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水中写真テクニック講座
中野誠志の 海Photo! 楽Photo! 水中写真テクニック講座
第6回 水中写真の構図テクニック 2009/08/19
 

みなさんこんにちは!
水中写真テクニック講座担当の中野誠志です。

みなさんも楽しい夏休みを過ごされましたか?

梅雨明けが遅く、今年の夏の始まりも遅くなりましたね。
残りの夏をたくさん楽しみましょう♪

さて、第六回となる今回のテクニック講座は、
『水中写真の構図テクニック』についてお話いたします。

構図が良い写真は作品と呼ぶことができます。

今回の講座でばっちり学んで良い作品を撮りましょう!

Text by 中野誠志
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「構図」を工夫することで写真の魅力アップ

  水中写真の構図テクニック このページのトップへ  

 

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写真A

日の丸構図
被写体:タテジマキンチャクダイの幼魚 撮影地:安良里 沖の根
オリンパス C770UZ+INON製クローズアップレンズ×2枚、f・4 1/100 ISO-100 被写体までの距離20cm。


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写真B

凡庸な写真
被写体:マダラフサカサゴ 撮影地:黄金崎公園ビーチ、オリンパスC770UZ+INON製クローズアップレンズ×1枚
f・3.5 1/100 ISO-64 被写体までの距離:20cm。


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写真C

中央から外した構図
被写体:シロオビハナダイ 撮影地:伊豆海洋公園、NIKON F4 MicroNikor 105mm f・4 1/60
フィルム:Velvia100F
被写体までの距離:50cm。

水中写真をはじめてすぐは、ピント合わせに集中するあまりに、被写体が写真の真ん中に来る写真を撮ってしまいがちですよね。

これを『日の丸構図』と言い、特に被写体の割合が画面に対して小さ過ぎる場合は、たいていインパクトが弱い失敗写真となります。

みなさんの写真はどうですか?

こう言うと日の丸構図がダメなような気がしますよね。
いえいえ、そんなことはないですよ。写真Aを見てください。

被写体を真ん中に持ってきた構図は、被写体を強調する重要な構図ですし、生態写真や図鑑写真的にも正解です。
ただ、いつもいつも被写体を中心に持ってくるのはちょっと考えものなんです。

今度は写真Bを見て下さい。


う〜ん、なんかイマイチですよね?

被写体を中心に持ってくると安定はするのですが、写真としてのおもしろさがなくなってしまう場合があるんです。

逆に写真Cのように、被写体を中心から外すと写真に動きが生まれたり、写真全体を鑑賞できる構図にもなります。

これは主題になる被写体をどこに置くかで変わります。
これが構図の妙なんですよね。

今回の講座では、こういった写真の構図についてと、写真を撮るアングル(角度)についてお話ししていきます。

今回の講座の内容は、コンデジだけで水中撮影を楽しんでいる方はもちろん、デジイチの方にも早速役に立つテクニックです。
ぜひマスターしてより一層水中写真ライフを楽しんでください♪

 

 


  カメラを横位置から縦位置に このページのトップへ  

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写真D

横位置の構図
被写体:ミノカサゴ 
撮影地:大瀬崎 柵下
オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL 50mm 撮影距離:1.5m
横位置では何かありきたりでパッとしない写真も・・・

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写真E 縦位置の構図
縦位置にすると何だかぐっと印象的に!

「おっ」と思ってカメラを構えてみるものの、

「・・・う〜ん、なんか違うなぁ」

という風になんか構図がしっくり来ない時もあると思います。そんな時はまずカメラを縦にしてみましょう。

『横のカメラを縦にする』

たったこれだけの単純なことで、
写真がずいぶん印象的になるはずです。

カメラを縦にする場合は、手ぶれを防ぐ意味でも右脇を閉めるようにしてカメラの右側を下にします。

内臓ストロボだけの場合は問題ありませんが、外部ストロボを使用している場合は、ストロボの位置を、カメラの横位置にマッチした位置から縦位置にマッチした位置へと直すのを忘れないようにしましょう。

 


  まずはフォーカスロック このページのトップへ  

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写真F

被写体を中央に配置した構図
オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL fisheye 8mm

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写真G 被写体を左に配置した構図
オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL fisheye 8mm
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写真H 被写体を右に配置した構図
オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL fisheye 8mm

構図をあれこれ試してみるためには、マニュアルフォーカスの場合、画面の中央以外に被写体を配置してピント合わせする必要があります。

また、オートフォーカスの場合には、フォーカスロックをマスターする必要があります。

被写体にレンズを向けて半押しし、被写体を中央で捉えたらそのままフォーカスロックをキープして、被写体を中央から外しましょう。

上下左右に少しずらすだけで構図を変えるには充分です。

ピントが狂わないようにカメラを前後に動かさないよう注意して下さい。

いかがでしょう?

