今回のロケは、生憎の雨になってしまった。
そこで雨をしのぐことができるロケ地での撮影コースに変更した。季節柄、無理して濡れながらの撮影ではモデルに風邪を引かせかねないし、そもそも良い表情をしてもらえるとは思えない。こうした事態に対応する為に、天候や状況において、いくつかパターンを作っておこう。
スナップポートレートは行き当たりばったりということではない。スムーズに撮影を進める為には、あらかじめのロケハンはもちろん、ルートの確認や、希望のポイントの複数確保と、シミュレーションを入念にしておけば、当日慌てることもないし、バリエーションも広がる。
また撮影者の“どうしても撮りたい”気持ちもわかるが、なによりモデル優先!ましてやスナップポートレートは、いたるところで人目を気にすることになるので、モデルの疲労が大きくなることも考慮したい。
1:スタイル
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Canon EOS 5D Mark2 + シグマ 85mm F1.4 EX DG HSM
絞りF2.0 1/200秒 ISO200 WB:マニュアル RAW |
スナップポートレートは移動が多く、街中での撮影も考えると、できるだけ身軽にしたい。
各撮影ポイントで必要な機材を厳選し、コンパクトにまとめよう。
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おススメはリュック型の小型カメラバッグ。リュック型は、両手をフリーにすることができるので自由度が大きいことと、バッグを都度下ろす手間が省けるのが最大のポイント。サイドからレンズつきのカメラを収められるタイプがおススメ。私の愛用バッグはこのタムラック3375。 |
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ミラーレス一眼など、機材をさらに小さくできるのなら、小型ショルダータイプもいい。さりげなく撮影するスナップポートレートにはピッタリだ。
写真はaosta DECORO Mサイズ。 |
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2:雨をしのぎながら…
雨模様となったロケのスタート、建物下の、雨のしのげるロケ地で撮影開始。スナップポートレートはスピードが信条。枚数は稼がず、スッスッと撮影しては動いていこう。
モデルにはその場にいてもらい、カメラポジションを移動。
人通りが多くなってきたので、アップショットで。
人通りが切れるのを待つのが惜しい。
立ち止まる人もいるので、撮りたい構図を待つより、次々と進めていくのがポイントになる。
モデルには撮影イメージを伝え、できるだけ希望の表情やポーズの指示をすると、スピードアップに繋がる。
僕もモデルの英美ちゃんにイメージを話し、カット毎のねらいを伝えてから撮影している。
無駄なショット数を減らすだけでなく、テンポもよくなる。ここではワンシーンにつき5〜6ショットをメドにし、その間、目線や手の位置などを動かしてもらっている。全く同じ表情やポーズのまま何枚も連写しても意味は無い。
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ブレを防ぐため、一脚を使用。三脚は場所を占領してしまうのとコンパクトさに欠けるので、スナップポートレートでの出番は少ない。
モデルにも、シャッタースピードが遅くなることを伝えている。英美ちゃんは一つ一つの仕草をゆっくりこなしてくれた。 |
スナップポートレートは、撮影ポイント毎で雰囲気に変化をつけていく楽しみがある。
ちょっとクールな雰囲気が欲しくなった。
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人の往来がある憩いの場での撮影。歩きながらパシャパシャと。
カメラはバッテリーグリップを装着せず、できるだけ小さく軽くしている。
服装は、街中のガラス用の写り込みを考慮して黒のコートにした。写り込みが気にならないようなら、白という選択肢も。レフ板代わりの“自分レフ”となる。 |
ここで雨は小降りになってきたので、そばの大通りに徒歩で移動。
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横断歩道を渡りながら、素早く撮影。交通の邪魔にならないように、細心の注意をはらいたい。ここで切ったシャッターは3枚だけ。移動の間に狙いを話しておいた。 |
雨が上がったので、電車で移動、とある沿線沿いをブラブラすることにした。
その前のラストカットをパシャリ。
非常に寒い日だったので、スピーディーなシャッターを優先に、区切りの度に屋内に入ってもらうようにした。
またこうした日の撮影では早めの休憩や食事など、モデルに無理をさせないスケジュールで進行していきたい。
さて、移動中に昼食を摂ることに。
次回はとある沿線と、その沿線沿いにあるお店にお邪魔した。
キュートなカット、盛りだくさんです。
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