スタジオグラフィックス プロが教えるデジタルカメラの写真撮影&レタッチテクニック 公式 Official WebSite
SGギャラリー

第3回 レフ板( Reflectors )

Posted On 30 4月 2014
Comment: Off

dcg-003_00

 

TOPIX

写真家・礒村浩一の「 探せ!デジカメ・ギア 」。デジタルカメラを使いこなすための、あったら便利、使うと楽しい、そんなアイテム「 デジカメ・ギア 」を紹介していく本講座。今回はポートレートやブツ撮りなどの写真撮影に欠かせない「 レフ板 」をお届けします。

 

Go To Top

 

今回取り上げる撮影アイテムは、撮影機材のなかでもとても使用頻度の高い「レフ板?」である。おそらく多くの方が一度は耳にしたことがあることだろう。反射を意味する「 reflex 」からきている名前の通り、光を反射させることで被写体を照らす役割を持つ機材だ。人物ポートレートからブツ撮りまであらゆる撮影においてレフ板は活躍する。ライティングの基本には欠かせないアイテムだ。
写真01レフ板 製品情報 Rレフシリーズ( 写真は 32 インチ / 81cm 径 )

写真01 レフ板
製品情報
Rレフシリーズ( 写真は 32 インチ / 81cm 径 )

amazon で価格を調べる

 

Go To Top

 

 

■ レフ板とは?

レフ板の役割は光を反射させて被写体を明るく照らすことにある。以下に人物の上半身を撮影した作例を用意した。A は人物の右上方に位置する太陽光のみで撮影したもの。この日は曇り空であったため太陽の光が比較的柔らかく拡散しており、人物の顔全体に光がまわってはいるものの、目元や頬、顎など立体的な箇所には影が落ちている。一方、B では人物の左下前方にレフ板を配置することで太陽光を人物の顔に反射させ撮影した。これにより影の部分にも光が当たるようになり、影が消えて明るい印象の写真とすることができた。また光があたることで人肌の色味を引き出すこともできている。このようにレフ板を使って太陽からの光を反射させ補助光として活用することにより、人物の印象を明るく活き活きと捉えるがことができるのだ。

写真02  左( A ) レフ版使用 右( B ) レフ板使用

写真02 左( A ) レフ版使用 右( B ) レフ板使用

 

レフ板には実に様々な形状や材質のものがある。板に白や銀を貼付けたものや、カポックと呼ばれる発泡スチロール製の板は、表面が平滑なので均一に光を反射させやすい。そのかわり大きな板となると持ち運びもなかなか大変だ。一方、布地などで作られたレフ板は折り畳みも簡単で軽量なので持ち運びが楽だ。ただし表面が柔らかいため反射光は拡散しやすい。そのため可能な限り布地はピンと張って使う必要がある。

レフ板は、撮影する被写体の大きさに合わせて大きさを選ぶ必要がある。例えば人物の上半身の撮影であれば 1m 弱四方程度の大きさで十分にまかなえるが、人物の全身撮影ならば長辺 1.5m 程の大きさが必要となる。逆に小物や花の撮影では必要以上に大きいと被写体に近づけることができないので、30cm以下のような小型のレフ板を選ぶようにしたい。このように撮影する被写体の大きさに合わせて最適な大きさのレフ板を選ぶことで、光を適切に反射させることができる。

 

Go To Top

 

■ レフ板の色による写真の違い

写真03  円形のレフ板 今回撮影に使った円形のレフ板。バネ板でまるく枠を作りそこに布地を張ることで表面がピンと張られたレフ板となっている。裏面は銀と金が白、黒が銀となっており表裏ともに使える。

写真03 円形のレフ板
今回撮影に使った円形のレフ板。バネ板でまるく枠を作りそこに布地を張ることで表面がピンと張られたレフ板となっている。裏面は銀と金が白、黒が銀となっており表裏ともに使える。

 

レフ板の表面の色も、用途に合わせて選ぶことになる。一般的なレフ板は銀色もしくは白色となっているが、黒色や金色のレフ板というものもある。これらは光の反射率や反射光の色の違いなどに影響を与える。

写真04銀色レフ板 いちばん反射率が高いため強い反射光となる。この作例は曇り空での撮影なので程よい強さの光となっているが、晴天ではもっと強い反射光となるため、場合によっては不自然な光の強さとなってしまうこともあるので注意が必要。

写真04 銀色レフ板
いちばん反射率が高いため強い反射光となる。この作例は曇り空での撮影なので程よい強さの光となっているが、晴天ではもっと強い反射光となるため、場合によっては不自然な光の強さとなってしまうこともあるので注意が必要。

写真05白色レフ板 銀色よりも反射率が低く、また光が拡散するので柔らかめの反射光となる。影の部分も明るく馴染ませることができ、自然な立体感が得られる。私はほとんどのシーンにおいてこの白レフ板を使っている。

写真05 白色レフ板
銀色よりも反射率が低く、また光が拡散するので柔らかめの反射光となる。影の部分も明るく馴染ませることができ、自然な立体感が得られる。私はほとんどのシーンにおいてこの白レフ板を使っている。

