|
|
|
|
晴天の屋外など、非常に明るい場所で撮影する場合、まれに被写体が白く飛んで撮影されてしまうハレーション現象が発生します。これは光が強すぎることが原因で、「流し撮り」など低速なシャッターや、開放絞りが必要な撮影を行なった場合、特に起こりやすい現象です。
この現象は、レンズの前面に「NDフィルター」と呼ばれる、フィルターを装着し、レンズに入る光の量を減らすことで、簡単に防ぐことができます。
デジタルカメラの場合、一眼レフタイプを除き、大抵の製品はレンズ径が小さいため、機種に合ったデジタルカメラ専用のフィルターが必要になりますが、フィルター径をレンズ径の小さなレンズに合わせて変換できる「ステップアップリング」を使用することで、銀塩カメラ用のモノを流用することも可能です。デジタルカメラの一部の機種には、このNDフィルターをレンズに内蔵したタイプも登場しています。
|
|
デジタルカメラなどの画像で使われる「ヒストグラム」(図1参照)とは、画像に含まれる輝度レベル(一番暗い部分〜一番明るい部分=0〜255)と、その輝度に含まれるピクセル数によって、輝度分布をグラフ化したものです。このグラフの分布状態によって、画像全体の露光状態をある程度、把握することができます。例えば、ヒストグラムさえ分かっていれば、画像を見なくても「輝度レベルが0側に片寄っていればローキーな画像」、「輝度レベルが255側に片寄っていればハイキーな画像」といった様な判断が可能になるのです。
デジタルカメラで撮影した画像は、通常、カメラ本体に備えられた液晶画面で確認します。しかし、実際は液晶画面の性能のバラつきや、外部からの光の影響で、撮影した画像を正しい輝度で見ることはできません。デジタルカメラの一部機種では、ヒストグラムを液晶画面に表示させる機能を持っており、撮影した画像や撮影中のプレビュー画像の輝度分布を知ることができます。この機能を活用し、ライティングや補正の目安とすることで、撮影者の意図した露出調整ができるのです。
|
【図1】
Photoshop上で見た画像のヒストグラム |
ヒストグラムの横軸は輝度レベル(0〜255)、縦軸はピクセル数を表している。Photoshopのヒストグラムでは、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色のヒストグラムを個別に表示することもできる |
|
|
通常、カメラには、被写体やフレーミングを確認するために「ファインダー」という窓が設けられています。銀塩カメラの場合、レンズが捉えた像をミラーとプリズムを使って間接的に視認できる「アイレベル式(一眼レフ)」と、専用窓を備え、被写体を直接視認できる「実像式」の2種類の「光学式ファインダー」があります。レンズ交換式カメラに多い「アイレベル式」はレンズが捉えた像を、そのまま視認できるため、より正確なフレーミングが可能。「実像式」は、精度では一眼レフに及びませんが、構造が単純で、小型化に向き、コンパクトカメラなどに採用されています。
デジタルカメラのファインダーは「液晶ファインダー」が一般的です。これは撮像素子が捉えた画像を本体に備えた液晶ディスプレイに表示するもので、光学式ファインダーでいう一眼レフと同様に、レンズが得た像を正確に表示できます。それ以外にも、撮影した画像や撮影情報、メニューなどを表示することでき、デジタルカメラには必要不可欠な存在です。しかし、ファインダーとしての役割に限っては、弱点があります。夜間などの暗い場所の場合、撮像素子が光を捉えらにくいため、液晶ファインダーに被写体を表示することができない場合があるのです。そのため、多くのデジタルカメラは、液晶ファインダーに加え、自分の目で視認できる「実像式」もしくは「アイレベル式」の「光学式ファインダー」も搭載しています。「液晶ファインダー」は比較的、消費電力が高く、常時使用しているとバッテリーの消費が多大です。「光学式ファインダー」を積極的に使用することで、バッテリーを長持ちさせることも可能です。
|
|
