山添太の模型撮影のススメ ~ 第5回 ライティング無しでもキレイな模型撮影(屋内編)
Photo & Text:山添太
TOPIX
こんにちは、山添 太です。さまざまな事情でおうち時間が増えている中でも、大手を振ってカメラ趣味を楽しめてしまう「模型撮影のススメ」。前回は1灯からできる模型撮影のライティングをお届けしましたが、今回は打って変わって、ライティングをせずに環境光だけでもキレイに見せるコツをレクチャー。スマートフォンのカメラでも有効なのでぜひ実戦してみてください。最後にはオススメ模型紹介もあるので、合わせてご覧ください。
Index
1.室内の環境光を観察し、整理しよう
蛍光灯や白熱灯、LED に分けられるだけでなく、それぞれに昼白色や温白色などといったいろんな色があって、室内の環境光はそれらが混在して構築されているものがほとんどです。色の違う光が混在すると、昨今の優秀なオートホワイトバランスでも正しいホワイトバランスにならない場合があるので、可能な限り統一させましょう。室内を広く照らしているメインライトだけを残し、メインライトと明らかに色が違う間接照明類を消していけばある程度統一は図れるでしょう。
写真のように明らかに真逆な色のライトが混在していると、被写体に映り込むハイライトの色がちぐはぐになって違和感が出てしまう
2.スローシャッター対策をしよう
一見明るく見える室内も、撮影をするには不十分。しっかり絞って小さい被写体に寄る模型撮影となるとより顕著です。感度を上げてカバーするといっても限界はあるので、カメラを固定する三脚や雲台は用意してシャッタースピードを稼げるようにしておきましょう。構図もしっかり固定できるので、一石二鳥です。
3.整えた環境光のもとで撮影してみよう
第3回で軽く紹介したときよりも、もう一段回上の仕上がりを目指した撮影方法です。順序立ててレクチャーしていきましょう。
3ー2.上からの光を反射させて立ち上げる
3ー3.背景に当たる光だけを遮って、黒を黒くする
4.本日のオススメ模型「Ma.K.(マシーネンクリーガー)シリーズ」
(C)Kow Yokoyama 2022
イラストレーター・横山宏が手掛けるオリジナルメカコンテンツ『 Ma.K. 』のプラキットです。『 Ma.K 』は、1982 年に「月 刊ホビージャパン 」の『 SF3Dオリジナル 』という連載から生まれたコンテンツ。模型のパーツをミキシングして作り出された今までにない SF メカは人気を博し、わずか3年半ほどの連載にも関わらず、連載中にプラキット化もされるという快挙を成し遂げました。
現在は『 Ma.K. 』というコンテンツ名で、「 月刊ホビージャパン 」にて 2010 年より連載中。ウェーブ、ハセガワ、海洋堂、マックスファクトリーといったメーカーからは関連商品が展開されており、本格的な模型商材はウェーブとハセガワからリリースされています。
一部を除き、茶紙のパッケージが目印となって模型店や販売コーナーにいっても非常にわかりやすいと思います。今年 40 周年を迎えた『 Ma.K 』。この機会に是非組み立ててみてください。接着剤やピンバイスが必要なキットもあるので、用意しておきましょう。
撮影物にも使った「ラプター」という機体。パワードスーツで、中には人が搭乗している。人型以外にも無人の二脚メカや反重力の乗り物などバリエーションは豊富だ。スケールは 1/20 で、シリーズにおけるメインスケールとなる
5.次回予告
次回はライティングを使わない模型撮影の“屋外編”をお届けします。
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山添太