被写体が中心にないだけで、写真の印象がずいぶん変わりませんか???

構図を考えて撮影する場合は、ターゲットの被写体にピントを合わせやすいように、中心部に重点を置いたスポットフォーカスにしてみるのもいいでしょう。

 


  代表的な構図とは? このページのトップへ  

 

次に、被写体を画面に対してどのように配置するかについて考えてみましょう。

そもそも構図についての考え方は、写真から生み出されたものではありません。
古くから絵画の世界で用いられてきた手法を写真に応用・発展したものなのです。

代表的な構図としては、

  1. 日の丸構図
  2. 二分割構図
  3. 三分割構図

などが挙げられます。
以下に一つずつ簡単に説明していきます。

 

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写真I

日の丸構図 被写体が小さい
被写体:ネジリンボウ 撮影地:黄金崎公園ビーチ、オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL 50mm 撮影距離:1.5m

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写真J 日の丸構図 被写体が大きい
被写体:ネジリンボウ 撮影地:黄金崎公園ビーチ、オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL 50mm 撮影距離:30cm。
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写真K 被写体の一部をはみ出させた構図
被写体:イセエビ 撮影地:安良里 沖の根
オリンパス C770UZ+INON製クローズアップレンズ×1枚

1:日の丸構図

被写体を中心に持ってきた構図は日の丸構図と呼ばれます。

被写体が画面の割合に対して充分に大きい場合に用いると、被写体を強調した適切な構図となります。

一般的なカメラのアスペクト比(縦横比)は、コンデジで3:4、デジイチで2:3という横長のフォーマットが主流となっています。

この横長の空間において、小さな被写体を中心に持ってくると、被写体の周囲の空間(特に左右)が大きく空いてしまいますよね?

被写体を大きく撮影できるとこうした空間は目立ちませんし、逆に何もない空間が引き立て役になるのですが、被写体が小さい場合は写真から受けるインパクトも弱いし、動きやおもしろみにも欠けます。

一方、被写体に充分接近して大きく撮影できると、被写体の魅力を強調して、見る人にインパクトを与えることができる構図となります。

写真Jは日の丸構図の成功例です。

とはいえ、いくら何でもバランスというものがありますので、被写体が画面に対して大きすぎても良くありません。

まるで被写体を檻に閉じ込めてあるかのように、観る人が窮屈な印象を持ってしまいます。

言い換えると、被写体周囲の何もない空間が適度に保たれていることが良い写真の条件と言えるでしょう。
また、被写体の顔が向いている方向に空間がある方が好ましい写真になりやすいです。

一方、写真Kのように、被写体の一部をわざと画面からはみ出させることで、迫力を表したり大きさを強調するというテクニックもあります。

 

2:二分割構図

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写真L

二分割構図
撮影地:大瀬崎 大川裏
オリンパス E-410 ZUIKO DIGITAL fisheye 8mm
f・8 1/125 ISO-100
被写体との距離 1m。

写真の中央を上下、または左右、もしくは斜めのいずれかに二分割した構図を言います。

二分割構図はどっしりとした安定性のある構図です。
上下の二分割は主に風景写真で利用します。

まるで一幅の絵画であるかのような印象の写真となります。

 


3:三分割構図

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写真M 三分割構図のガイドライン写真
オリンパスμ790のガイド表示
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写真N 三分割構図
被写体:イシダタミヤドカリ 撮影地:大瀬崎 湾内
オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL 50mm 撮影距離:40cm。
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写真O 三分割構図
被写体:イシダタミヤドカリ 撮影地:大瀬崎 湾内
オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL 50mm 撮影距離:40cm。

写真の長辺と短辺をそれぞれ三分割にした構図です。
三分割構図とよく似た構図に黄金分割構図がありますが、それとほぼ同様の効果を得ることができます。

三分割構図では、画面を分割した直線同士や交わる交点が特に重要で、そこに強調したい被写体を配置すると印象的な写真となります。

被写体の大きさが画面の割合に対して充分に大きくないので、被写体を中央に配置するとものたりない場合や、周囲の環境を含めて風景写真的に画作りしたい場合に用いられる構図です。

