武石修のイベントレポート
フォトアクセサリーフェア2022
Photo : Osamu Takeishi
TOPIX
by 編集部
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1.3年ぶりにフォトアクセサリーフェアが開催
株式会社スタジオグラフィックスと PAF事務局が主催するイベント「 フォトアクセサリーフェア2022 」( I-PAF )が7月8日と7月9日に東京都立産業貿易センター浜松町館で開催された。
フォトアクセサリーフェアは、プロやアドバンストアマチュアを対象とした展示会で、30 の企業・団体が撮影用アクセサリーを中心に出展した。各ブースでは製品を手に取って体験できるほか、セミナーやライブシューティングも実施。多くの来場者が駆けつけ、“ 体験する機材展 ” を楽しんでいた。
以下、各ブースの模様をお伝えする。
2.出展社ブースレポート
■浅沼商会
カメラサポートブランドの「IFOOTAGE」を展示。新製品となる雲台やアームを展示していた。雲台はアルカスイスタイプのシューとマンフロットタイプのシューの両方が使えるようになったのが特徴で、スチルとムービーの両方の機材を素早く載せ替えられる。
またアームの新モデルは取り付け部分がクイックリリースになっており、レバーで素早く取り外しできる。L字型に曲がるプレートも新製品で、動画用三脚に取り付けると縦位置撮影が可能になる。動画用三脚での写真撮影で便利なアイテムだ。
■アガイ商事
LEDライトで知られる Aputure のサブブランドである amaran の製品などを展示していた。
amaran は Aputure よりも低価格のレンジになっており、例えばモノブロックタイプの LEDライトが2~3万円台でラインナップされている。また、電球型の LEDライトも人気とのこと。
■ATMOS
映像用の外部モニターで有名な ATOMOS は、参考展示として新型のモニターを出品していた。いずれも8月以降の発売を予定している。
特長は無線による映像配信機能を搭載している点。カメラの映像をそのまま YouTube などでライブ配信できる。これまで通り、本体での記録にも対応している。また、従来モデルに装着すると配信ができるアダプターも用意する。
■市川ソフトラボラトリー
RAW現像ソフト「 SILKYPIX 」の最新版となる PRO 11 のデモを行っていた。
シリーズで初めてRAW現像エンジンを刷新。RAWデータを開いた時点で、より高画質になっているという。さらに部分的な色温度の調整や不要物を消せる修正ブラシの搭載など機能向上が図られている。
■イメージビジョン
FUSiON TLC のストロボトランスミッター「 RAVEN 」を展示。プロフォトやゴドックスなど複数のメーカーのストロボをコントロールできるのが特長となっており、TTLオートで利用できる。
正面はLEDライトになっており、AF補助光や動画撮影時のライトとして使用できる。ニコン、キヤノン用があり、今後ほかのカメラにも対応する予定となっている。
■ヴィンチェロ
Calibrite のカラーマネジメント製品を扱っている同社は、アウトレット品の販売を行っていた。測色器や大小のカラーチャートなどが並んでいた。
■EIZO
グラフィック用ディスプレイの新モデルとなる「 ColorEdge CG2700S 」を展示していた。測色器を内蔵しており、キャリブレーション作業が自動化できるモデルとなる。大きさは 27 型。
新たにUSB Type-C端子を搭載し、映像を映すと同時にノートPC に電源を供給できるようになった。動画制作向けの HDR 表示モードも備えている。
■H&Y Filters Japan
角形フィルターを回転できるアダプターのデモを行っていた。グラデーションフィルターで明暗の方向を調整することができる。8月に発売する。
また、丸形フィルターにも力を入れており、超低反射のフィルターをラインナップしているほか、マグネットで簡単に着脱できるシステムをアピールしていた。
■銀座十字屋
Rotolight のプロ向けLEDライト「 TITAN 」シリーズを展示していた。タッチパネル式の操作部や電子ディフューザー、無線コントロールなど先進的な機能を盛り込んだライトとなっている。大小さまざまなサイズをラインナップする。
加えて、写真撮影用に最高 1/8,000 秒でシンクロするモードも備えている。このモードでは明るさが定常光時の2倍になるほか、演色性も向上する。
■EZOX
かわうそ商店が扱うフィルムの販売を行っていた。モノクロフィルムやブローニーフィルムのほか、銀塩カメラもラインナップしている。
■銀一
スタジオショップで扱うアクセサリーやバッグなどの販売を行っており、賑わっていた。新タイプの背景紙の展示もあり、ターポリン素材のため汚れても簡単にきれいにできるそうだ。
■カメラブ
月額制でカメラやレンズをレンタルできるサービス「GOOPASS」のアピールをしていた。
オールドレンズ、ジンバル、ドローンなどもラインナップしている。価格は 6,380 ~ 109,700 円/月となっており、金額によって借りられる機材が異なる。
■ケンコー・トキナー
トキナーの新レンズ「SZ 33mm F1.2 MF」(受注生産)を展示していた。APS-Cカメラ用の大口径標準 MFレンズ。シネマレンズの技術を投入して、滑らかなリングの動きを実現した。
