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ハイデフ入門道

第10回 ビデオ編集ソフトの最新事情と『VideoStudio 12』

2008/03/12
 
ビデオ編集ソフトとは?
ビデオ編集ソフトにはどんなものがある?!
VideoStudio 12 の特筆点
個人的な感想

昨日(3/11)、コーレルが一般消費者向けビデオ編集ソフトの最新版「Ulead VideoStudio 12」を発表しました。
私、神崎も、コーレルが開催したその発表会に参加してきました。

▼図版0

ビデオ編集ソフトってどんなもの?

BDドライブのイメージ
 

■ ビデオ編集ソフトとは?

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 ●カット編集やスライドショー作成に

 

 そもそも「ビデオ編集ソフトに詳しくない」という読者にとってみると、この世界って意味不明な雰囲気があると思います。そこで良い機会ですので、ビデオ編集ソフトのイロハも解説しましょう。

 ビデオ編集ソフトの最もポピュラーな利用目的の一つが、「ビデオカメラで自分で撮影した映像を編集すること」です。

"編集" というのは・・・

例えば「カット編集」。
不要なシーンを削除して、見せたいシーンだけ繋ぐことです。

例えば「テロップの挿入」。
何月何日、どこに行った、とか、どんなことがあったとか、映像の下や隅に文字を入れて、テレビ番組の雰囲気を出すことができます。

例えば「BGMの挿入」。
お気に入りの楽曲を映像のBGMとして流したり、解説を音声で入れたり、効果音を付けることができます。

例えば「メニューの作成」。
できあがった映像をDVDディスクに保存する際に、メニューを作ることができます。

これらが一般に、ビデオ編集とひとくくりにして呼ばれている作業です。

また、スタジオグラフィックスの読者にはデジカメ写真好きの方が多いですが、そんな方たちにはスライドショー機能がお勧めです。

家族旅行や撮影会で撮った写真をBGM付きのスライドショーにして、DVDで保存すれば、リビングのテレビでゆったり楽しむこともできます。


▼図版1

初期メニュー画面

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ビデオ編集ソフトの定番『VideoStudio 12』の初期メニュー画面。
「VideoStudio」でビデオ編集、「おまかせモード」はテンプレートを使ったほぼ自動でムービー作成、「クイックDVDウィザード」はDVカメラから取り込んだ映像をDVDに書き込みます。。

▼図版2

VideoStudio の編集画面

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ビデオスタジオ12 の編集画面。映像、タイトル、音声、オーディオなどがタイムラインで配置操作できます。また、今回から手書き文字やイラストをアニメーションのように挿入できるようになりました。

■ビデオ編集ソフトにはどんなものがある?
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 ●市場はVideoStudioがリード
▼図版3

ビデオカメラ市場はHDに

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発表会で掲示されたDVビデオカメラの市場動向。既にハイビジョン(HD)対応が半数を超えています。
▼図版4

ビデオ編集の需要を喚起

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同社は、VideoStudio 12 でのハイビジョン映像編集のポイントとして、「楽しさの実現」を位置づけました。
▼図版5

ポイントは、高速性と楽しさ

コーレル株式会社 リテールチャネルグループ 事業本部長 萩原英知氏。「パフォーマンスの改善と映像編集の楽しさ」をPR。
▼図版6

マイクロソフトも応援に

マイクロソフト株式会社Windows本部、コンシューママーケティング部マネージャ藤本恭史氏。「チャレンジ デジタルライフ2008」を紹介。

 

 そこで「ビデオ編集にはどんなソフトがあるの?」ということになりますが、Photoshopシリーズに馴染みが多いスタグラ読者が"パッ"と思い浮かべるのがアドビ製品ですね。

プロユース向けの製品として君臨するのは、『Adobe Premiere Pro CS3』です。価格は98,000円。一般の人がちょっと使うには高すぎますね。そこで一般消費者向けに発売されている弟分の製品が『Adobe Premiere Elements 4』。14,490円(アマゾンでの実売価格)とグッと買いやすいお値段。

しかし、『Adobe Premiere Elements』シリーズが市場No.1をとるのに立ちはだかってきたのが『Ulead VideoStudio』シリーズ(アマゾンでの実売価格)です。使いやすくて、高性能、様々な映像の形式にも対応している、ということで『Ulead VideoStudio 12』は市場をリードしてきました。