デジカメにはこの三分割の罫線を表示する機能もあります。

慣れない内はこの罫線を表示して感覚をつかむのも良いでしょう。

三分割構図はガイドラインを表示させなくても目見当がつけやすい構図です。

実際に水中撮影においても利用されることが多く、 写真を印象的にするためにとっても役に立つ構図ですので、ぜひマスターしてください。

【構図のまとめ】

  1. 日の丸構図で撮るときは、被写体に近づいて充分に大きく写す。
    生物の持つ美しさや生態のおもしろさなど、被写体をメインに撮影するときに使う構図。
  2. 二分割構図は主に風景写真で利用できる。
  3. 三分割構図は被写体を含めた周りの環境を用いて画作りをしたい場合に役に立つ。
    三分割の交点や直線に主要な被写体を配置すると印象的な写真となる。

 

構図についてのアドバイス:

構図がうまくなるコツは二つあると思います。
一つは、優れた水中写真家の良い写真をたくさん見ることです。

三好和義氏、高砂淳二氏などは、思わず海に行きたくなるような、そんな気持ちの良い海の写真を撮られるカメラマンです。
良い水中写真をたくさん見て、自分の構図に生かして下さい。

また、陸上の風景写真の撮り方は、水中撮影で応用することができるものも数多くあります。
陸上の風景写真の写真集を見るのも参考になるでしょう。

もう一つは、自分の写真を自分よりうまい人に見てもらうことです。
率直な意見やアドバイスを言ってもらえると早くうまくなれると思います。

最初はなかなか率直な意見を言ってもらえないかもしれませんが、仲良くなればきっといろんなアドバイスをしてくれると思います。
ぜひお店のスタッフや担当したガイドさんにも意見を聞いてみてください。

 

  アングル このページのトップへ  

 

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写真P

ハイアングル
撮影地:小笠原 父島
オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL fisheye 8mm。

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写真Q ハイアングル
撮影地:小笠原 母島
オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL fisheye 8mm。

広い意味では構図に含まれてしまうのでしょうが、ここでいうアングルとは、「被写体をどこから撮影するか」というカメラの位置だと思って下さい。

水中では三次元的に自由な位置から撮影することができます。

ぜひ自由なアングルで水中写真を楽しんで下さい!

1:ハイアングル

被写体を上方から俯瞰で撮影することで、
どこまでも続いていく海中の広がりを表現することができます。

テーブルサンゴをフィッシュアイレンズで真上から撮ってみてもおもしろいですね。

2:ローアングル

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写真R

ローアングル
撮影地:小笠原 父島
オリンパスE-410 
ZUIKO DIGITAL fisheye 8mm

被写体を下方から仰角で撮影することです。
陸上写真では大きな樹木をローアングルで撮影したり、高層ビルを縦位置で撮影したりします。こうした場合のローアングル撮影では被写体の雄大さなどを表現できると思います。

水中写真においては、構図に水や太陽を入れることで、上方向への空間の広がりを表現する事ができます。
それが青い海の場合は、さらに爽やかさや気持ちよさを表現することができるでしょう。

右の写真Rでは、それに加えて写真に奥行きを出すために、近景にモニュメント、中景にダイバー、遠景にボートを配置して写真に奥行きを生み出しています。

 


3:水平

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写真S

水平
撮影地:大瀬崎 大川裏
オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL fisheye 8mm

 

通常見る水中の風景。
第三者に擬似的に海中の景観を体験してもらえるアングル。

また、子供の撮影や犬・猫の撮影などでも使われるアングルで、被写体と同じ目線で撮影した写真は、親しみを感じる写真になります。

カメラの位置や体勢を低くして、被写体と同じ高さで撮影するのがポイントです。

 

写真の撮り方

みなさんは一つの被写体につき、何枚写真を撮っていますか?
この記事を読んでいただいている読者の方も、被写体一つにつき1〜2枚という方も多いのではないかと思います。

もちろん被写体にもよりますが、自分は多いときは10枚以上撮影します。
これは、露出や構図を変えながらいろんな角度から撮影しているからなのです。

ある有名な女優がカメラマンに写真を撮らせるときに、必ず一定の角度からしか撮らせなかったという有名な逸話があります。
もちろん女優さんは、その角度がもっとも自分を美しく引き立たせる角度だと知っていたのです。

生物を撮る場合に、どの角度がもっとも良いかというのは、実際に生物に出会って撮ってみないとわかりません。

ましてこの広い海の中で、生物に巡り会うということは一期一会の出会いなのです。
また再び出会うことができるという保証はどこにもありません。
まさに海は水物なのです。

ですので、生物に巡り会い、そして撮影するときに、いろいろな角度や方法で撮影することがとても重要となります。
以下にそれぞれの角度について、一例として先日撮影したクルマダイを元に解説します。

1:真横

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写真T 被写体:クルマダイ 
撮影地:大瀬崎 湾内
オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL 50mm 被写体との距離:50cm f・11 1/100 ISO-100