ソニーが開発したメモリースティックには、数種のモデルがあります。「メモリースティック」は一番初めに商品化された通常のメモリースティックで、同社のデジタルカメラやオーディオプレーヤー、DVカメラなど、さまざまな製品で利用でき、記録したデータの誤消去を防止するスイッチを備えています。128MBまでの製品が用意され、後に128MBのメモリーチップをスイッチで切り替えて使用することで、256MBの容量が利用できる「メモリーセレクト機能付メモリースティック」が登場しています。そのほか、携帯電話や、より小型のオーディオプレーヤーなどで利用できる「メモリースティックDuo」もラインナップしています。通常のメモリースティックと比較して大きさで3/2、重さで1/2という小型のメモリースティックですが、付属の専用アダプターを使用することで、通常のメモリースティックと同様に利用することが可能です。
そのほか、著作権保護機能「マジックゲート」に対応した「マジックゲートメモリースティック」は、データ書き込み時に、対応機器間で暗号化、認証が設定することができます。これにより、データの不正コピーや認証されたオーディオプレーヤー以外での再生を防ぐことができます。おもにオーディオプレーヤーで利用されますが、通常のメモリースティックとしても使うことができます。
メモリースティックの最新モデルとなる「メモリースティックPRO」は、高密度積層構造のメモリーチップを採用することで、高容量化を実現(規格では最大32GBの記録容量を規定)。従来のシリアルデータ転送に加え、複数のデータを同時に送受信するパラレルデータ転送に対応することで、通常のメモリースティックと比較し、約8倍のデータ転送を可能にしています。セキュリティ機能には、著作権保護機能「マジックゲート」を備えているほか、将来的には、他人によるデータ閲覧や利用を制限できるアクセス権設定機能「アクセスコントロール機能(仮称)」にも対応する予定です。本体の形状は、従来のメモリースティックと同様ですが、機器側がメモリースティックPROに対応していないと利用することは出来ません。
|
|
光量が十分に得られない撮影状況、つまり、室内や夜間に撮影すると撮影画像がブレてしまうという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。これは、十分な光を得るためにシャッタースピードが極端に遅くなったことで起きるもので、被写体や撮影者の体のわずかな動きが画像にブレとして残ります。これを解決するには、撮影時に十分な光量が得られ、シャッター速度が適切な速度に達していれば良いのです。
これにはストロボ(=フラッシュ)を使うことで解決します。ストロボとは、シャッターが開いている間に、撮影に必要な光を瞬間的に発光する装置です。十分な光量を得ることができるので、シャッタースピードも適度に高速になり、ブレも発生しにくくなります。大抵のデジタルカメラには、ストロボが内蔵されており、暗い場所での撮影が可能です。
ストロボは暗所で使うものと思われがちですが、日中の明るいなかでも効果を発揮します。例えば明るい野外で人物を撮影すると、周りの背景が明るすぎて、被写体が暗く写ってしまうことがありますが、ストロボを使用すると、人物が浮き上がり、背景とバランスがとれた撮影(デーライトシンクロ)が可能になります。ストロボによって明るさを補正するわけです。この撮影方法は、逆光での撮影にも有効です。そのほかにもストロボを人物の顔に当てることで、目にキャッチライトと呼ばれる反射を発生させ、顔を引き立たせるといった表現も可能です。ストロボを内蔵したデジタルカメラの場合「オート」ではなく「強制発光」を使うことで、これらのテクニックを容易に再現できるはずです。
|
|
デジタルカメラのカタログの中には、レンズの焦点距離と共に「35mmフィルム換算」とう表記がされています。これは、デジタルカメラの撮像素子の大きさが、35mmフィルムと異なり、同じ焦点距離でも写る範囲が35mmフィルムと違うため、表記しているものです。
例えば、あるデジタルカメラの焦点距離が24mmと表記されていたとすると、銀塩カメラのレンズを知る人は広角レンズと思ってしまいますが、これを撮像素子の大きさを計算にいれて、35mm換算に直すと、100mm以上の中望遠レンズ相当になってしまいます。そのうえ、デジタルカメラの撮像素子の大きさは決められていないので、製品によって焦点距離が変わってしまいます。そこで、サイズの一定な35mmフィルムを基準とした換算値を併記することで、レンズの焦点距離表記を統一しているのです。これならば24mmは広角側、50mmは標準、といった、一般に広く知られているレンズ焦点距離の感覚をそのまま当てはめることができるのです。
|
|