【ビデオ編集ソフトあれこれ】
>> コーレル Ulead VideoStudio
>> アドビシステムズ Premire Elements
>> サイバーリンク PowerDirector
>> ジャングル Pinnacle Studio

■アマゾンでの販売価格
>> コーレル Ulead VideoStudio
>> アドビシステムズ Premire Elements
>> サイバーリンク PowerDirector
>> ジャングル Pinnacle Studio

 

 ●デジタルライフの活性化をめざす

 

 Ulead VideoStudio 12 発表会では、市場の動向や製品コンセプト、製品の特長などの説明がありました。

市場動向としては主に2点で、「DVビデオカメラの売れ筋がハイビジョン対応製品に移行」していること、「パソコンでは、Core 2 Duo相当のCPUを搭載したモデルの販売が半数」を占めていることなどがグラフで提示されました(新製品の販売トレンドなのでいずれも驚く数値ではない)。

その上で、新製品のUlead VideoStudio 12では、処理速度の向上という意味で「パフォーマンスの改善」と、手書き機能などの充実による「楽しさの実現」をポイントに上げました。

また、マイクロソフト社のマーケティング部マネージャも登壇し、現在マイクロソフト社が推進しているキャンペーン「チャレンジ デジタルライフ2008」の紹介と、それを通じたVideoStudio 12のPR支援を説明しました。このキャンペーンは、Windows Vistaの販促が軸になっていますが、まずはWindows Vista標準のビデオ編集ソフト「Windows ムービーメーカー」を使ってもらい、更にステップアップしたいユーザーに VideoStudio を推薦していく考えです。

『Ulead VideoStudio』シリーズでできることはだいたい前述の通りで、更に詳しい機能についてはホームページニュースを見ていただくことにして、今回発表になったた『Ulead VideoStudio 12』の注目する点とインパクトについて解説したいと思います。

■VideoStudio 12 の特筆点 ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ

 ●カッコいいタイトル文字の演出が可能に

 

VideoStudio 12 の発売予定は2008年4月末発売予定で、価格(税込)は下記の通り。

・通常版 \15,540
・特別優待版 \10,290
・アップグレード版 \8,379
・アカデミック版 \8,190
・ダウンロード版 \9,240
・アップグレードダウンロード版 \7,329

特長とポイントを列記すると・・

高速性が向上

ビデオ編集の最も大変なところは、パソコンの処理が遅いことです。インターネットやオフィス製品を操作したり、画像をレタッチ加工するのには十分な(CPU)パワーを持っている昨今のパソコンですが、膨大な処理を行う動画に関してだけはまだパワーが十分とは言えません。

『Ulead VideoStudio 12』は高速な最新CPUである「Core 2 Duo」や「Core 2 Quad」を搭載したパソコンで高速に処理が行えるように最適化技術が導入されました。

また、操作性の高速化もさることながら、MPEG変換、プレビューを表示しないモードを用意、等での高速化もはかられています。


複数タイトルトラックの編集

今回の『Ulead VideoStudio 12』で最も注目したい機能はこれです。タイトル文字(トラック)を同時に2つ表示することができ、シャレた動きをするアニメーションも用意されてます。

ウェブページではフラッシュを使って、文字が次々に現れては流れる処理をよく見かけますが、ビデオのタイトルにそんな処理が簡単にできるようになったわけです。


スマートパン&ズーム

スタジオグラフィックスの読者がよく利用しているスライドショー機能。Ulead VideoStudioシリーズでは、単に写真を次々に表示していくだけでなく、写真をズームしたり、表示位置をゆっくり移動(パン)したりといった効果がつけられます(その分、制作の処理時間は長くかかりますが)。
『Ulead VideoStudio 12』では、画像を自動的にズームしたりパンする際に、顔の位置を判別し、顔を起点に特殊効果をかける「スマートパン&ズーム」機能を搭載しました。


オーディオファイルの自動クロスフェード

意外とうれしい機能です。2曲のBGMを重ねて配置すると、1曲目のボリュームが徐々に小さくなり(フェードアウト)、入れ替わりに2曲目のボリュームが大きくなる(フェードイン)、いわゆるクロスフェードが簡単になりました。

今までは手動で設定しないと行けなかったので、少し楽ちんになります。


ペインティング・クリエーター

今回のバージョンアップの目玉として打ち出したのがこの機能です。マウスやタブレットを使って描いた文字や絵を映像の中に重ねる、いわゆるオーバーレイして表示する機能です。

