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礒村浩一の探せ!デジカメ・ギア 第7回 ~ 
[ SLIK プロ 700 LE4-TI ] デジカメの解像力を最大限に発揮するための高性能三脚

Posted On 30 8月 2014
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写真家・礒村浩一の「 探せ!デジカメ・ギア 」。デジタルカメラを使いこなすための、あったら便利、使うと楽しい、そんなアイテム「 デジカメ・ギア 」を紹介していく本講座。今回は、高性能三脚のススメ。「 高解像度デジカメにしたらピンボケやブレが酷くなった 」と悩んでいる方に、礒村浩一が高性能三脚の選びかたと使いかたを指南! 秋の絶景をジャスピンで愛機に納めたいと考えている方は必読です。  by 編集部

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最近のデジタルカメラの進化には目を見張るものがある。解像度はさらに高くなり非常に細やかな描写が可能なカメラが次々と登場している。しかしそれと同時に撮影時においてはより正確な撮影が求められるようになっているのも確かだ。高解像度の画像ではすこしのブレであってもその影響が如実に現れてしまうからだ。それを確実に防ぐ為にはしっかりとした三脚を使うことが一番確実な方法となる。

■ 自分の撮影スタイルに最適な三脚を選ぼう

そもそも三脚はどのようなときに使うのかを考えてみよう。まず最初に思い浮かべるのが、集合写真やセルフポートレートなど、カメラを手で持たずに固定して撮影するとき。次にシャッター速度が遅く手持ち撮影では手ぶれを起こしてしまうとき。そしてもうひとつ重要な使い方として挙げられるのが構図を安定させて撮影するときだ。これらは三脚を使うことによって状況を大きく改善もしくは問題解決できる。しかし三脚であればなんでもいいのかというと決してそうではない。使うカメラ機材の重さやレンズの焦点距離、撮影時のシャッタースピードなどを考えて、それに相応しい三脚を選ぶことが大事だ。

一般的に三脚は、その脚の太さや全体の重さに比例して安定度が高まる。三脚の脚が太ければ強度も増し、カメラ機材の重さでたわんだりねじれたりする度合いが少なくなる。また重さがあれば振動や風による影響なども減り、全体の重心が下がるので安定度が高くなる。つまり脚が太くて重い三脚を使えばカメラの安定度は上がるということになる。しかし当然ながら持ち歩く際にはとっても大変になるため、撮影の機動性は著しく下がってしまう。それによって撮影が思うようにできなくなってしまうのは本末転倒だ。三脚を選ぶ際に大切なのは、自分が使う機材に見合った適度な重さと強度があるものを選ぶことだ。そうした観点を無視しては軽すぎても重すぎてもダメなのだ。

「 SLIK プロ 700 LE4-TI 」は人の背丈よりも高くなる大型4段三脚だが、脚をすべて縮めた際には雲台まで入れても 720mm 程度の高さとなり、見た目は中型三脚並の大きさとなる


① 4段すべてのパイプを延ばしてエレベーターも最も延ばした状態。雲台込み地上高 2070mm ② 4段すべてのパイプを延ばしてエレベーターは縮めた状態。雲台込み地上高 1690mm ③ 4段すべてのパイプとエレベーターを縮めた状態。雲台込み地上高 720mm ④ 4段すべてのパイプとエレベーターを縮めた状態で1段階開脚させた状態。雲台込み地上高 575mm。エレベーター下部を取り外し ⑤ 4段すべてのパイプとエレベーターを縮めた状態で2段階開脚させた状態。雲台込み地上高 395mm。エレベーター下部を取り外し、かつ 8mm 程上にスライドした状態。(エレベーター下部が地面に当たるまで)


「 SLIK プロ 700 LE4-TI 」を2段階開脚させ最もローアングルにした状態。エレベーターパイプは中間で分割可能。開脚して使用する場合はエレベーターが地面に当たってしまうので、分割させた状態で使う。


開脚させる際には脚の付け根にあるストッパーを引き出してから脚を拡げる。3段階調整が可能

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■ 安定性と機能性を兼ね備えた新素材三脚

今回ピックアップする三脚は、スリックから新発売された比較的大型な三脚、「 SLIK プロ 700 LE4-TI 」だ。脚のパイプは4段式で、最も延ばすと地上高 1690mm、エレベーターまですべて延ばすと地上高 2070mm と人の背丈よりも高いポジションで撮影できる。ただし大型といっても質量は 3.7kg と大きさの割には軽量な部類に入る。脚パイプの太さは 30.2mm と中型三脚と同等だが、AMT と呼ばれるアルミ・マグネシウム・チタン合金を採用することで軽量化と剛性のバランスを取っているのが特徴だ。

脚パイプのロックはレバー式なので片手で締め緩めが可能。AMT 合金製の脚パイプは直射日光に当たっても熱を吸収しにく、かつシルバーのように光を反射して目立つことのないチタンカラーを採用。溝入りなのでパイプが空転することもない


エレベーターパイプは大きめのロックナットと締め付けネジの2点で固定。エレベーターを上下させ留めたいところでネジで固定。そのうえでロックナットを締めることで不必要な緩みによるぶれを防止する

「 SLIK プロ 700 LE4-TI 」にはしっかりした 3way 雲台「 SH-807N 」がセットされている。ハンドルを締め付けた際にも雲台が動かない「 コマ締め方式 」を採用しているので、固定前に決めた構図がずれるこことがない


雲台には2方向の水準器と縦位置時用の丸形水準器を装備。カメラ底面との接触部にはゴム入りコルクが貼付けられており、カメラの空転を防いでいる

カメラの締め付けネジには大型のネジ頭を採用。大型円盤のダブルナットでロックするので、小さな力でもカメラをしっかりと固定することができる

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■ ワンランク上の余裕が安定した撮影をしっかりとサポート

