柴田誠のフォトレポCP+2016 レポート #03
TOPIX
2016年2月25日(木)~ 2月28日(日)まで4日間開催されたCP+2016。公称の入場者数も残念並みを確保し、盛況のうちに終了した。しかしながら、会場を2か所に分けたことによる、来年以降の課題も見えてきた。そんなCP+2016の全体を振り返ってみよう。 |
■ 昨年並みの来場者数にとどまったが…
2月28日(日)に終了したCP+2016。最終日の登録来場者数 14,688人。4日間の合計来場者数は67,792人( 前年67,617人 )で、ほぼ昨年並みにとどまった。大桟橋ホールの来場者数というのは発表されていないが、御苗場の参加者など、向こうの会場だけにいた人も少なくなかったであろうことを思うと、イベント全体の来場者数はもう少し多かったのではないだろうか。
おかげでメーカーのブースを訪れたい人と、作品を見たい人、それぞれがゆったり会場を見てまわれるようになったというメリットは確かにあったが、課題もある。作品作りをする人に見て欲しい商品を展示していたプリント関連のメーカーにとっては、大桟橋ホールの来場者にこそ見て欲しかったに違いないからだ。来年以降、この課題をどうクリアするのかを見守っていきたい。
■ CP+以降のカメラ業界はいったいどうなるのか
最終日、CP+で発表されたワールドプレミア製品の中から、来場者の投票でグランプリを決定するアワードの発表と授賞式が行われた。来場者が選ぶというユニークな試みだが、告知が足りないのか、まだまだ浸透していないという印象が正直なところ。これも今後どうなるのか、注目していきたい。ワールドプレミアアワードの対象となる製品は、4カテゴリー32製品で、結果は以下の通り。
● レンズ交換式カメラ部門
EOS-1D X MarkII( キヤノン株式会社/キヤノンマーケティングジャパン株式会社 )
● レンズ一体型カメラ部門
PowerShot G7 X MarkII( キヤノン株式会社/キヤノンマーケティングジャパン株式会社 )
● 交換レンズ部門
50-100mm F1.8 DC HSM | Art( 株式会社シグマ )
● フォトアクセサリー部門
激落ちくんカメラレンズクリーナー( 株式会社ケンコー・トキナー )
フォトキナの前哨戦として注目されているCP+2016だが、会場を訪れた海外のプレスは、昨年よりも少なかったとのことだった。CP+2016では、注目される新製品の発表は確かに多かったし、日本だけを見れば景気回復の兆しが見え始めている。しかも夏にはオリンピック、秋にはフォトキナが開催される年だけに、カメラ業界としても大きな期待を持っているに違いない。しかし、ワールドワイドのマーケットがそれに応えてくれるかどうかは別問題だ。中国の景気後退をはじめ、北米や欧州も不安要素は少なくない。また、アジア諸国の所得増がカメラの販売に必ずしも結びつくわけではない。最盛期の3/4程度にまで落ち込んでいるカメラの売り上げは、新製品の登場だけで左右されるものではないのだ。
ちなみに、4月22日から北京のカメラショーChina P&E、5月4日からはソウルのカメラショーInternational Photo & Imaging( 通称P&I )が開催される。その頃にはCP+2016で発表された製品が幾つか販売開始されているだろう。これらのこの春の新製品が、アジアでどのように評価され、人気を集める機種はどれなのか、その動向を注目していきたい。北京とソウルのカメラショーの様子は、いずれこのサイトで紹介しよう。
来年のCP+2017は、2017年2月23日(木)~2月26日(日)に開催される予定になっている。