みなさんは一つの被写体につき、何枚写真を撮っていますか?
この記事を読んでいただいている読者の方も、被写体一つにつき1〜2枚という方も多いのではないかと思います。
もちろん被写体にもよりますが、自分は多いときは10枚以上撮影します。
これは、露出や構図を変えながらいろんな角度から撮影しているからなのです。
ある有名な女優がカメラマンに写真を撮らせるときに、必ず一定の角度からしか撮らせなかったという有名な逸話があります。
もちろん女優さんは、その角度がもっとも自分を美しく引き立たせる角度だと知っていたのです。
生物を撮る場合に、どの角度がもっとも良いかというのは、実際に生物に出会って撮ってみないとわかりません。
ましてこの広い海の中で、生物に巡り会うということは一期一会の出会いなのです。
また再び出会うことができるという保証はどこにもありません。
まさに海は水物なのです。
ですので、生物に巡り会い、そして撮影するときに、いろいろな角度や方法で撮影することがとても重要となります。
以下にそれぞれの角度について、一例として先日撮影したクルマダイを元に解説します。
1:真横
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写真T |
被写体:クルマダイ
撮影地:大瀬崎 湾内
オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL 50mm 被写体との距離:50cm f・11 1/100 ISO-100 |
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写真U |
オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL 50mm 被写体との距離:20cm f・11 1/100 ISO-100 |
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写真V |
オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL 50mm 被写体との距離:10cm f・11 1/100 ISO-100 |
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写真W |
オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL 50mm 被写体との距離:10cm f・11 1/100 ISO-100 |
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いわゆる図鑑写真の撮り方です。
真横から撮影した写真は、被写体の情報を第三者にもっとも伝えやすい写真であり、水中写真の基本の撮り方となります。
まずはクルマダイを真横からバシッと撮影します。(写真T)
以前にもお話ししましたが、こうした図鑑写真は充分に絞り込むか、または被写体をレンズ面と平行に捉えて、できれば口の先から尾ビレの先端までバシッとピントが来た写真が望ましいです。
次に、少しずつ接近してクルマダイのアップを狙ってみましょう。
二枚目の写真Uは、カメラを縦にして印象的な写真を狙いました。
接近する前にストロボの位置を調節するのを忘れないようにしましょう。
三枚目の写真Vは、さらに接近してレンズの最短撮影距離で撮影しています。
クルマダイの特徴である大きな目を強調しながら、顔や口がギリギリ入る構図で撮りました。
四枚目の写真Wは、「他にきれいなところはないかな?」と間近でクルマダイを観察してみると、背びれと体の模様がきれいだったので撮影しました。
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