デジタルカメラのなかには、銀塩カメラのAF一眼レフカメラと同様に、レンズを交換できる製品があります。これらの製品は、レンズを接合するレンズマウントを備えており、マウント規格に対応した焦点レンズや、超望遠レンズ、マクロレンズなど、既存の銀塩カメラ用レンズをそのまま使用することができます。レンズが固定されている通常のデジタルカメラとは異なり、レンズのボケ味を活かした撮影や、超望遠撮影など、各レンズの特性を活かした撮影が可能です。ただし、レンズを交換する際、撮像素子が露出してしまうため、ホコリなどが混入する場合があり、取り扱いには注意が必要です。
撮像素子の有効画素数は、500万画素から1,000万画素の製品が中心で、デジタルカメラのなかでも、トップクラスの性能を持ち、印刷や広告など、出版分野でも、通用する品質の画像が得られます。
撮像素子のサイズは、通常のデジタルカメラよりサイズが大きいもの、もしくは35mmフィルムと同じサイズのものが採用されています。これは、使用するレンズが35mmフィルムカメラ用の為、撮像素子もある程度の大きさが必要になるからです。撮像素子のサイズが35mmフィルムサイズであれば、レンズの画角と同じ範囲が撮影できますが、35mmフィルムサイズを下回る場合、画角が狭まり、撮影できる範囲が減少します。このため、レンズが持つ性能を十分に活かすためには、撮像素子のサイズができるだけ35mmフィルムサイズ近いものが望ましいのです。
通常のデジタルカメラとは、一線を画する性能や特徴を持つ、レンズ交換式のデジタルカメラですが、比較的、低価格の製品となるニコンの「D100」やキヤノンの「EOS
10D DIGITAL」でも20万円前後(ボディのみ)と、まだまだ価格が高いのが実情です。 |
|
●撮像素子
銀塩カメラのフィルムに相当する役割を持つデジタルカメラのCCDやCMOSは、撮像素子と呼ばれます。一般的な撮像素子は、フォトダイオードというセンサーが光を捉え、電荷に変換することで画像を作り出します。フォトダイオード自体は色を捉えることができないため、撮像素子の前面にフィルターを備えることで色を得ています。このフィルターには「原色フィルター」と「補色フィルター」の2種類があり、原色フィルターはR(Red)、G(Green)、B(Blue)、補色フィルターはC(Cyan)、M(Magenta)、Y(Yellow)をつかってフルカラーを再現します。通常、原色フィルターは、光の透過率が悪いが、色が鮮やかでトーンが滑らか、補色フィルターは、光の透過率は良いが、色があせぎみで、硬いトーンになりがち、と言われています。そのため、十分な光を得られる大型撮像素子の場合は、原色フィルターを、光の受ける面積の小さい小型撮像素子の場合は、補色フィルターを採用するケースが多いようです。最近では、双方の性能が向上し、その差は縮まったとも言われています。
●CCDとCMOS
CCDとCMOSは、同じような働きを持つ撮像素子ですが、構造上の違いから、さまざまな特徴を持っています。CCDは、消費電力は大きいが、感度が高く、高画質な画像が得られ、CMOSは、ノイズや画素精度にばらつきが発生しやすいが、消費電力が小さく、低コストで製品をコンパクトに設計できます。画質が優先されるデジタルカメラでは、上記の理由からCCDを採用しており、CMOSは携帯電話の内蔵カメラなどに採用される程度でしたが、近年、CMOSを搭載するデジタルカメラが登場しています。これらの製品に搭載されたCMOSには、独自のノイズ除去機能などが盛り込まれ、従来の弱点を克服しているようです。今後、更にCMOSの性能が向上し、生産コストが下がれば、CCDに替わる撮像素子として、普及する可能性もあります。
|
|
画像の最小単位は、ドットと呼ばれる点で、これに色情報を含んだものが格子状に集まって、画像を形成しています。dpi(Dot
Per Inch)で表わされる解像度は、その語意のとおり、1inch(=2.54cm)の幅にいくつのドットが含まれているかという、密度を表わす単位です。おもにプリンタやスキャナがこの単位を使用しており、数値が高いほど、高密度な画像ということになります。
デジタルカメラの場合、撮影した画像が持つ解像度(dpi)は、72dpiが一般的です。これは、パソコンのディスプレイが持つ解像度(Windowsは96dpi、Macintoshは72dpi)に合わせているからです。
