山添太の模型撮影のススメ ~ 第4回 1灯ライティングで変わる模型写真
Photo & Text:山添太
TOPIX
こんにちは、山添 太です。さまざまな事情でおうち時間が増えている中でも、大手を振ってカメラ趣味を楽しめてしまう「模型撮影のススメ」。前回は模型撮影における環境についてレクチャーしました。今回は実践的な “ ライティング ” について。模型撮影における重要性について、最も手軽な1灯ライティングとともにお届けしていきます。最後にはオススメ模型紹介もあるので、ぜひご覧ください。
Index
1.立体物の模型はライティングで立体的に写すべし
物撮り用として、四方八方から光を当てることができる「撮影ボックス」というものが売られています。まんべんなく光が回った状態は被写体をキレイに写してくれますが、模型だと少し物足りません。模型は、メカメカしいモチーフを細部まで立体的に再現しています。そのディテールを強調するためには、それに応じたある程度の明暗差が必要になってきます。ライティングで立体感を生み出すことで、ディテールはより良いものに見せることができ、全体的なクオリティの引き上げにも繋がってくれます。
2.たった1灯でも充分撮れる立体的な模型写真
撮影ボックスは必要ありません。むしろ、縮尺が違ったりして大小さまざまある模型にはあまり適していません。前回の内容を参考に背景を整理して、光源を一つだけ用意すれば、あとは創意工夫で充分のぞめます。光源はなんでも良いですが、環境光に左右されにくい「 瞬間光 」がオススメ。準備の手間が少なくお手軽ですし、ホワイトバランスも安定します。定常光の場合は環境光の排除が手間ですが、ライティングの具合を確認しやすいというメリットがあります。
2ー1.手持ちのクリップオンでお手軽ライティング
すでにクリップオンストロボを持っているのなら、汎用品のラジオスレーブと組み合わせれば光源として遠隔操作が可能です。その際には技適マーク付きを選びましょう。レフ板は光を反射するなら、コピー用紙やアルミホイルや鏡などでも OK です。
2ー2.露出計があると便利
基本的にクリップオンストロボにはモデリングランプがないので、どこに光が当たっているのかすら撮ってみないとわかりません。デジタルなのでトライ & エラーを重ねても良いのですが、時間と電池ももったいないです。露出計があれば、発光量や背景の明るさなど事前に重要な情報が得られるので、特にクリップオンを使う場合は用意しておくと便利です。
3.1灯ライティングをやってみよう
より立体感を引き立てるために背景は黒をチョイス。被写体の写り方とともに背景の黒をしっかり黒く移すこともキモといえます。ライティングの正解は、被写体やその見せ方、撮影環境によっても変わります。ここで紹介するものはオーソドックスな方法としてご参考に、自分なりのライティングを見つけてみてください。
4.本日のオススメ模型「マックスファクトリー PLAMAX MF-49 minimum factory 谷口信輝」
(C) LEN[A-7] / Crypton Future Media, INC. www.piapro.net directed by コヤマシゲト
2021 年6月に「 PLAMAX 」シリーズでリリースされた、グッドスマイルレーシングのドライバー・谷口信輝のプラキット…に付属するカメラマン。このカメラマンも実在のカメラマンを 3D スキャンしたデータをもとにキット化されていて、服装や装備、身につけ方も非常にリアルなんです。1/20 スケールでサイズとしては大きすぎず小さすぎず。同シリーズにさまざまなモチーフのキットが展開されているので、組み合わせ遊びも非常に楽しくオススメです。
4.次回予告
次回はライティングを使わない模型撮影の楽しみ方をお届けします。
■ 制作・著作 ■
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山添太