礒村浩一の探せ!デジカメ・ギア 第7回 ~
[ SLIK プロ 700 LE4-TI ] デジカメの解像力を最大限に発揮するための高性能三脚
TOPIX
写真家・礒村浩一の「 探せ!デジカメ・ギア 」。デジタルカメラを使いこなすための、あったら便利、使うと楽しい、そんなアイテム「 デジカメ・ギア 」を紹介していく本講座。今回は、高性能三脚のススメ。「 高解像度デジカメにしたらピンボケやブレが酷くなった 」と悩んでいる方に、礒村浩一が高性能三脚の選びかたと使いかたを指南! 秋の絶景をジャスピンで愛機に納めたいと考えている方は必読です。 by 編集部 |
最近のデジタルカメラの進化には目を見張るものがある。解像度はさらに高くなり非常に細やかな描写が可能なカメラが次々と登場している。しかしそれと同時に撮影時においてはより正確な撮影が求められるようになっているのも確かだ。高解像度の画像ではすこしのブレであってもその影響が如実に現れてしまうからだ。それを確実に防ぐ為にはしっかりとした三脚を使うことが一番確実な方法となる。
■ 自分の撮影スタイルに最適な三脚を選ぼう
そもそも三脚はどのようなときに使うのかを考えてみよう。まず最初に思い浮かべるのが、集合写真やセルフポートレートなど、カメラを手で持たずに固定して撮影するとき。次にシャッター速度が遅く手持ち撮影では手ぶれを起こしてしまうとき。そしてもうひとつ重要な使い方として挙げられるのが構図を安定させて撮影するときだ。これらは三脚を使うことによって状況を大きく改善もしくは問題解決できる。しかし三脚であればなんでもいいのかというと決してそうではない。使うカメラ機材の重さやレンズの焦点距離、撮影時のシャッタースピードなどを考えて、それに相応しい三脚を選ぶことが大事だ。
一般的に三脚は、その脚の太さや全体の重さに比例して安定度が高まる。三脚の脚が太ければ強度も増し、カメラ機材の重さでたわんだりねじれたりする度合いが少なくなる。また重さがあれば振動や風による影響なども減り、全体の重心が下がるので安定度が高くなる。つまり脚が太くて重い三脚を使えばカメラの安定度は上がるということになる。しかし当然ながら持ち歩く際にはとっても大変になるため、撮影の機動性は著しく下がってしまう。それによって撮影が思うようにできなくなってしまうのは本末転倒だ。三脚を選ぶ際に大切なのは、自分が使う機材に見合った適度な重さと強度があるものを選ぶことだ。そうした観点を無視しては軽すぎても重すぎてもダメなのだ。
■ 安定性と機能性を兼ね備えた新素材三脚
今回ピックアップする三脚は、スリックから新発売された比較的大型な三脚、「 SLIK プロ 700 LE4-TI 」だ。脚のパイプは4段式で、最も延ばすと地上高 1690mm、エレベーターまですべて延ばすと地上高 2070mm と人の背丈よりも高いポジションで撮影できる。ただし大型といっても質量は 3.7kg と大きさの割には軽量な部類に入る。脚パイプの太さは 30.2mm と中型三脚と同等だが、AMT と呼ばれるアルミ・マグネシウム・チタン合金を採用することで軽量化と剛性のバランスを取っているのが特徴だ。
■ ワンランク上の余裕が安定した撮影をしっかりとサポート
「 SLIK プロ 700 LE4-TI 」は大型三脚のクラスでありながら比較的軽い三脚だ。しかしそれにも関わらず積載可能な機材の質量は最大で約7kg と、フルサイズデジタル一眼レフと F2.8 クラスの大口径望遠ズームレンズの組み合わせでも十分に安定した撮影が可能である。また最高 2070mm の高さから最低 398mm までのローアングルまで自在に対応できることも大きな特徴だ。これにより様々な被写体に対応することが可能となる。
■ 写真の表現領域を拡げてくれる信頼できる三脚を選ぶ
「 SLIK プロ 700 LE4-TI 」は安定性と剛性、携行に適した重量といった、撮影に必要な要件を絶妙なバランスで纏め上げた最新の三脚だ。しかも人の背丈を超えたハイアングルから水辺や花の撮影にも適したローアングル撮影まで、とても幅拾い被写体に対応することができる。もちろん、三脚を過信しない基本的なポジション取りや扱いは絶対に必要だが、それさえしっかりと守れば、撮影者の望む撮影に確実に応えてくれる本格的な三脚である。超高画質なデジタルカメラが主流となるこれからだからこそ、基本性能に妥協せず、かつ撮影者の負担を極力抑えてくれる三脚の存在はとても大事になっていくはずだ。また高感度撮影での手持ち撮影では撮れない、長秒での撮影などの写真表現にも安定性の高い三脚は必須なアイテムだ。これを機にぜひとも安心感かつ表現の自由度の高い三脚に注目していただきたいと思う。
■ 三脚を使った作品例
■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
礒村 浩一