柴田誠のフォトレポCP+2017 レポート #03
CP+2017を終えて
TOPIX
2017年2月23日( 木 )から26日( 日 )の4日間、パシフィコ横浜で開催されたカメラと写真映像の総合イベントCP+2017( CAMERA & PHOTO IMAGING SHOW )。これまで2回のレポートで触れられなかった点や、今後のCP+についてレポートしよう。 |
■ 多彩なイベントが開催された週末の2日間
会期後半の2日間は、週末ということもあってファミリーや女性グループでも楽しめる様々なイベントが開催されていた。しかしそれでも3日目の登録来場者数は20,700人( 2016年は22,216人 )、最終日の登録来場者数は15,108人(同14,688人)と、4日間の会期合計の登録来場者数は66,665人(同67,792人)で目標としていた7万人には及ばなかった。ただし、この数字は登録来場者数ということなので、会期中に再入場した人や会場で受け付けをした人はカウントされていない。そういった来場者も相当数いただろうが、昨年の登録来場者数を下回る結果になったのは事実。新製品の発表が少なかったのは明らかだし、隣接するショッピングモール休館の影響や東京マラソンの開催日だったこと、また天気が良すぎたなど、様々な要因が考えられるものの、現在の会場、今のやり方で、目標人数を上回るのは難しいのかもしれない。
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■ ワールドプレミアアワード
参考出品の製品ばかりが目立っていたCP+だが、CP+で発表されるワールドプレミア製品の中から、来場者の投票でグランプリを決定するワールドプレミアアワードが実施された。最終日に会場内のプレゼンテーションステージで表彰が行われた。結果は以下の通り。
・レンズ交換式カメラ部門:キヤノンEOS M6
・レンズ一体型カメラ部門:FUJIFILM X100F
・交換レンズ部門:SIGMA 135mm F1.8 DG HSM |Art
・フォトアクセサリー部門:東芝 EXCERIA PRO SDHC/SDXC UHS-IIメモリカード
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■ CP+のこれから
CP+2018の開催予定は、2018年3月1日(木)~3月4日(日)。これまでよりもさらに年度末に近い開催に、困惑しているメーカーも少なくない。と言うのも、発表から発売までの間にキャンペーン告知やタッチ&トライのイベントなどが予定されることが珍しくないが、そうしたイベント期間を設けると、CP+の会場で発表していたのでは、年度を跨いでしまう可能性が高くなる。年度末は人事異動も想定されるし、年度を跨いでの予算確保が厳しいということもあるほか、想定外の事態も予想されるのだとか。これまでも「 この時期でいいのか? 」といった議論は度々あったようだが、来年の日程は波乱を呼びそうだ。
一方ワールドワイドで見てみると、隔年開催のフォトキナをはじめ、CP+の後にソウルで開催されるカメラショーPhoto&Imaging、北京で開催されるカメラショーChina P&Eなど、いずれも景気の低迷などを理由に縮小傾向にある。昨年、ソウルではサムスンの出展がなかったし、北京ではキャノンが出展を見送った。CP+は主要なカメラメーカー、レンズメーカーのお膝元で開催されるショーということもあって、少なくとも前年並みの規模を維持しているわけだから、相対的にアジアの中での位置付けは、今後ますます高いものになっていくのは間違いない。
とは言え、CP+がすぐに「 アジアのフォトキナ 」になれるかと言うとそうはいかないに違いない。商談がメインのフォトキナとコンシューマー相手のCP+ではショーの性格が大きく異なる。また、地の利を活かして香港やシンガポールが名乗りを上げてくるかもしれないし、巨大なマーケットを擁する中国やインドも無視できない存在だ。実際、昨年から米国で開催されているCESが上海でCES Asiaを開催するなど、ショービジネスの動きにも変化が見られる。CP+がアジア最大のカメラショーになるためには、会場の規模や運営方法などを含めて、乗り越えていくハードルは少なくなさそうだ。
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