ポートレイトのネタ帳 第6回
清田大介のネタ< カラーメーター >
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ポートレイトのネタ帳 第6回は、前回に引き続き清田大介氏に登場いただきます。今回はセコニック社製カラーメータを使用したポートレイト撮影について解説しております。感覚を数値化するカラーメーター。撮影現場における活用法をご覧ください。 by 編集部 |
● 今回のネタをご披露いただく写真家
清田大介氏
PWEB制作会社『DreamPixels』代表。写真家。APA(公益社団法人 日本広告写真家協会)正会員。『清田写真スタジオ』経営。国内外のコンテスト受賞多数。商業撮影、雑誌寄稿、セミナー開催。NiSi Official Advisor.
https://blog.dream-pixels.com/
スタジオグラフィックスをご覧の皆様こんにちは、今回はセコニックさんのご協力によりカラーメーターを取り上げてみる。
ポートレート撮影をしていくと様々な光源が折り重なった状況で撮影することは多い。たとえば自然光 + ストロボ、室内光 + ストロボなどミックスした光源下での撮影である。
そういった場合よくぶつかる問題として各光源の光の質や現場での色かぶり、演色性、色温度のずれがあげられる。今回の記事では特に色温度に焦点をあてて、どのようにして色を整えていくか?に関して解説してみる。
■カラーメーターとは
このような時に活躍する機材としてカラーメーターが挙げられる。カラーメーターとは色を数値化する機材で、今回扱うセコニックのカラーメーター『 スペクトロマスターC-800 』では
- 照明や自然光の色温度測定
- 色温度に合わせるための補正値の表示
- 演色評価数を測定して色再現性を確認する
- 照明機材の経年変化の管理 …etc
といった撮影現場における主に照明の質や管理、比較などをし補正したりするのに使われる。
■ 撮影現場におけるカラーメーター活用法
今回は作品撮りの現場で実際にどのようにして色温度を管理しているのか?を解説する。現場の光を正確に把握することで、ハウススタジオなど室内でストロボを使ったときにより自然になじませたり色を管理していくことが容易になる。
まずは室内灯の色温度を計測する。カラーメーターは定常光のモードとストロボなどフラッシュ光のモードがあり、まずは定常光のモードで測定する。計測すると部屋の照明の色温度は 2650K である。
もちろんこの室内灯のまま撮影も可能である。が、その場合概ね暗い場合が多く、感度は上がり、絞りも開放に近くなりがちである。今回の撮影はアパレルで衣装の質感を出したいのと、ハウススタジオの背景をぼかす事なく世界観を表現していきたいので絞った撮影を行いたい。
そこで照明機材を追加して光を補うのだが、ストロボの色温度は基本的に日中太陽光に近い 5500K 前後が多いので色温度を合わせる必要がある。ストロボの色温度を計測すると 5687K であった。約 3000K の差があるのでこのまま撮影すると照明の色の差が激しすぎて、ストロボを使った感じがもろに出てしまう。
そこで色温度補正フィルターを使用してこの色温度差を埋めてみよう。
色温度補正フィルターは概ねアンバー、ブルー、グリーンの3種類を現場で駆使することになる。Profoto の色温度補正フィルターで FULL HALF 1/4 1/8 とそれぞれの濃度のフィルターが存在している。今回は約 3000K の差を埋めるのに、Full CTO + 1/4 CTO の二枚重ねにしてストロボに使用している。
フィルターを入れた状態で測定したのが以下である。
2619K となりほぼ室内の色温度と同様の色温度となった。ストロボの光量によっては色温度が変化するのでその点は注意しつつ
複数照明の誤差が 100K 範囲内にできる限りおさめることを意識している。
さてこの状態でストロボを照射するとほぼ環境光に馴染んでいるのがわかるわかりやすくちょっと強め&硬めの光にしている。
この状態で露出を合わせ、グレーカードなどを撮影しておけばかなり色の調整が楽に、また色の再現性が高くなる。感覚値ではなく数値できっちり把握することで、基準値に自信を持つことができることが重要だ。
ディフューザーをつけた状態で色温度を調整して撮った作例が以下である。
最終的に完全に色味を整えた上で、400-600K 程度高い色温度設定で撮影している。
■ まとめ
ミックス光で撮影するときに色再現や色の違いに悩んでいる方、そういった撮影環境でより自分の思い通りに光を作っていきたい方には必須の機材である。またカラーフィルターによる色温度調整は屋外・屋内に関わらず念頭に入れておくと良い。
今回のネタをもとに、感覚を数値化するカラーメーターを導入し、ポートレイト撮影に挑んでいただきたい。