デジタルカメラで撮影した画像を印刷する場合、印刷に適した解像度に変更することで、プリンタの性能を十分に発揮することができます。商業印刷で使われる解像度は、350dpiが標準ですが、家庭用のインクジェットプリンタでは解像度を200dpiか300dpi程度に変更するとよいでしょう。印刷サイズは、デジタルカメラの記録画素数と解像度によって決定します。以下の公式を利用すると縦、横の印刷サイズを知ることができます。
2.54cm ×(縦、または横のドット数÷解像度)=(印刷サイズ)cm 仮に、デジタルカメラが撮影した画像サイズが2,240ドット×1,680ドットと仮定し、解像度を200dpiに設定すると以下の大きさになります。横:2.54cm
×(2,240÷200)= 28.4cm
縦:2.54cm ×(1,680÷200)= 21.3cm 横28.4cm×縦21.3cmということになり、A4横(29.7cm×21cm)サイズ相当の印刷が可能であることが分かります。Photoshopなどのソフトを使えば、解像度の変更などは簡単に行なえます。
|
|
ホワイトバランスとは、被写体の白色の部分を正確な白色として補正するデジタルカメラ独自の機能です。通常、野外で撮影した場合と、室内の照明で撮影した場合とでは光源が異なるため、被写体の色は変わってしまいますが、ホワイトバランスを有効に使うことで、本来、被写体が持つ色に近づけることができます。ホワイトバランスには、被写体の状態に応じて、自動補正を行なう「オートホワイトバランス(AWB)」や、「太陽光」、「曇天」、「蛍光灯」、「白熱電球」、「ストロボ」など、光源や撮影状況に応じた補正を行なうモードもあります(製品によって搭載するホワイトバランスの種類は異なります)。これらのモードを撮影状況に応じて切り替えて使用するのが一般的ですが、わざと、撮影状況と違うホワイトバランスを設定して、色を変化させ、効果として利用するという方法もあります。 |
|
●コンパクトフラッシュカード
コンパクトフラッシュカード(以下CFカード)は、デジタルカメラに広く浸透している標準的なメモリーカードで、多くのメーカーが採用しています。TypeT(厚み3.3mm)とTypeU(厚み5.0mm)の厚みの違う、2種類の規格がありますが、TypeTが主流です。CFカードスロットを備えているデジタルカメラの大半は、TypeUに対応しているため、TypeTとTypeUどちらでも使用できます。容量は32MB(実売2,000円前後)から1GB(実売価格40,000円前後)まであり、今後も高容量化が期待されています。
●マイクロドライブ
マイクロドライブは、IBMが開発したCFカードTypeUと同サイズの小型ハードディスクドライブです。CFカードのTypeUに対応したデジタルカメラで利用できますが、機種によっては使用できない場合があります。また、消費電力が多いため、バッテリ容量の少ないデジタルカメラには、適しませんが、ハードディスクドライブならではの高容量が魅力です。現在は、1GB(実売価格32,000円前後)の製品が販売されています。
●メモリースティック
メモリースティックは、ソニーが開発した、独自規格のメモリーカードです。形状は名のとおり、スティック状で、本体には、誤消去を防止するスイッチを備えています。容量は16MB(実売価格2,000円前後)から128MB×2(実売価格17,000円前後)があります。このほかにも、著作権保護機能を搭載したマジックゲートメモリースティックや、小型タイプのメモリースティックDuoなどがあり、対応するオーディオプレーヤーや携帯電話などで使用できます。
●メモリースティックPRO
従来のメモリースティックと比較し、データー転送速度と、メモリーの容量を向上させた製品です。対応した製品でのみ使用できます。容量は256MB(実売価格15,000円前後)から1GB(実売価格70,000円前後)が用意されています。
●マルチメディアカード
マルチメディアカード(以下MMC)は、ほぼ切手サイズという、メモリーカードのなかでも最小クラスの製品です。パナソニックやコニカ、ミノルタなどのメーカーが採用しています。デジタルカメラ以外にも、対応するDVカメラや携帯電話、オーディオプレーヤーなどでも使用できます。容量は32MB(実売価格2,000円前後)から128MB(実売価格6,000円前後)が用意されています。
●SDメモリーカード