絞りリングにはクリックストップが無いため、動画で暗転させるなど滑らかに光量を変化させることができる。
■コシナ
新製品となる「 フォクトレンダーNOKTON 23mm F1.2 Aspherical 」を試すことができた。富士フイルムXマウント用の単焦点レンズとなっている。
F1.2と大口径ながら小型に仕上げてあるのも特長。Xマウント機専用の設計とすることで高画質を実現した。
■サイトロンジャパン
参考出品として LAOWAの「 24mm T14 ペリスコープ 」というレンズを展示していた。被写体に近づいて撮影できるレンズだが、先端が 90 度屈曲しており、地面すれすれの被写体を楽な姿勢で撮影可能。防水仕様で、LEDライトも内蔵している。
また、KamLan ブランドで初めてとなる 35mm フルサイズレンズ「 58mm F1.4 」も参考出品アイテム。ミラーレスカメラ各社のマウントが用意される。
■SAEDA
LEDライトメーカー、Phottix の新モデルとなる「 X600 」を参考出品していた。出力 500W と比較的大きな出力となっている。
色温度は固定のタイプ。電源部装着した Vマウントバッテリーでも動作する。発売は 2023 年初めの予定。
■サンテック
JIMBEI ブランドのストロボを展示していた。バッテリー式のモノブロックタイプや、発光部が円形のクリップオンストロボをラインナップしている。
カメラメーカーを問わず TTL オートで使えるトランスミッターをラインナップしているのが特長。端子形状を工夫することでそのままホットシューに装着できる。
■焦点工房
新モデルとなる銘匠光学の「 TTArtisan AF 32mm F/2.8 Zマウント 」が展示されていた。35mm フルサイズセンサーに対応した単焦点レンズ。同ブランド初の AFレンズとなる。
名前の通り、ニコンZマウント専用。開放F2.8ということで、フルサイズ用だがかなり小型になっている。
■新東京物産
Kipon や Commlite などのマウントアダプターを初め、Meike のレンズ、NiSi のフィルター、VSGO のクリーニング用品、そして Cam-in やJJC のアクセサリーなどを展示していた。
■Skylum Software
画像編集ソフト「 Luminar NEO 」のアピールをしていた。新たに AI 技術を使った人物の切り抜き機能が搭載された。
この写真は切り抜き後に別の背景画像を合成したところだが、きれいに合成できていた。電線などを自動で除去する機能も搭載している。
■セコニック
多数の露出計を展示していたが、その中でも人気というのが「 L-308X 」。機能はシンプルだが、低価格なのでよく売れているという。露出計の使い方を解説した冊子も配布していた。
■常盤写真用品
主にSirui製品の販売を行っていた。同ブランドは三脚、一脚、雲台などを手がけている。
■ナニワ商会
カメラのナニワやレモン社で中古を含むカメラの販売と買取を行っている。ブースでは中古カメラを販売しており、来場者が足を止めていた。
■ニッシンジャパン
参考出品として新型ストロボ「 MGbox 」を展示していた。同社のクリップオンストロボと同じクォーツ管を採用し、連続発光に強い。薄型のため携帯性に優れるのも特長。年内の発売を予定している。
側面にマグネットが付いており、複数台を束ねて使える。同社のワイヤレスシンクロシステムに対応している。
■Nextorage
ソニーで記録メディアを手がけていたスタッフが独立してできたブランド。SDカードやSSDをラインナップしている。
高耐久性を謳うSDカード「RIGID」を展示していた。防塵防滴、一体成型構造、耐曲げ強度といった特徴がある。UHS-I対応で最大256MB品まで用意している。
■長谷川工業
同社ははしご・脚立のメーカーで、カーボン樹脂製の踏み台を展示していた。0.9kg と軽量で畳むとノートPC程度になり、持ち運びが容易とのこと。8月4日に発売する。
カーボン樹脂を採用したことで、耐荷重150kgを実現した。ストラップホールを備えている。
■マルミ光機
写真家の鈴木さや香さんと共同開発したフィルター「アルプスパンチ!」、「なついろパンチ!」を展示していた。敢えて解像力を落とすことで、柔らかな描写を実現している。
色も変化する。ホワイトバランスの設定を変えて、好みの色調にすることも可能とのこと。
■日本写真映像用品工業会
同会が毎年発行しているカタログ集「写真・映像用品年鑑」を配布していた。
■PASHA STYLE
不定期で刊行しているポートレート専門誌「 PASHA STYLE 」の販売を行っていた。雑誌の発行以外にもポートレートに特化した撮影会、写真教室、写真展などを行っている。
ポートレートのキュレーションサイトも運営しており、会員数は 5,000 人以上という。
3.セミナーも盛況
会場では2つのステージで写真家などによるセミナーが実施され、多くの来場者が聴講していた。また、撮影体験コーナーもあり写真家のライブシュートが行われたほか、来場者がモデル撮影を体験できる時間もあった。
(以上)
■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
武石修