コンテンツのトップページへ 髭達磨・薮田織也のプチ日記
 2013年 10月 10日 木曜日 Nikon カメラの「 黄色い肌 」解消法
 
  ▼ 写真1  
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Nikon D800 で撮影した写真。カメラのピクチャーコントロールは「ポートレート」モード。WB は Auto。窓から入る日中の自然光だけが光源。肌が黄色がかって見える。  モデル:恩田嘉子

  ▼ 写真2  
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写真1と同じ環境で、あらかじめ設定しておいた「 カスタムピクチャーコントロール 」を使った撮影。肌が一段明るくなり、赤みがかった。   モデル:恩田嘉子

久しぶりです。突然ですけど、プチ日記を更新します。長い間お休みしていたいい訳はしませ………ごめんなさい……。それより本題に入りましょう。

年末より、本サイトのリアルセミナー StudioGraphics on the ROAD というコーナーができまして、著名な写真家さんたちの間にこっそり交ざって、髭もセミナーをやったりしていまして、そのセミナーの最中に受講生の方からいろいろと質問を受けたりするわけです。これがまぁ、スタグラ本サイトのコンテンツを作成していく上で大変に役立つわけで、今後も受けた質問は各コンテンツに反映していきたいと思っているわけです。んで、質問の内容によっては、既存のコンテンツのテーマに沿わないものもあったりしますので、そういうものは、この 「 髭達磨のプチ日記 」 を使って解説していこうかなと、そう思ったわけです。

て、ここからが本当の本題。セミナー受講生の何人かの方からいただいた質問に、「 キヤノンのカメラでは人物の肌が少し赤みがかった自然な色になりますが、ニコンのカメラは黄色がかってしまいます。ニコンの色味をキヤノンのようにしたいのですが…… 」 というのがありました。そうなんですよね。写真1を観てもらえばわかると思いますが、Nikon のカメラは標準的な設定のままだと確かに人物の肌が黄色がかってしまいます。この写真を撮ったのは、山田愼二カメラマンのポートレートセミナーのときだったのですが、山田さんのキヤノン製カメラではこうはなりません。受講生の質問にもあるように、自然な赤みのある肌で撮れていました。この肌の表現方法の違いが、ポートレート写真家にキヤノンの人気がある理由なのでしょう。

 

  ▼ 手順1  
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カスタムピクチャーコントロールを選択する。
  ▼ 手順2  
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「 編集と登録 」 を選択
  ▼ 手順3  
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「 カスタムピクチャーコントロール 」 で 「 PT:ポートレート 」 を選択
  ▼ 手順4  
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「 ポートレート 」 をカスタマイズする
  ▼ 手順5  
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「 カスタムピクチャーコントロール 」 の 「 未登録 」 を選ぶ
  ▼ 手順6  
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「 登録名変更 」 で設定に名前を付けて保存する
  ▼ 手順7  
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「 撮影メニュー 」 で 「 ピクチャーコントロール 」 を選択する
  ▼ 手順8  
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「 ピクチャーコントロール 」 で登録した 「 C-1:PORTRAIT-02 」 を選択する
  ▼ 手順9  
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カスタムピクチャーコントロールが選ばれている状態


は、ニコンカメラだと黄色い肌しか撮れないのかといいますと、実はそんなことはありません。ニコンカメラで透明感のある自然な肌色を表現するには、「 カスタムピクチャーコントロール 」を設定します。

ジタルカメラには、画像のコントラストや明るさ、彩度、色相などを、被写体の種類に合せて最適化設定したプリセットがあります。これをニコンでは「 ピクチャーコントロール 」と呼んでいます。キヤノンだと「 ピクチャースタイル 」ですね。ピクチャーコントロールには、「 スタンダード 」、「 ニュートラル 」、「 ビビッド 」、「 モノクローム 」、「 ポートレート 」、「 風景 」の6つの選択肢があります。( D800 の場合 ) このプリセットされた6つの選択肢ではちょっと……というときに、カスタマイズできるのが 「 カスタムピクチャーコントロール 」というわけです。

スタムピクチャーコントロールで設定する項目は、「 輪郭強調 」、「 コントラスト 」、「 明るさ 」、「 色の濃さ(彩度)」、「 色合い(色相)」の5つです。ここでは人物の肌のイメージを、「 透明感のある自然な赤み 」が出るようにするのが目的なので、プリセットの「 ポートレート 」を元にして、以下のように3つの項目の設定を変更してみましょう。( 手順4

  明るさ +1
  色の濃さ(彩度) +1
  色合い(色相) ー2

相のスライダ( 手順4 )は、マイナス( 左方向 )で赤みがかり、プラス( 右方向 )で緑がかります。ニコンカメラは、初期設定で少し緑の成分が強いので、肌色が黄色く見えてしまうわけですから、色相を−2することで赤にシフトさせます。この状態で、彩度を+1。さらに明るさを+1にすると、同じシーンにおいてキヤノンカメラで撮ったイメージに近くなります。もちろん、自身で判断して好みのイメージに近づけることが重要ですよ。

意することは、手順3で「 ポートレート 」を選んでからカスタムピクチャーコントロールの設定をすることです。カスタムピクチャーコントロールは、選んだプリセットに予め設定されている彩度や色合いを基準にして、一定の範囲でしか調整ができません。よって、「 風景 」を選んでから手順4の設定をしても意味がありません。

うひとつ注意することは、ピクチャーコントロール、そしてカスタムピクチャーコントロールを使って撮影するときに、画像記録形式で Raw を使うのであれば、Raw 現像ソフトはニコンのピクチャーコントロールの情報が使えるものにする必要があります。カメラに添付されている View NX2 や、ニコン純正で別売の Capture NX2 であれば問題ありませんが、市販されているサードパーティの Raw 現像ソフトのほとんどは、ピクチャーコントロールやキヤノンのピクチャースタイルの情報が使えません。Photoshop の Camera Raw も同様です。ピクチャーコントロールの情報が使えない Raw 現像ソフトでそのまま現像処理すると、ニュートラルな画像になってしまいます。画像記録形式を 「 JPEG 」にしていれば、こうした問題はありません。

 

 
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