「 SLIK プロ 700 LE4-TI 」は大型三脚のクラスでありながら比較的軽い三脚だ。しかしそれにも関わらず積載可能な機材の質量は最大で約7kg と、フルサイズデジタル一眼レフと F2.8 クラスの大口径望遠ズームレンズの組み合わせでも十分に安定した撮影が可能である。また最高 2070mm の高さから最低 398mm までのローアングルまで自在に対応できることも大きな特徴だ。これにより様々な被写体に対応することが可能となる。

最高 2070mm の高さまであげられるので、柵を挟んでの撮影でも余裕を持って撮影することができる。なお、エレベーターはできるだけ延ばさずに使いたい。どんなにしっかりした三脚でもエレベーターを延ばしすぎるとカメラぶれの原因となりえるからだ。延ばしきって使う場合にはリモートケーブルを使うなどして最善の注意を払おう

実は高く上がることができる三脚は、足下に高低差のある場所での撮影時にもとても助かる。3本の脚の着地点の高さに合わせて長さを調整することで、カメラを装着する雲台を水平にして撮影できるからだ


平坦でない場所でのローアングル撮影などでは、その地形に合わせて脚の開脚度を変えたり脚の長さを変えるなどしてできるだけ三脚を水平に近づけるようにする。三脚を転倒させてカメラを壊したり水没させたりしないように気をつける。必要に応じて三脚の脚下部に重しを着けるなど決して重心を高くしないようにしよう

この撮影でも川底は平地ではなく高低差があるため、脚の長さを変えて三脚を水平にして撮影している。水中での使用はメーカーとしては保証外となるが、AMT 製の脚は濡れても大きな問題にはならずに済んでいる。ただし水流の圧力よる振動には注意しよう。また水流が強いと三脚ごとカメラが流されてしまう恐れもあるので十分に気をつけよう。危険を感じたらすぐに水から上がることが重要だ


足下が板や木道などの場合は、人が歩く振動で三脚全体が揺れてしまうことが多い。できるだけ三脚の乗っている板の上に自分も乗らないようにして、カメラから離れてリモートケーブルでシャッターを切るようにする。周囲の人が歩く振動にも注意を払おう

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■ 写真の表現領域を拡げてくれる信頼できる三脚を選ぶ

「 SLIK プロ 700 LE4-TI 」は安定性と剛性、携行に適した重量といった、撮影に必要な要件を絶妙なバランスで纏め上げた最新の三脚だ。しかも人の背丈を超えたハイアングルから水辺や花の撮影にも適したローアングル撮影まで、とても幅拾い被写体に対応することができる。もちろん、三脚を過信しない基本的なポジション取りや扱いは絶対に必要だが、それさえしっかりと守れば、撮影者の望む撮影に確実に応えてくれる本格的な三脚である。超高画質なデジタルカメラが主流となるこれからだからこそ、基本性能に妥協せず、かつ撮影者の負担を極力抑えてくれる三脚の存在はとても大事になっていくはずだ。また高感度撮影での手持ち撮影では撮れない、長秒での撮影などの写真表現にも安定性の高い三脚は必須なアイテムだ。これを機にぜひとも安心感かつ表現の自由度の高い三脚に注目していただきたいと思う。

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■ 三脚を使った作品例

曇り空の下での 200mm 望遠レンズでの撮影。1/125 秒とぶれやすいシャッタースピードのため、三脚でしっかりとカメラを固定してリモートケーブルを使って撮影  
焦点距離:200mm 絞り:f/5.6 ss:1/125 秒 ISO:100


三脚にカメラを固定して、刻一刻と移り行く風景の表情を長時間をかけて撮影。構図を安定させるためにも三脚は必須
焦点距離:200mm 絞り:f/8.0 ss:1/400 秒 ISO:100


夜間、月の明かりのみで撮影。しっかりとした三脚を使用することで 30 秒間の長時間露光も安心して行なえる。夜にしかその姿を見る事のできない風景写真
焦点距離:13mm 絞り:f/5.0 ss:30 秒 ISO:1250

鬱蒼とした森の中で限られた光りを 1/80 秒のスローシャッターですくい上げるようにして捉える。ISO 感度を上げる事無く撮影することで、高画質かつ厚みのある写真とすることができた
焦点距離:200mm 絞り:f/2.8 ss:1/80 秒 ISO:100


山から湧き出る清水の流れをスローシャッターで撮影。流体と落ちる水泡を時間という粘りで貼り合わせる。時間というものを具象化できる唯一の方法だ
焦点距離:45mm 絞り:f/11.0 ss:1/4 秒 ISO:100

川の流れに分け入り水中に三脚を据えて撮影。水面に近いカメラアングルから捉えた迫力のある写真にできた。安定した構図で光の瞬きを待つ
焦点距離:200mm 絞り:f/2.8 ss:1/125 秒 ISO:100


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礒村 浩一
著者について
■ 礒村 浩一 写真家 ■(いそむらこういち)   1967 年福岡県生まれ。東京写真専門学校( 現 東京ビジュアルアーツ )卒。女性ポートレートから風景、建築、舞台、商品など幅広く撮影。全国で作品展を開催するとともに撮影に関するセミナーおよび撮影ツアーの講師を担当。デジタルカメラに関する書籍や Web 誌にも数多く寄稿している。近著「 オリンパス OM-D の撮り方教室 OM-D で写真表現と仲良くなる 」( 朝日新聞出版社 )、「 マイクロフォーサーズレンズ完全ガイド 」( 玄光社 )など。 2015 年 9 月よりデジタルハリウッド「 カメラの学校 」講師。Web サイトは http://isopy.jp/ Twitter ID : k_isopy
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