 

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写真U オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL 50mm 被写体との距離:20cm f・11 1/100 ISO-100
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写真V オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL 50mm 被写体との距離:10cm f・11 1/100 ISO-100
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写真W オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL 50mm 被写体との距離:10cm f・11 1/100 ISO-100

いわゆる図鑑写真の撮り方です。
真横から撮影した写真は、被写体の情報を第三者にもっとも伝えやすい写真であり、水中写真の基本の撮り方となります。

まずはクルマダイを真横からバシッと撮影します。(写真T)

 

以前にもお話ししましたが、こうした図鑑写真は充分に絞り込むか、または被写体をレンズ面と平行に捉えて、できれば口の先から尾ビレの先端までバシッとピントが来た写真が望ましいです。

次に、少しずつ接近してクルマダイのアップを狙ってみましょう。

 

 

二枚目の写真Uは、カメラを縦にして印象的な写真を狙いました。
接近する前にストロボの位置を調節するのを忘れないようにしましょう。

 

 

 

三枚目の写真Vは、さらに接近してレンズの最短撮影距離で撮影しています。

 

クルマダイの特徴である大きな目を強調しながら、顔や口がギリギリ入る構図で撮りました。

 

 

 

四枚目の写真Wは、「他にきれいなところはないかな?」と間近でクルマダイを観察してみると、背びれと体の模様がきれいだったので撮影しました。


 

 


2:正面

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写真X オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL 50mm 被写体との距離:40cm f・11 1/100 ISO-100
五枚目の写真は正面から。

 

写真Xのように魚を正面から撮影すると、魚に表情や味がある水中写真が撮れます。

図鑑写真と違って、正面からアップで撮った魚はとってもユーモラスな表情をしていますよ。

3:斜め

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写真Y オリンパスE-410 ZUIKO DIGITAL 50mm 被写体との距離:20cm f・11 1/100 ISO-100
最後に斜めから。目が大きいので、びっくりしているかのような表情をしていますね。

 

斜めの角度は真横と正面の中間の角度です。
写真Yのように被写体を斜めから撮影した写真は、真横と正面の両方の良いところを合わせたような感じの写真になります。
被写体の情報も伝わるし、表情もある写真が撮れます。

今回のクルマダイの撮影では、この最後の斜めの角度からの写真が一番おもしろい写真になったと思います。

このように、被写体の魅力を見つけるにはいろんな角度から撮影するようにしてみるのが一番です。
一枚二枚撮影しただけではわからない魅力が見つかりますので、ぜひいろいろな角度から撮影してみることをお勧めします。

 

 

【写真の撮り方まとめ】

一つの被写体につき、たくさん撮影すると良いということをお話ししてきました。
ただ、これはあくまでも変化をつけながら被写体を撮影するということであり、同じ場所から同じように写真を撮って、同じカットを大量生産するのとは違います。

同じカットをたくさん撮ると、パソコンで後で画像を見たときに、どれが良い写真なのか判別するのに時間がかかってしまい大変です。
さらに、しかもいくらたくさん撮ったとしても、そもそもの構図がいまいちな場合などは目も当てられませんよね。
一つの被写体をせっかく何枚も撮影するときは、いろいろな角度から撮影したり、露出を変えてみたりと、変化をつけながら撮影してみて下さい。


 

第六回 水中写真テクニック講座「水中写真の構図テクニック」はいかがでしたか?
今回も読んでいただきありがとうございました。

筆者は、写真を撮るときに「三分割構図で撮ろう」という風には考えません。

「おっ、いい風景だな。パシャパシャ。よし、ちょっとずらそう。パシャパシャ」
「おっ、きれいな魚だな。パシャパシャ。う〜んイマイチ。よし、じゃあ縦にしよう。パシャパシャ」

という感じで撮影しています。

たぶん、これは構図が身についているからだと思います。
構図についてこれから勉強する方にお勧めなのは図書館です。
名だたる写真家や画家の写真集・画集が所蔵されている図書館は、お金をかけずに構図を学ぶには最適の場所でしょう。

そうして構図を学んでいくと、目の前の風景にフレームが出てきます。
あとはそこにカメラを向けてシャッターを切るだけです。

構図の良い写真は作品となります。
ぜひがんばって構図を身につけて下さい!

次回水中写真テクニック講座は、「広角撮影のテクニック」です。
これからは身近な海の透明度が上がる季節です。
また、夏の間に誕生した幼魚たちが大きく育ち、群れを成す季節でもあります。
ぜひご覧下さい。

 

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「構図」については、スタジオグラフィックスの下記のページ(陸上フォト)でも解説しています。

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初出:2009/08/19
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