鮎の産卵の撮影を終えて感じたこと。
鮎は産卵までは警戒心が強いのでなかなか近づくことができませんが、いざ産卵が始まると向こうから接近してくれます。
追いかけ回しても鮎も逃げていく一方なので、自然と一体になるように気配を消すことが大切です。そうすれば、反対に鮎の方から近づいてくれることもあるので、良い写真が撮れるでしょう。
そのため、撮影機材としては、APS-Cなら60mmマクロクラスのレンズを。
フォーサーズやフルサイズなら、35mm換算で100mm相当〜50mm程度のマクロレンズが良いでしょう。
海のように透明度が良くない川での撮影となりますので、ワイドレンズでは接写できるフィッシュアイレンズが良いでしょうが、3次元的に魚がいる海とは違い、水底に平面的に魚がいる川での撮影ですので、フルサイズでの撮影の場合はフィッシュアイレンズ単体よりも、テレコンバーターとの組み合わせでの使用をおすすめします。
また、APS-C機の場合はトキナーの10〜17のフィッシュアイズームレンズの17mm側で撮影したり、フルサイズ対応の単焦点フィッシュアイレンズを装着するのもお勧めです。
どちらもしっかり寄れば画面いっぱいに撮れるので大迫力!ですよ。
また、鮎の産卵は、海に比べて流れの速い川での撮影となりますので、流されないように気を付ける必要があります。
基本的にはフィン(足ヒレ)もつけませんから、足が付くところで足、膝や肘で踏ん張っておく必要があります。
これは長時間続くとかなり疲労してきますので、適度に伸びや休憩しながら観察・撮影するようにしましょう。
ウェットスーツ・ドライスーツ、いずれの装備にしても、良い産卵シーンを撮影するためには、体を水に充分に沈めるのが前提条件となります。
装着するウェイトの量が少なければ、体が水に浮いてしまって安定しませんから、無理のない程度に重めの量に設定して、楽に撮影できるようにすると良いでしょう。
スノーケルを利用すると、水面上に顔を上げずに済むので撮影に集中できますよ。
■鮎の産卵を観察・撮影する際の注意点
鮎の産卵や孵化を撮影する際、下記の点に注意しましょう。
1:鮎が産卵した卵は、ある程度時間が経てば固くなるが、
産卵直後はまだ柔らかいので、産卵した場所を歩き回らないようにした方が良いこと
2:産卵後、約2週間経つと稚魚の孵化が始まるが、
孵化直前の卵も中から稚魚が出てくるために柔らかくなり始めるので、
卵がある場所は歩き回らないようにすること
3:これら2点の鮎の卵に与えるダメージをなるべく避けるために、
観察する際にはできるだけ鮎ガイドの進む後をついていくようにすること |
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次回につづく
次回は「番外編 興津川の鮎の産卵を撮影 (後編)」
鮎の撮影の後日談として、珍しい鮎の孵化や、稚魚たちが必死に生き抜いている様子をお送りします。
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