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 女性の撮りかた講座
第4回 地明かりで撮れ! 2006/05/10
 
地明かりってなに?
場の雰囲気を出すなら地明かりを大切に
フラットで影の少ない写真が好き
   

林 英吉

講師 林英吉 フォトグラファー
 あくまでも「シューティング感覚」を大切にするフォトグラファー、林英吉氏。商品撮影や建築撮影もこなすが、最近は専らタレントや女優などの人物撮影で活躍中。

聞き手 薮田織也
 人物写真(特に女性)にしか興味のないチャランポランなカメラマン。林氏のテクニックを聞いて少しは勉強しる!

薮田 織也

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写真0
地明かり(室外光)だけで撮影しました。窓から射し込む陽射しが作る陰影の、どこに被写体を置くかがポイントです。時計の針の位置も絵作りのひとつですから、実際の時間ではありません。(撮影は午前9時半頃)(拡大写真
モデル:石川 久美子
 
■地明かりってなに?
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ごめんなさい×2

 前回、更新が遅いことを読者の皆さんに謝罪したばかりですが、またまた長らくお待たせしちゃいました。いやぁ…。

   
 冒頭で謝罪ばかりしてると、なんのページなのかわかんなくなっちゃうよ。プロが教える〆切の破りかた講座じゃないんだからさ。
   
 おほっ、面白い企画ですね、それ。
   
 面白くないよ。だいたいプロは〆切守んなくちゃダメだよ。
   
 うっ、耳が痛い、腹が痛い……、おっ! 冒頭の写真、いいっすね雰囲気出てて。
   
 無理に褒めてもダメだよ。この講座も本来なら6回目くらいに突入してるはずだし…。
   
 うはっ、写真1もやさしい明かりでいいっすねぇ。
   
 …仕方ない、本題に入ろうか。ここで掲載している写真は全部、地明かりだけで撮ったもので、ストロボは一切使ってないんだ。
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写真1
写真だとわかりにくいかもしれませんが、実際の室内はかなり暗く、補助光無しでは一般的なスナップ撮影できません。この写真ではストロボやレフ板などの補助光は一切使わず、シャッタースピードを1/4秒に設定して、地明かりの効果を最大限引き出しました。テーブルから反射する光がレフ板代わりにもなってします。(拡大写真
モデル:水沢 彩

 じあかり? ジャカリ? ああ、ベルギーで食べたことのあるチョコを作ってる会社のことですかね? 飛行機で持って帰ってきたら成田で溶けちゃってた…。

   
 無理に知らないフリするこたないよ。滑ってるし…。「地明かり(じあかり)」ってのは、意図的にライティングしていない、撮影する現場にもともとある明かりのことだよ。
   
 舞台の照明用語だと、「上から照らすフラットで影の出ない照明」のことを指しますが…。つまり自然光ではないと…。スチール撮影の光の用語とは違うんですね。
   
 だって、ステージはもともと真っ暗なところでしょ。スチール撮影でいう「自然光」がまったくない場所なんだもの。だから、地明かりという自然光を演出するライティングが必要なんだよ。でも、なんで舞台用語を知ってるのさ。
   
若い頃、舞台美術の仕事をしてたもんで…。
   
■場の雰囲気を出すなら地明かりを大切に
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難しい白のグラデーション

 写真1写真2も、白い生地やシーツ、ティーカップのグラデーションがキレイに出てますね。意外に難しいんですよね、この白のグラデーションって。一般的な市販のストロボを焚いちゃうと、白は飛んじゃうし…。
   
 発光時間の長いストロボを多灯で使って、比較的長めにシャッターを開けてればそうでもないけどね。
   
 そんな、一般的じゃないですよ。
   
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写真2
地明かりならではの、白い壁やシーツのやさしいグラデーション。無理にライティングすると、こうした淡いトーンは出せませんね。(拡大写真
モデル:水沢 彩

●脱線しまくりますが…

 そうかなぁ。昔からアマチュアの方が高価な機材をいっぱい持ってるよ。ゆきぴゅーのコラムでもそんなオジサンが登場してたじゃない。あのオジサンなんか、1Ds MarkII を買ったんでしょ? 僕なんかまだ 1D だよ。でも、薮ちゃんなんか E-1 だからね。
   