SDメモリーカードは、MMCとの互換性を持ったメモリーカードです。MMCと同じく、パナソニックやコニカ、ミノルタなどのメーカーが採用しています。本体には、誤消去を防止するスイッチや著作権保護機能を搭載しており、デジタルカメラ以外にも、対応するDVカメラや携帯電話、オーディオプレーヤーなどでも利用できます。容量は16MB(実売価格2,000円前後)から512MB(実売価格40,000円前後)が用意されています。
●スマートメディア
スマートメディアは、オリンパスや富士写真フイルムなどのデジタルカメラに採用されているメモリーカードです。プラスチック板にメモリチップを埋め込み、端子を付けただけのシンプルな構造ですが、端子の接点が表面に露出しているなど、デリケートな面があり、取り扱いには注意が必要です。容量は16MB(実売価格1,500円前後)から128MB(実売価格7,000円前後)が用意されています。
●xDピクチャーカード
xDピクチャーカードは、オリンパスと富士写真フイルムが共同開発した、最小サイズのメモリーカードで、事実上、スマートメディアの後継製品です。2002年に発表された最新製品で、将来的には8GBまでの拡張が予定されています。事実上、スマートメディアの後継製品です。将来的には8GBまでの拡張が予定されています。容量は16MB(実売価格1,700円前後)から256MB(実売価格17,000円前後)が用意されています。
●メモリーカードの周辺機器
変換アダプタ
先に紹介した、これらのメモリーカードは、それぞれの形状に対応した変換アダプタを使用することで、別のメモリーカードとして使用することができます。一般的なものでは、PCカードに変換するアダプタがあります。これは、ノートパソコンやデスクトップパソコンに搭載されているPCカードスロットを利用するもので、簡単な操作で、パソコンに撮影画像を取り込むことができます。ほかにもMMCやSDメモリーカード、xDピクチャーカードなどをCFカードへ変換するアダプタもあり、CFカード対応のデジタルカメラで使用することができます。仮にメモリーカードの異なるデジタルカメラを2台持っていたとしても、これらの変換アダプタを利用することで、1枚のメモリーカードを共有することも可能です。
メモリーカードリーダー/ライター
メモリーカードリーダー/ライター(以下カードリーダー)は、USBケーブルでパソコンと接続して使用する、メモリーカード専用の周辺機器です。メモリーカード内の画像データをコピーしたり消去したりすることができます。通常、各メモリーカードに対応した専用のカードリーダーを使用しますが、複数種のメモリーカードに対応したカードリーダーも登場しています。
|
|
●JPEG
JPEGはデジタルカメラやインターネット上で広く普及している標準的な画像フォーマットです。特殊な圧縮技術が使われており、本来、必要とされるファイルサイズより、はるかに小さいサイズに収めることができます。そのため、容量に限りのあるメモリメディアに、より多くの画像を保存することができるのです。JPEGは圧縮率を調整することが可能で、大抵のデジタルカメラには、FINE、NORMAL、BASICといった圧縮率の異なるJPEGを使い分けるモードが搭載されています。圧縮率が高いほど、ファイルサイズを小さくできますが、ブロックノイズと呼ばれる特有のノイズが発生しやすくなるため、画質は低下していきます。質と量、どちらを優先するかは、撮影する状況や目的に応じて使い分けるとよいでしょう。
また、JPEGの画像は、一度圧縮すると元の画質に戻すことができないという特徴があり、JPEGで保存された画像を再度JPEGで保存してしまうと、画質をさらに劣化させてしまいます。これを防ぐには、BMPやTIFFなど、再保存しても画質の劣化しない画像フォーマットに変換する必要があります。
●TIFF
TIFFはWindowsやMacintoshなど、さまざまなOSで利用されている画像フォーマットで、デザインや印刷の現場などでも広く使われています。画質がまったく劣化しない画像フォーマットなので、再保存を繰り返しても画像が劣化することがありません。デジタルカメラにおいても撮像素子が捉えた情報を高画質で保存することができます。
●RAW
RAWは撮像素子が捉えた情報をすべて保存できるデジタルカメラ独自の画像フォーマットです。このデータを元に補正を行なうことで、よりイメージに近い画像を得ることができますが、色補正などの知識が必要となります。おもにハイエンドユーザー向けのデジタルカメラがサポートしていますが、パソコン上で画像を扱うには、プラグインや専用ソフトが必要です。この画像フォーマットとの最大の特徴は、JPEGなどのRGB各色の諧調が8bit(256階調)に制限されているのに対し、RAWの場合、諧調に制限なく保存できる点です。仮に撮像素子が12bit入力に対応しているとすると、RAWの場合、RGB各色の諧調が12bit(4,096諧調)も得られることになります。