文字やイラストはできあがったものをワンショットで表示する「スチルモード」と描いた軌跡通りに表示していく「アニメーションモード」が選択できます。子供向けの演出には効果大です。


▼図版7

処理パフォーマンスを向上

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コーレルが発表した、VideoStudio 12 の高速パフォーマンスの比較表。作業時間の短縮が実現できそうです。

▼図版8

複数のタイトル表示

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まず、上の「2007 Okinawa」の文字がアニメーションで登場して表示した後、下の「家族旅行」のタイトル文字が浮き出して表示、その最中に「2007 Okinawa」が消えていく、タイトルの例です。複数のトラックを持つことで実現します。


▼図版9

パン&ズーム

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自動の設定以外にも、パン&ズームの軌跡を手動で設定することもできます。左の画面で始まり、右画面のようにパン&ズームするよう指定しているところです。



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■個人的な感想 ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ

 ●ビデオスタジオの良い点、悪い点

 

 『Ulead VideoStudio』シリーズはかねてより著者も愛用しているソフトで、見栄えの良いビデオ作品を手軽に促成するのにはお勧めの製品です。

良い点は、一般消費者向けの編集ソフトながら、高度な編集処理をするための機能をアレコレ装備していることです。プロユースにおいても、実際はシーンチェンジなどガチャガチャと多用することはなく、画像や音声、ピクチャ・イン・ピクチャなどがシンプルにできるのが一番ですが、それら基本的な機能はほぼ揃っています。また、それらを制御するためのトラックが11本あるというのも強みです。

悪い点は、動作が不安定な点。長時間のエンコード中に意味不明なエラー表示が出て中断することもあり、細かい設定を変更せざるを得ないこともあります。

さて、その最新版ということですが・・

今回の目玉機能、ペインティング・クリエーター(は、プリクラなどを通して写真に手書き文字やイラストを描いて楽しむ習慣がある世代にはうれしい機能かもしれません。ただ、使って便利かどうか、ユーザに使われる機能になるかどうかはわかりません。

一般ユーザではタブレットを使っている人は少ないですし、手書きのクオリティで"良し"とするユーザが、時間と労力をかけてわざわざ面倒な手書きエフェクトを使うかどうか・・一方、時間と労力をかけてまでいいものを作りたいと思うユーザは手書き文字を"良し"とするか、という矛盾を、どのようなPRで克服できるかがポイントとなるように思います。

プロユースにおいては、オーバーレイ機能はとても重要で、表現の幅を拡げられる機能です。Photoshopやイラストレータで作った図形やイラストをオーバレイして、ビデオ映像と重ねたり、効果的に切り替えると、とてもカッコ良いシーンが作れるからです。一方で手書きを前提とすると、子供向けの演出に限定されてしまうのではないでしょうか。

また、残念なのは『Ulead VideoStudio 12』にはブルーレイディスクの書き込み機能に対応していません。
ハイビジョンのデジタルビデオカメラから映像を取り込み(インポート/キャプチャ)し、編集もできますが、ブルーレイディスクの作成は別のソフトに頼らなければなりません。他の製品ラインアップとの兼ね合いなんでしょうけれど、ユーザとしては腑に落ちない製品仕様になっています(以前から)。

なんにしても私は「パソコンの中で眠っているデジカメ画像は、スライドショーDVDにして大画面テレビで楽しもう」推進派なので、このUlead VideoStudio 12をどんどん活用して、DVDをたくさん作りたいと思っています。

※本ページ内に掲載している『VideoStudio 12』はベータ版の画面です。製品版は変更になる場合があります。

>> 新コーナー「地デジ生活 2000GT」
  読んでね。

▼図版10

合計11トラックが可能

Clickで拡大
ビデオトラック7本(オーバーレイトラック含)、タイトルトラック2本、オーディオトラック2本の合計11本(左)のトラックをタイムライン画面(右)でコントロールできる点は便利です。

▼図版11

ペインティング・クリエーター

Clickで拡大
ペインティング・クリエーターは、描いた絵や文字をワンショットでオーバーレイ表示する「スチル」と、画面のように軌跡を記憶してアニメーションのように順次表示していく「アニメーション」モードがあります。子供向けのちょっとした演出に楽しい機能です。


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