 あっ、なんか語尾で蔑んだ笑みを浮かべたでしょ。これだからキヤ○ンユーザーは。す〜ぐ、オリ○パスユーザーやコ○カミノ○タユーザーを馬鹿にする。神崎洋治もそうだし。
   
 別にキ○ノンユーザーだからってわけじゃないし、馬鹿にもしてないよ。いいカメラだと思うよ。ただ、薮ちゃんがオリン○ス持ってるのが妙におかしい。
   
 僕はマイクロテープレコーダーだって、顕微鏡だって、昔からオリンパ○を使ってるんですっ!好きなんですっオ○ンパスっ! 特にデジカメは○リンパスがいいんですぅっ! 銀塩カメラはニ○ンユーザーだけど…。
   
 テープレコーダーはわかるけど、顕微鏡を何に使うのさ。怪しい。それから、普通、銀塩でニコ○持ってたら、デジカメも○コンにするでしょ。レンズがもったいないじゃない。
   
 中学生の頃の話ですよ。それからレンズのことは、今はそうでもないけど、デジカメ一眼が出た当初は、銀塩のレンズをデジタルで使うと、暗くなるし焦点距離が長くなるしで、やっぱりデジタル専用に作られたレンズの方がいいやって思ったんですよ。それならオリンパ○のフォーサーズレンズに限るって思ってね。
   
 ねぇ、ところで、ここでメーカー名に「○」を使うのって意味あるの? というか、○の位置が毎回バラバラだから、結局メーカー名がわかるじゃない。
   
 極めて私的な話なので、あえて○で伏せさせてもらいました。○の場所が変わるのはご愛嬌。 話を本題に戻しましょうか。
   

スローシャッターで地明かりを捕らえる

 脱線話の方が面白いっていう声も聞こえてくるんですが、本題です。林さんの写真の Exif データを見てると、ほとんどが 1/8 とか、1/4 とか、超スローシャッターですよね。
   
 僕は貧乏だからストロボが買えないんだよ…というのは本当のようで嘘なんだけど、室内で「地明かり」をベースに撮るなら、ストロボは使わずに、スローシャッターで撮るのがベストだよね。
   
 1/8 ならまだしも、1/4 秒じゃ手ブレしちゃいませんか? 被写体だって動いちゃうし。
   
 たまにはね。もちろん三脚も使うし、ひじを固定するとか、手ブレ対策はするよ。それと、モデルもプロだから、スローシャッターだって言えば動作も表情も止めてくれるし。まっ、素人のモデルだとなかなか難しいけどね。
   
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写真3
他の写真と同じく、地明かりをベースにしてシャッタースピードを遅めにしての撮影です。それでも顔や体が暗くならないように、大き目の白レフで光を起こしています。(拡大写真
モデル:華月 梨沙
■フラットで影の少ない写真が好き
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●肌や衣装に影を付けたくない

 そういえば、林さんの写真って、フラットな感じの写真が多くて、コントラストの高い写真って少ないですよね。
   
 うん、基本的に女性の肌に影を強く出すのは好きじゃないんだ。ニキビやシワが強くでちゃうことがあるからね。
   
 ええ、ってことは、この写真の女の子たちはニキビやシワが…。
   
 そんなわけないでしょ。殴られるよ。ここで使っている写真の場合は、もともとコスチュームのカタログ用に撮ったものだから、モデルの顔や衣装をきちんと見せる必要があって、かなり意識してフラットに撮ってるんだよ。これは好みの問題とかそういうものじゃないよ。
   
 あっなるほどね。いや、僕は影が好きなものだから。
   
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写真4

光と影の中、被写体をどこに置くのかで写真の表情はまったく変わってきます。(拡大写真
モデル:石川 久美子
 確かに薮ちゃんの写真はコントラストが強いのが多いよね。プロのモデルを撮る場合なら肌に影を付けても、ニキビやシワが少ないからいいんだけど、そうじゃない場合は後で大変だよ…、あっ、そうか、薮ちゃんはレタッチ上手いもんね。
   
 いやいや、広告写真ならともかく、普通のポートレートの場合は基本的に被写体にはレタッチしませんよ。背景の余計なものとか傷なんかは消しますけどね。それと、顔にブツブツがある場合は思いっきりハイキーにして撮っちゃうし。
   
 僕は肌の質感が出る方が好きだから、フラットな光が好きだね。やっぱり。
   
 あっ、そろそろ時間です。今回はこの辺にしておきましょう。続きは次回ってことで。
   
 ところでさ、撮り下ろしの撮影スケジュールの件はどうなったの? 6回目以降は新しく撮るんでしょ?
   
 きっと、神崎洋治がこのページを編集するときに、ここ読んで気付くでしょ。そしたら電話が来ると思います。じゃっ、そういうことで、また次回!
   
 
協力: モデル Excel Human Agency
 
初出:2006/05/10 このページのトップへ
 

     
 
 

     
 
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