ピントを拾うのがまずまずうまく行くようになってきたら、今度は画作りを始めてみましょう。
画作りの要素にはアングルや構図もありますが、ここではお待ちかねの青抜きと黒抜きについてお話します。
1:青抜き
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写真P |
青抜き
オリンパスE-410 ZUIKODIGITAL 50mm 被写体との距離:10cm f・2.8 1/60 ISO-100
青抜きは赤と補色の関係(赤とシアン・青とオレンジ)にあるため、色の組み合
わせの相性が良いです。
柔らかなイメージの写真となります。 |
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マクロ撮影でもワイド撮影でも人気の技法で、背景がブルーの爽やかな印象の写真を撮る事ができます。
具体的には
- 絞りとシャッタースピードと、ISO感度を適切に背景の露出に合わせて設定する
- 被写体に適切なストロボの光量を当てて撮影する
という手順になります。
『背景の測定→被写体の撮影』というわけですね。
普段のように、被写体に向かって構えたら、カメラを右か左のどちらかに振って(上下はダメです)、被写体を画面から外して背景となるものが何もない水に向けます。
この際、測光モードをスポット測光か中央部重点測光にしておくと便利ですよ。
そして、露出計が−0.7〜+0.7あたりの適当な数字になるように設定します。
0を中心に、−側の濃い青から+側の淡い水色まで自分の好きな色合いに設定し、被写体に向きなおり撮影します。
この時、必要ならちょっとあおり気味にしてカメラを構えると、より光を取り込めて露出が稼げたりします。
逆に、地形的に問題があって被写体に対して俯瞰気味にカメラを構えることになると、青抜きするのは難しかったりします。
マニュアル撮影モードやシャッタースピード優先モードがないコンデジ機の場合、マクロ撮影の際にシーンモードで夜景モードにするとスローシャッター効果が得られます。
手ぶれに注意してチャレンジしてみましょう。
2:黒抜き
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写真Q |
黒抜き
オリンパスE-410 ZUIKODIGITAL 50mm 被写体との距離:10cm f・10 1/100 ISO-100
黒抜きは図鑑・生態写真に最適です。きりっとした写真になり、コントラストで
被写体を浮き立たせる効果があります。 |
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被写体を強調する効果があるのが黒抜きです。
バックは真っ黒一色。
被写体が浮かび上がるようで印象的な写真になります。
深く潜ると暗くなっていく水中世界では青抜きより簡単で、意識しなくても撮った写真が黒バックになっていることもありますよね。
黒抜きにはナイトダイビングも効果的です。
方法としては、
- 感度は最低感度に設定
- 早いシャッタースピードに設定
- 絞りは絞り込む
1〜3のように露出を設定すると、背景の水が露出不足で真っ黒になります。
その状態で、被写体の色はストロボで出してあげると、きれいな黒抜き写真が撮れます。
【中野流 青抜き・黒抜きのポイント】
青抜きも黒抜きも、被写体の色を出すために用いるストロボ光は、TTLオートか
S-TTLオートに設定して、調光を任せてしまうことがポイントです。
- ISO感度は最高画質の感度に設定
- ホワイトバランスはできればRAW撮影して現像で調整。
RAW撮影機能がない場合やコンデジ撮影の場合、晴天か蛍光灯に。
- 絞り値は、被写体にどのぐらいの被写界深度が必要か?
という表現に合わせて設定。
- シャッタースピードは、青抜き・黒抜きに合わせて設定。
- 背景には水が来るように注意して、壁や水底が背景に入らないように注意する。
普段はこの1〜4をマニュアル操作して、ストロボはS-TTLオートで撮影しています。
1と2は固定で普段は動かさないので、複雑そうな露出に関しても実際は絞りと
シャッタースピードだけ操作しているわけです。
ところが、構図全体に対する水の割合が多いと、ストロボのTTLオートはうまく
作動しない場合があります。
自分も使っているINON社のストロボは調光性能が良いので、S-TTLオートで
ほとんどうまくいきますが、うまくいかない場合はストロボもマニュアルで
操作することになります。
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