写真06金色レフ板 表面が銀レフ板と同等の光沢でありながら金色となっていることで反射光は金色の強い光となる。当然、通常の光の下では顔が黄色くなってしまうが、木陰での撮影など影が青白くなってしまう場合に金色の光を当てることで顔色を補うことができる。ただしあまり強く当ててしまうと不自然になるので加減が必要。

写真06 金色レフ板
表面が銀レフ板と同等の光沢でありながら金色となっていることで反射光は金色の強い光となる。当然、通常の光の下では顔が黄色くなってしまうが、木陰での撮影など影が青白くなってしまう場合に金色の光を当てることで顔色を補うことができる。ただしあまり強く当ててしまうと不自然になるので加減が必要。

写真07黒色レフ板 一般的なレフ板と異なり表面の黒で光を反射させないようにし、陰影を強調するためのもの。鼻筋や頬の影が強くなっているのが判る。ブツ撮りでは光沢のある物の写り込みを表面の黒を写し込むことで目立たなくさせる使い方もある。

写真07 黒色レフ板
一般的なレフ板と異なり表面の黒で光を反射させないようにし、陰影を強調するためのもの。鼻筋や頬の影が強くなっているのが判る。ブツ撮りでは光沢のある物の写り込みを表面の黒を写し込むことで目立たなくさせる使い方もある。

写真08レフ板の畳み方 丸レフは捻って折り畳むことでコンパクトとなり持ち運びも楽になる。ただし畳み方には少しコツが必要。ポイントは最初に片手を逆手にした状態でレフ板を掴み、その手を返すようにしてレフ板を捻りながら小さく折り畳むことだ。

写真08 レフ板の畳み方
丸レフは捻って折り畳むことでコンパクトとなり持ち運びも楽になる。ただし畳み方には少しコツが必要。ポイントは最初に片手を逆手にした状態でレフ板を掴み、その手を返すようにしてレフ板を捻りながら小さく折り畳むことだ。

 

 

Go To Top

 

■ レフ板とストロボの組み合わせ

レフ板は自然光のみならずストロボ撮影時にも活用できる。ストロボ光を直接人物に当てて撮影したものと、レフ板にいったん当てて反射光で撮影した二通りの作例を用意した。直接ストロボ光が当たった写真では、人物の顎の影が首にはっきりと出てしまっている。また鼻の影も目立つ。一方、レフ板で反射させた光で撮影した写真はこれらの影が弱まっており自然な光となっていることが判る。

写真09ストロボを直接照射 ストロボ光を直接人物に当てて撮影。直射光なので光が硬く、強い影が出てしまった。

写真09 ストロボを直接照射
ストロボ光を直接人物に当てて撮影。直射光なので光が硬く、強い影が出てしまった。

写真10レフ板へバウンス照射 ストロボ光をいったんレフ板に当てて反射した光で人物をライティング。バウンスさせたことで光が拡散して柔らかい影となった。

写真10 レフ板へバウンス照射
ストロボ光をいったんレフ板に当てて反射した光で人物をライティング。バウンスさせたことで光が拡散して柔らかい影となった。

 

?●まとめ

ブツ撮りにしてもポートレートにしても、ライティングの基礎は太陽からの光( もしくはそれに匹敵するトップ光 )である。その太陽からの光をうまくレフ板ですくい取るように反射させて被写体の影の部分に当ててあげれば、自然な明るさと光の方向性の写真とすることができる。複数の光源を使ってのライティングも魅力的ではあるが、まずはメイン光1つとレフ板のみのシンプルな撮影をマスターすることをオススメしたい。
写真11レフ板を使った作品例 室内にて窓から差し込む光と白レフ板の反射光で撮影。 ( 画像をクリックすると撮影時の実画像サイズで表示されます。ご注意ください )

写真11 レフ板を使った作品例
室内にて窓から差し込む光と白レフ板の反射光で撮影。 ( 画像をクリックすると撮影時の実画像サイズで表示されます。ご注意ください )

 

Go To Top

 

■ 次回予告

次回は最近話題となっている LED 照明を取り上げる予定。ムービーだけでなく写真撮影でもあると便利な LED 照明。ただ被写体を直接照らすだけでなく、LED 照明ならではの、ちょっと面白い撮影方法なども試してみたいと思う。ぜひともお楽しみに。

Go To Top

 

 

礒村 浩一
著者について
■ 礒村 浩一 写真家 ■(いそむらこういち)   1967 年福岡県生まれ。東京写真専門学校( 現 東京ビジュアルアーツ )卒。女性ポートレートから風景、建築、舞台、商品など幅広く撮影。全国で作品展を開催するとともに撮影に関するセミナーおよび撮影ツアーの講師を担当。デジタルカメラに関する書籍や Web 誌にも数多く寄稿している。近著「 オリンパス OM-D の撮り方教室 OM-D で写真表現と仲良くなる 」( 朝日新聞出版社 )、「 マイクロフォーサーズレンズ完全ガイド 」( 玄光社 )など。 2015 年 9 月よりデジタルハリウッド「 カメラの学校 」講師。Web サイトは http://isopy.jp/ Twitter ID : k_isopy
メルマガ登録