髭達磨のフォト日記
2014 年 9 月 11 日
曼珠沙華をストロボ撮影する
■ ご挨拶
毎月の支払いに脅える貧乏カメラマンこと髭達磨です。みなさんお久しぶりです。お元気ですか? スタグラが新しいシステムになってから初投稿の「 髭達磨のプチ日記 」改め「 髭達磨のフォト日記 」です。たいして変わらへんやんという声が耳元で聞こえてきそうですが、無視して進めます。さて、最近以前とはうってかわって精力的に風景だの花マクロだのを撮影している髭達磨は、日高市にある「 巾着田曼珠沙華公園 」にロケハンに行ってまいりました。
髭が住む八王子の山奥から車で1時間弱で行ける巾着田では、今月中旬あたりから曼珠沙華が見事に咲き誇ります。髭は初めてなんですが、見頃になると曼珠沙華による赤い絨毯が敷き詰められ、それは見事な眺めになるそうなんです。今月中旬から見頃だというのに、なぜ今行ったのかと( だからロケハンだって言ってる )申しますと、9月の 27 日に、この巾着田で光景写真のワークショップをやるからであります。あー宣伝か、という声が鼓膜のそばで聞こえてきそうですが、これも無視して進めます。で、まだチラホラとしか咲いていない曼珠沙華でしたが、とりあえずワークショップの座学で使うサンプルを撮ってまいりました。
■ 光景写真って?
昨年辺りから髭があちこちでほざいている「 光景写真 」というのは、なんのことはない、ストロボとか LED ライトとかの人工光を積極的に使った風景写真やスナップ写真のことです。風景写真でストロボを使うのは邪道だと言われたりもしておりますが、髭は幼少の頃よりフラッシュを使った非現実的な写真が大好きで、ポートレートではもちろんですが、風景やスナップでもストロボをひたすら使いまくります。
そうすると、写真1とか写真2のような写真が撮れたりするわけですが、こうした写真の撮りかたをワークショップで詳しく解説して、実際に参加者の皆様に撮っていただこうというわけです。
写真1
写真2
■ 日中の曼珠沙華をストロボ撮影してみました
写真3
日中に花を撮るのなら、お日様の光で自然に撮りたいという方が多いかと思います。もちろん自然光による撮影の美しさは髭も納得していますが、撮影する場所やアングルによっては、自然光では主題が映えないこともよくあるはずです。写真4がよい例だと思います。曼珠沙華は花弁が細長いために背景に溶け込んでしまっています。
写真4
こうした場所ではマクロレンズを使って背景をぼかし、主題を浮き立たせるという手法が花マクロでよく使われますが、マクロレンズを持っていないとき、また、マクロレンズで背景をぼかしても被写体が浮き立たないときは、写真3のようにストロボを使って背景を暗く落とし込んでみましょう。
写真3は、カメラにストロボ( Nissin i40 )をセットし、直炊き( 被写体に直接光を当てること )で撮影しています。このときカメラのプログラムモードは使わずに、マニュアルモードで「 絞り:f/3.1 ss:1/320秒 ISO:100 」といった感じにセットして撮ってみましょう。この設定のミソは、背景がドーンと暗くなることを狙ったもので、シャッタースピードを可能な限り速くします。絞りは花がぼけすぎない程度に開きます。ISO はそのカメラの一番低い設定を選びます。
■ ちょっと高度なストロボの使いかた
写真5
写真6
写真5は、写真3と同じ曼珠沙華を、アングルを少し変え、自然光だけで撮ったものです。これとまったく同じ露出設定で、ストロボを加えて撮ったものが写真6です。このときのストロボの使いかたが写真7です。コンビニなどで売っているワンコイン傘( 白く半透明なもの )の柄に、脚を曲げられるミニ三脚( ゴリラポッド )を使ってストロボ( i40 )を取り付け、傘に向かって発光させて撮ります。
写真7
カメラからストロボを離して発光させていますが、このときはワイヤレス TTL モードを使ってカメラ側からストロボの調光をしています。ワイヤレス TTL が使えないストロボのときは、延長用のシンクロケーブルを使ってストロボを発光させましょう。
もう一度、写真5と写真6を見比べてください。写真5を写真6の曼珠沙華ほどに明るく撮ろうとすると、同時に背景も明るくなってしまい、曼珠沙華だけを浮き立たせることはできません。
■ もっと詳しく知りたいときは
ここで紹介した巾着田の曼珠沙華を被写体にした光景写真ワークショップ( ニッシンジャパン主催 )を、2014 年 9 月 27 日に開催します。もっと詳しくストロボの使いかたを知りたいという方は、以下の URL からワークショップにお申し込みください。日中の座学に加え、夕方から夜にかけてのストロボを使った曼珠沙華の撮りかたを実践で紹介する予定です。
■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
薮田織也事務所