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ブツ撮りカメラマン高崎勉のつぶやき vol.10
商品撮影のポイント ~ アクセサリーを撮るコツ

Posted On 2022 3月 11
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Photo : Tsutomu Takasaki



TOPIX

今回の”ブツ撮りカメラマン高崎勉のつぶやき”は前回の「 ボトルの撮影の仕方 」がとても好評でしたので、以前よりリクエストの多い「 ジュエリーの撮り方 」に関して記事を作成していただきました。自宅で撮影をされている方、、ネットショップで撮影を担当している方は必見の内容になっています。にぜひご活用ください。 by 編集部

Index

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■ 撮影前に決めること

アクセサリーはリング、ピアス、ネックレスなどが主となりますが特にネックレスになるとチェーンをどの長さまで画面におさめるかという疑問が生じてくるでしょう。まず撮影前に決めなければならないのが撮影した画像を縦、横(もしくは正方形)どんな比率で掲載するのかということです。
「まだ、デザインを決めきれていない。。」
というケースもあるかと思いますが、そんなときは無難に正方形で引き気味に撮影しておくと良いでしょう。

写真1

引いて撮った写真

写真2

写真1の拡大画像、画質が粗くなるので注意。

後、ウェブサイトにおいては、ヘッダー、アイキャッチ、バナーといった部分に写真画像を使うケースが多いですので極端に横長の写真が必要になることもあります。( 商品を見せる主な媒体がパンフやチラシからウェブサイトに移行してから、横長画面の撮影の需要が増えたな。というのが率直な感想です。)

では撮影してみましょう。

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■ 背景色の選択

まずサーフェス(背景)をどうするか悩むところですが、「ブランドのコーポレートカラーを踏襲して撮影したい。」という声も時々聞きます。
ですが商品を正しく伝えたいとするならば、濃い色の使用は避けたほうがいいでしょう。指輪で解説しましょう。

白に近い明るいグレーの背景で撮影。

一見、どれも綺麗そうに見えますが商品の足元を拡大してみると、、、

貴金属に背景の色がダイレクトに影響しますから、その色をあしらったジュエリーデザインと誤解されかねません。
下の、写真 11 のように商品ギリギリまで白い紙を入れて、ようやく商品の色が正しく表現されます。これをレタッチの素材として使うことはできますが商品点数が多いと、修正に膨大な時間を取られることになります。

写真 11

やはり、白や明るいグレーが初心者には撮りやすいです。
ここでは紙を使っていますが。コピー用紙など薄い紙だと皺になりやすいですし、セッティングし辛いこともありますので、ある程度厚手の紙がオススメです。

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■ 絞り値について

2つで1組のピアスを例にしてみます。絞りを極端に変えてf 2.8、f 22 の2パターンで撮ってみました。どちらも手前(右側)のピアスにピントを合わせています。

絞ればピントの合う範囲が広がりますから、絞った方が手前から奥までピントが来ます。ただ、ピントが合えばいいというものでもなく、そのカットをイメージカットのように1点ピントで表現したいのなら開放値に近い f値で撮ることも間違いではありません。

この商品は面が多いので広範囲の光が影響します。今回の撮影は窓辺に撮影台を設置して窓にトレーシングペーパーを張って、光を柔らかくして撮っています。
窓から入ってくる光に対してカメラ側やサイドから銀レフを入れることで、商品が明るくなります。

これもどれが正解ということではありませんが、商品の特徴が伝わりやすいレフの当て方をしましょう。
注意点としては全面(多方向)からレフを入れて商品を覆い過ぎてしまうと、全体にコントラストのない写真になってしまいます。

写真 19

手前と右サイドからレフを入れた様子

僕が仕事でジュエリーの撮影するときは大抵フラッシュやLEDなどの人工光源を使いますが、今回は照明機材をお持ちでない方のために窓辺の光で撮影しました。

写真 20

写真 21

ホームセンターで購入したクランプで窓にトレペを固定。

照明を使った撮影についてはまたの機会に!

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■ ブツ撮り質問箱

いかがでしたか?
皆様もブツ撮りや広告写真に関する、疑問、お悩みがございましたら、下記のフォームから必要事項を記入してお問い合わせください。技術的なことはもちろん、疑問に思っていることをご記載ください。
※ご質問は記事にて回答をし、個別に回答はいたしません。
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著者について
■ 高崎 勉 - Tsutomu Takasaki - 1967年富山市生まれ。1987年東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1999年高崎写真事務所設立。静物写真にこだわり続け、広告撮影と並行しアーティストとして作品制作にも意欲的に活動する。「毎日広告デザイン賞 発言広告の部 最高賞」はじめ数多くの受賞歴を持つとともに、幅広く雑誌・書籍等で写真作品が掲載されている。2017年に開講した Abox Photo Academy 塾長。商品撮影講座&アートフォト講座の講師を務める。