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山添太の模型撮影のススメ ~ 第1回 模型撮影を始めよう<機材編>

Posted On 2022 1月 27
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mokei01

Photo & Text:山添太


TOPIX

2022年より新連載「 山添太の模型撮影のススメ」が始まります。スタグラの読者の方はかつて模型製作に興じた方も多いのではないでしょうか?今回は模型撮影に絞り、模型愛にあふれた撮影講座を連載でお届けします!コロナ禍の今だからこそ、押し入れにしまわれた模型を引っ張り出し、模型撮影をしてみてはいかがでしょうか? by 編集部

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はじめまして、山添 太と申します。
2022 年よりスタートさせていただきました「山添 太の模型撮影のススメ」をご覧いただきありがとうございます。出版社で編集者として在籍中にカメラ趣味に目覚め、身近なプロカメラマンからいろんな知識をいただき、模型撮影にまつわるカメラ関連本や特集記事を手掛けることもできました。現在はフリーランスとして多岐にわたる分野で活動中。カメラ関連では、メーカーサイト掲載記事の編集や執筆、関連ブログの執筆などを請け負っております。今後とも宜しくお願いいたします。

Index

1.面白さの裾野を広げる「模型撮影」というジャンル

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楽しく模型を作ったその後、その模型をどうしますか? 部屋に飾る、大切にしまう、作るのに満足してあっさりと捨ててしまう人もいたりしますが、大抵は一生懸命作ったものだから捨てられなくて、持て余してしまう人が多いと思います。
そんな模型を被写体として活用して、写真の楽しみ方を広げてみるのはどうでしょう? というのが本連載の主旨。模型自体のクオリティや作りやすさは良くなる一方でラインナップも豊富。組み立てや塗装を行うための工具・マテリアルは、種類や性能も格段に高まっていて、模型初心者やしばらく模型から離れていた人でも今から充分楽しむことができます。
撮影自体は基本的にカメラさえ持っていれば OK。スマートフォン搭載のカメラでだってトライできます。連載では、そこからさらに模型撮影を充実して行えるためのコツや情報を少しづつお届けしていきます。ぜひお楽しみください。

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2.模型撮影のために知っておきたい機材のこと

撮影するだけであればどんなカメラでも OK ですが、以下の要素を持つ機材があれば、自分の意図した模型写真に最短で近づくことができるはずです。自分のカメラのスペックと照らし合わせて、何が揃っていて不足しているのかをぜひ参照してみてください。

2-1.寄れるズームレンズを用意しよう

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RFマウントの中では比較的寄れるRF24-105mm F4 L IS USM

RFマウントの中では比較的寄れるRF24-105mm F4 L IS USM

模型は基本的にカメラで撮るには想像以上に小さく、マクロ域での撮影が必要になってきます。だからといって、マクロレンズが良いとも限りません。例えば焦点距離 100mm ほどのオーソドックスなマクロレンズの場合、パースが抑えられた “ 模型らしい ” 写真に仕上がってくれます。しかし、模型の面白さの本質が “ 実物をリアルに模したところ ” にあるとしたら、本物に見紛うような写真が撮れたほうがベターだと思いませんか? その際、寄ることができてパースの調整も可能なズームレンズが、意図した仕上がりを追求するのにフレキシブルに対応しやすいです。

写真3
105mmで俯瞰のアングルで撮ると形がわかりやすいですが、ミニチュアの模型感は否めません

105mmで俯瞰のアングルで撮ると形がわかりやすいですが、ミニチュアの模型感は否めません

写真4
戦車は少しあおってパースをかけてあげると本物さながらの巨大感と重厚感がでます。施された塗装でよりその状況が強調

戦車は少しあおってパースをかけてあげると本物さながらの巨大感と重厚感がでます。施された塗装でよりその状況が強調

表1
チェックすべきスペックは「最短撮影距離」と「最大撮影倍率」

チェックすべきスペックは「最短撮影距離」と「最大撮影倍率」

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2-2.クローズアップレンズを活用しよう

写真5
1/48の飛行機パイロットフィギュアを撮影しようと寄ってもこれが限界

1/48の飛行機パイロットフィギュアを撮影しようと寄ってもこれが限界

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クローズアップレンズを使えばここまで最短距離を稼げる

クローズアップレンズを使えばここまで最短距離を稼げる

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寄れるといっても、ズームレンズの場合にはそれなりにしか寄ることができないため、さらに寄った写真を撮りたいとなればやはりマクロレンズの出番。でも、そのためにマクロレンズを買うのは大きな出費となります。まずは「クローズアップレンズ」を試してみましょう。手持ちのレンズに取り付けるだけで最短撮影距離をグッと縮めてくれます。

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NiSi製クローズアップレンズ NC キットは口径58mmと77mmの2種類を展開。写真は77mmタイプ

NiSi製クローズアップレンズ NC キットは口径 58mmと77mm の2種類を展開。写真は77mmタイプ

NiSi製のものは、レンズの光学性能を損なうことなく最短撮影距離を縮めてくれるのでオススメです。クローズアップレンズの中では比較的高価ですが、フルサイズセンサー用のマクロレンズのおよそ 1/10 の値段で買えることを考えるとリーズナブルともいえます。

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3.思い切ってクロップするのも有り

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カメラのポテンシャルをフルに発揮することにこだわりがないのであれば、潔くクロップしてしまうのも良いでしょう。特にここ最近の機種は高画素機が多いので、クロップやあとでトリミングしたところで目に見えて画質が落ちるようなことはありません。

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4.センサーサイズが小さいカメラが有利?

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フルサイズセンサーかそれ以上の高価なカメラが席巻しているカメラ市場ですが、模型撮影ではそれよりも小さい「APS-C」や「マイクロフォーサーズ」のほうが都合が良かったりします。センサーサイズが小さいほうが被写界深度を深くしやすく、模型全体をくっきり写すことができるからです。センサーサイズが大きいとその分絞り値を上げる必要があり、回析現象が起こって描写が悪くなる可能性が高まります。

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その理屈でいけばスマートフォンのカメラ機能は模型撮影に向いています。被写界深度は深く、寄れるレンズを搭載しています。ただし、画角調整がデジタルズームに依存しているため画質が落ちやすいことや、設定変更の操作性が悪い部分は大きなディスアドバンテージといえるでしょう。

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5.光源を用意しよう

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室内灯の地明かり撮影でも模型撮影は可能ですが、立体物である模型を立体的に写すには、上から降り注ぐ室内灯では正直難しいです。より良い仕上がりを求めるのならライティング用の光源を別途用意しましょう。もしそれが手持ちのクリップオンストロボだった場合には、遠隔操作できるような準備をしておきましょう。ライティングについては別途ピックアップするので乞うご期待。

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6.次回予告

次回は模型撮影におけるカメラのセッティングについて。実例と合わせて模型撮影ならではの独特なセッティング内容を解説していきます。

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著者について
山添 太(やまぞえ ふとし) 編集者、ライター 1983年生まれ。出版社に編集者として在籍中にカメラの面白さに魅了され、カメラやレンズの収集、撮影のみならず、自家現像や自家プリントにもトライ。カメラ関連の特集や単行本も多数手がけた。現在はフリーランスとして活動中。カメラ関連を始め、趣味にまつわるジャンルで多岐にわたって編集・執筆を行っている。