山添太の模型撮影のススメ ~ 第6回 ライティング無しでもキレイな模型撮影(屋外編)
Photo & Text:山添太
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こんにちは、山添 太です。さまざまな事情でおうち時間が増えている中でも、大手を振ってカメラ趣味を楽しめてしまう「 模型撮影のススメ 」。前回に引き続きライティング機材を設置せずに環境光だけでキレイに見せるコツをお届けしていきます。今回は “ 屋外編 ” ということで、屋外撮影ならではのメリット/デメリットにも言及しながら解説していきます。もちろんスマートフォンのカメラでも有効なので気軽に実戦してみてください。最後にはオススメ模型紹介もあるので合わせてご覧ください。
Index
1.条件さえ揃えば、誰でも綺麗な光源が得られる屋外撮影
模型の屋外撮影については第3回でも一度言及していますが、お手軽に思えて実はかなり大変です。光源である太陽が時間の経過とともに低くなったり雲にかかればそれだけで光の具合はガラリと変わって全然違う仕上がりになってしまいますし、そもそも撮影できるか否かも天気次第。さらに、天気が良くても油断できない「風」という存在。模型はプラスチック製で軽いので風は大敵です。少しの風でも動いたり、吹き飛んで繊細なパーツが破損する可能性もとても高いです。とはいえ、条件が揃えば人工的には難しい演色性の高い強い光源が得られ、極めて綺麗な写真が撮れることも確か。偶発的に自分では作り得ないすごい1枚に出会える可能性があるというのも、不安定な屋外撮影だからこその魅力と言えます。
2.屋外でも撮影場所は別途準備しよう
光源だけでなく撮影環境まで現地調達にしてしまうと困難を極めます。遠景の建物や電線、植木など、模型の世界観を大きく崩すものが屋外にはたくさんあるので、それらの整理しやすくなるほか、アングルも自由に決めやすいので、撮影台などの機材は必ず用意しましょう。
3.日向と日陰、仕上がりの違いを比較してみる
明るいから日向が良いとは限りません。日向と日陰で仕上がりやそれに応じたケアもあるので、順にご覧いただきましょう。
3ー1.日向での撮影
3ー2.日陰での撮影
3-3.スマートフォンで撮影
スマートフォンを使って日陰で撮影してみたが、仕上がりは良好。機種にもよるがホワイトバランスが青くなりがちなので、後処理で調整すれば問題ないだろう
4.オマケ:本日のオススメ模型「タミヤ 1/12 チーム スズキ エクスター GSX-RR ’20 」
2021 年 12 月にリリースされた、2020 年の MotoGP 優勝車両の模型です。今となっては地上波でレース中継すらまったくと言って良いほどされていないのに、MotoGP の優勝マシンです、なんて言われてもピンとこないかと思いますが、知名度はどうであれ、このバイクが技術の粋の塊であることは確か。それを模型を通じて隅々まで観察できることってすごいことだと思いませんか? 特に、バイク模型のメインスケールは 1/12 とほかのジャンルに比べて実車に近いので、形状はもちろん、構造の再現度も高いのもポイントです。
パッケージのようにフル塗装仕上げをするとなるとかなり難儀ですが、世界最高峰のマシンを自らの手でただただ組み立てを楽しむという、模型ならではの醍醐味を味わうにはうってつけのキット。タミヤ製なので、組み立てやすさは折り紙付きです!
5.次回予告
次回は台座で変わる模型写真の仕上がりについてお届けします。
■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
山添太