●Exif
JPEGの画像に、シャッター速度、絞り値などの撮影情報や、サムネイル用の画像を含ませた画像フォーマットです。大抵のデジタルカメラはこの画像フォーマットに対応しています。デジタルカメラで扱うJPEGは正確には、「Exif対応JPEG」ということになります。 |
|
●撮像素子とレンズ
デジタルカメラの性能を示すものは、おもに撮像素子(CCD、CMOS)の画素数とレンズです。撮像素子は銀塩カメラのフィルムに相当し、画素数が高いほど、大きなサイズの画像が得られます。この画素数をインクジェットプリンタの出力に換算すると、200万画素クラスではハガキやL判サイズ程度、300万画素クラスでは2L判サイズ程度、500万画素クラスではA5サイズ程度の印刷が可能です。画素数が高いほど、大判に印刷できますが、L判や2L判など印画紙サイズへの印刷が中心であれば、300万画素クラスの製品で十分だと言えます。
また、撮像素子自体のサイズ(チップサイズ)も重要です。簡単に説明すると、撮像素子は小さいほど、生産コストを低く抑えることができ、カメラ本体のコンパクト化に貢献しますが、受光できる面積が少なくなるため、画質に影響がでます。逆に撮像素子が大きくなれば、高画質を得ることができますが、生産コストが高くなり、カメラ本体も大きくなります。ただし、デジタルカメラの画像は、レンズや、画像処理回路などの要素が加わった結果、得られるものなので、一概に撮像素子のサイズが大きいものが高画質ということにはなりません。
レンズでは、ズーム機能とF値(絞り値)が重要になります。ズーム機能は倍率が高いほど望遠側の撮影が可能で、被写体のアップを撮るときなどに重宝します。ここで一つ注意しておきたいのは、光学ズームと、デジタルズームの違いです。光学ズームはレンズと撮像素子の焦点距離を変えることで像を拡大するものですが、デジタルズームは、撮像素子に映った像の一部を切り取り、画像を拡大処理します。そのため、どうしても画像が劣化してしまいます。メーカーによっては光学ズームとデジタルズームの双方を換算した数値を表記する場合があるので、ズーム性能を知りたい場合は光学ズームの倍率を参考にするとよいでしょう。
F値とはレンズを通る光の量を表す数値のことで、この数値が低いほうが、明るい像を撮像素子に伝えることができます。つまり暗い場所での撮影に有利に働くのです。
そのほか、製品によっては接写機能を持ったものもあり、被写体に数cmまで接近して撮影することができます。花や虫などを接写する場合には必要な機能です。
●性能以外の重要な要素
デジタルカメラで忘れてはならないのは、銀塩カメラとは比較にならないほど電力を消費するということです。デジタルカメラには、乾電池を使うタイプ、専用充電池を使うタイプ、これら両方が使えるタイプがあります。旅行先へ持っていったり、長時間の撮影をする場合など、簡単に手に入る乾電池が使えるタイプが便利ですが、電池を収納する体積が大きいため、カメラ本体の大きさや重さが増してしまう傾向にあります。逆に携帯性を重視したコンパクトタイプのデジタルカメラは、小型の専用充電池を使うことが多く、場合によっては、予備の充電池や充電器を持ち歩く必要があります。
一部には特殊な機能を持つ製品もあります。ニコンの「COOLPIX SQ」やソニーの「DSC-F77」などは、液晶パネルをを可動させる仕組みを持っており、ムリな姿勢をしなくても、簡単にローアングルやハイアングルの撮影ができます。カシオの「GV-20」や富士写真フィルムの「BIG
JOB」シリーズなどは、ボディの機密性や構造を強化することで、雨天時など、本来カメラが苦手とする環境でも使用できます。これらの特徴はデジタルカメラの性能ではありませんが、ユーザーの用途や目的によっては、重要な要素と言えます。実際の製品は、カタログのスペックのみで分からないことも多く、可能であれば、カメラや家電の販売店で実際に触れてみたいところです。販売店によってはデモ機で試写をさせてくれる場合もあり、メモリメディアを持参して、気になるデジタルカメラの画質をチェックするというのも一つの手段です。 |
|
|
|