということです。この距離はカメラの絞り値などに左右されます。すると、同じカメラを使っているのに、絞り値を変えることによって、カメラから1m〜2mまでピントが合っているように見える場合と、1m〜1.01mまでしかピントが合っているようにしか見えない場合が出てくるのです。後者の場合などは、人間の鼻の頭にピントが合っても、眼や耳のあたりはぼけてしまいます。すると、全体がピンぼけ写真のように見えてしまうというわけです。 一方の、手ぶれ写真とは、ピントがしっかり合致しているのにも関わらず、シャッターを押すときにカメラを動かしてしまった状態で撮影した写真です。もっとも、この「カメラを動かす」というのは、撮影者は意識していない場合が多いのです。というのも、ほんのわずか数ミリ動かしても手ぶれが発生してしまうことがあるからです。したがって、三脚を使って撮影していても、レリーズやリモコン、セルフタイマーなどを使わずに、シャッターを手で押している場合は、手ぶれ撮影してしまうおそれがあるのです。
しかし、手ぶれの方は、ピンぼけに比べると、修正しきれないという場合も多く見受けられます。これは、ピンぼけの画像が、ほぼまんべんなく四方に対してにじんでいるのに対して、手ぶれでは一定方向にしかぶれていないためです。例えば、少しのピンぼけで使用したシャープネスなどは、一定方向にかけることは難しいのですから、手ぶれの効果的な修復には使えません。手ぶれが原因のぶれは、ほぼ修正は困難であると考えてもよいかもしれません。テレビコマーシャルではないですが、「手ぶれしたら負け」というわけです。
現在販売されている多くのデジ一眼カメラは、撮像素子が35mmフィルムよりもかなり小さいものが採用されています。一般的なものは、APS-Cサイズと呼ばれているものです。このように、撮像面積が小さくなると、同じレンズを装着しても焦点距離が長くなっていまいますAPS-Cサイズを例にとると、35mmフィルムの焦点距離に比べて1.5〜1.6倍長くなります。このとき、当然画角も変わってしまうのです。例えば、先ほど28mmの広角レンズは、公称対角線画角が74度といいましたが、これをAPS-Cサイズの撮像面積を持つデジ一眼に装着すると、公称対角線画角は50度弱ほどまで狭くなってしまうのです。つまり、同じ角度ずれたとしても、写真に残るぶれは大きくなってしまうのです。 この結果、同じレンズを使っているのに、35mmフィルムのカメラよりも、デジ一眼の方がぶれている写真が多くなったなぁ、と感じてしまうというわけです。
意外と難しい、順光できれいな写真を撮る方法 (プロが教える 女性の撮り方講座) 順光、斜光、逆光、半逆光、側光、トップ光の違いと注意点