礒村浩一の探せ!デジカメ・ギア 第4回 LED ライト
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写真家・礒村浩一の「 探せ!デジカメ・ギア 」。デジタルカメラを使いこなすための、あったら便利、使うと楽しい、そんなアイテム「 デジカメ・ギア 」を紹介していく本講座。今回は最近注目されている撮影用LEDライトをお届けします。
今回ピックアップするデジカメ・ギア は、最近注目されている撮影用? LED? ライトだ。数年前より屋内の照明として? LED? 電球が登場し、その消費電力の低さからそれまでの電球に替わり、さまざまな場所の照明として用いられるようになってきた。それと同時期に撮影用の照明としての LED ライトも登場したのだが、当初はあまり光量も強くなく製品の種類も限られていた。しかし LED の改良や、同時に複数個の LED を点灯させるなどして、光量も増えたことにより撮影用照明としても注目さるようになった。またクリップオンストロボに LED を内蔵した製品なども登場しており、補助光としての役割やムービー撮影時の照明としても使えるようになっている。
■ 常に光り続けるLED ライト
撮影用 LED ライトの利点として挙げられるものは、やはり光を一定に発する定常光として、ライティングがそのまま目に見えるということだ。ストロボ光は小型のものでも比較的に強い光を得やすいが、瞬間的な光なので被写体にどのように光が当たっているのかを確認し難い。そのため細かいライティングをおこなうにはそれなりの経験値が必要だ。また瞬間光では周りの明るさとの差を目では確認できないが、定常光であれば見たままに確認することができる。
■ 太陽光に近い色温度
定常光ライトとしてこれまで一般的だったタングステン電球と違い、太陽光に色が近いという点も LED の利点だ。それにより日中屋外での撮影でも、太陽光とのミックス光ライティングでも違和感の少ない色となる。
「 SOLUIS? LED ライト KSS-LED 198 Angle 」は電池で発光させられるので、電源ケーブルに繋ぐ必要もなく、カメラのホットシューに取り付けることで自在に動き回りながら撮影できる。ただ、カメラの真上からダイレクトに照射しているため少し光りは硬め。頬や鼻の頭がテカリ気味。顎下に影も出ている。
■ LED ライトを使ったライティング例
LED ライティングではストロボライティングと違い、見たままの光の状態で確認できるので細やかな調整も簡単だ。また太陽光を反射させるレフ板と違い光を受けにくい状況でもライティングができる。レフ板よりも機材がコンパクトで済む点はモデルとの一対一での撮影では扱いやすいシーンもあるだろう。
黒壁で囲まれた室内の廊下にて撮影。人物を壁の切れ間から外光が差し込む位置に立たせる。 LED ライトは人物の向かって左奥から顔、髪、肩のエッジが光るように配置。照射角をダイヤルで絞り込みスポットライトとして使用した。窓からの外光、レフ板、 LED ライトのコンビネーションライティング。
LED ライトにはまだ弱点もある。以前より光量が増えてはいるが、ストロボと比較するとまだそれほど強いとは言えない。今回撮影に使った「 SOLUIS? LED ライト KSS-LED 198 Angle 」の明るさを露出計で計測したところ、1m 離れた距離では最大光量で ISO400、F2.8,1/80秒、最少光量では ISO400、F2.8,1/40秒という数値となった。光を拡散させるためのディフューザーを使うとなると更に光量が落ちてしまう。これを補うにはISO感度を上げるか LED ライトを複数台使うといった方法を取る必要がある。
■ LED ライトで夜景撮影
限られた光量を補う方法として、カメラの露光時間を長くするという選択肢もある。だがこれは人物など動きのある被写体ではぶれて写る原因となるので実際には難しい。しかし被写体が動かないものであれば長時間露光によって明るさを稼ぐこともできる。これは夜景撮影での長時間露光と考え方は同じだ。
LED ライトを使って月明かりのもとで夜桜撮影をおこなった。明るい月と夜空の星とを一枚の写真に収めるため、露出をテスト撮影を重ねて探った結果、F4.5、ISO400、露光時間 15 秒が最適な組み合わせとなった。そこに LED ライトを組み合わせ、桜の木をライティングすることで夜桜写真としたものが以下の写真だ。
LED ライトを使って月明かりのもとで夜桜撮影をおこなった。明るい月と夜空の星とを一枚の写真に収めるため、露出をテスト撮影を重ねて探った結果、F4.5、ISO400、露光時間 15 秒が最適な組み合わせとなった。そこに LED ライトを組み合わせ、桜の木をライティングすることで夜桜写真としたものが以下の写真だ。
このように LED ライトは人物撮影やブツ撮影に限らず、アイデア次第でさまざまな撮影のライトとして活用できる。すこし明るさに物足りなさを感じるが、デジタルカメラの ISO 感度を上げたり露光時間を増やすといった方法で明るさを補うこともできる。バッテリー駆動の製品であれば屋外でもとても扱いやすい。クリップオンストロボと同様に、ロケ撮影に携行してイメージに合わせて使い分けると面白いだろう。特に夜景撮影では表現の可能性を広げてくれるライティングアイテムとなるだろう。今後の進化に期待がかかるアイテムだ。