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花写真家・北村佑介の季節の花の撮り方
season1 花を撮る際のマナー・ひまわりの撮り方

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新連載開始のご案内です。SNSで話題の花を撮るフォトグラファー北村佑介さんをお迎えしました。” 花の撮り方 ” の解説記事は書籍・Webでも多くあります。しかしながら、花の種類別に撮り方を解説した記事はあまりみかけません。本連載では花の種類別に撮影ノウハウを解説いたします。また、連載開始にあたり、北村さんより「 花を撮る際に一番重要なこと 」を伝えたいとの申し出がありましたので、ここよりご覧ください。それでは 花写真家・北村佑介の季節の花の撮り方 ~ season1 花を撮る際のマナー・ひまわりの撮り方 をお楽しみください。by 編集部


初めまして!この度、花撮影の記事を書かせていただくことになりました、北村佑介と申します。
出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、花を撮るフォトグラファーとして独立しました。年間 150 回の写真教室や、書籍・雑誌・企業への写真提供をメインに全国で活動中です。最近はメーカーへのレンズ作例写真の提供、CP+でのトークショーなどもこなしております。

著書に「 花をながめて大切なことに気づく100 の言葉 」( かんき出版 )・「 思い描いた世界観を表現する仕上げの技法 超絶レタッチ術 」( インプレス )などがあります。
これから花の写真に関する有益な情報を皆さまにお届けできたらと思っております。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

1)花を撮る際のマナーについて

「 花の撮り方 」を読者の方に伝える前に知っていただきたいことが2つあります。最も重要なことですので連載にあたり冒頭に記したいと思います。

1-1 立ち入り禁止区域や柵の向こう側に入らない

当たり前のことのように感じますが、撮影に夢中になるあまり知らず知らずのうちに入ってしまったり、より良い写真を求めて知らず知らずの間に入ってしまったりしたことがある方もいるかもしれません。
自分の周りには花を撮る方がたくさんいますが、大半の方はこうしたことをせずに撮影マナーを守って撮っています。
しかし、そうしたマナーを守らない方をたまに見かけることも事実です。花というものは至るところにたくさん咲いています。立ち入り禁止区域や柵の向こう側には ” 立ち入らない ” のはもちろんの事、入っていいかどうか疑わしき場所は立ち入らないようにしましょう。わざわざ疑わしい場所で撮る必要はありません。花が咲いている他の場所で撮りましょう。

1-2 花を見に来ている方の邪魔にならないようにする

昨今、カメラがかなり普及してきました。
花が咲いている場所でもカメラを持っている方をかなり見かけるようになりました。
少し大袈裟に言うと、「 花が咲いている場所=花の撮影地 」と思っている方も少なくないかもしれません。
しかし、それは間違いです。
花を見に来ている方、その場所が散歩道の方、撮影以外の目的で来られてる方もたくさんいらっしゃいます。
撮影者はそうした方の邪魔にならぬよう、心掛けましょう。
特に撮影中に花と距離を取るために後ろへ下がる際は周りにいる方とぶつからぬよう、一度周囲を確認してから下がる、くらいのことをしてもやりすぎということはありません。
また、三脚使用の際は、より邪魔にならぬよう心掛けましょう。撮影可能、三脚使用可能の場所であっても、フォトグラファーのためだけの場所ではありません。

この他にもありますが、守っていただきたいマナー2つを書きました。
自分も読者の皆さんもこれから先、マナー守っているつもりが守れていないことが絶対にないとは言い切れません。お互いに啓発し合って、楽しくずっと花を撮っていけたらと思っています。

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2)ひまわりの撮り方

いよいよ長かった梅雨も明け、皆さんが楽しみにしていたひまわりシーズン本番です!
もう既にひまわりを撮りに行かれた方も少なくないと思います。
ひまわりに限らず、夏に咲く花は比較的大きく、葉っぱや茎の主張が強いため、柔らかく撮ることが難しいです。
撮り方のバリエーションも多くはありません。そんなひまわりの撮り方を、作例を用いて解説していきます。

ISO:100 焦点距離:135mm F2.0 SS:1/4000 WB:5150

ISO:100 焦点距離:135mm F2.0 SS:1/4000 WB:5150

ひまわりを撮る際、技術よりもロケーション探しが他の花よりも大切だと考えています。この写真のように、なだらかに上っていく丘に咲いているロケーションが理想的です。平らな土地に咲くひまわりと違い、奥の方のひまわりまで写るためです。
そしてもう一つロケーション探しで大切なことは、ひまわり畑と空がダイレクトに繋がっていて、かつ、途中に木や電柱や建物が入っていないことです。そうしたロケーションで撮ると、このように目を引く補色のメリハリが生まれます。

技術的な話に移りますが、この写真は一般的なひまわりの撮り方とは少し異なります。
広角レンズで絞って撮る写真をよく目にしますが、これは中望遠レンズの開放で撮りました。通常、被写体と離れて撮ると前ボケが作りづらいですが、中望遠レンズの開放で撮ったため、前ボケを作ることができました。前ボケを作ったことにより、柔らかい雰囲気が生まれます。

そしてピント位置を花畑の奥にすることで、永遠に続くひまわり畑を演出することができました。
ひまわりに限らず、中望遠 ~ 望遠レンズの開放でピント位置を花畑の奥にするのはおすすめです!また、中望遠レンズだと画角の中に入る花の数が少なくなることが多いですが、なるべく本数が多い場所を選ぶと、このように花畑感を損なうことなく撮ることができます。

ISO:100 焦点距離:135mm F2.0 SS:1/4000 WB:5150

ISO:100 焦点距離:135mm F2.0 SS:1/4000 WB:5150

1枚目の写真と同じ設定、ほぼ同じ場所と同じ時刻に撮ったものです。今度は1本、主役となる花を選びました。
主役となる花に極力目がいくように、花から下のそれほど見せたくない部分は、前ボケで隠すのが理想的です。前ボケが作りづらい花ですが、中望遠レンズの開放で撮ったため、うまく前ボケで花から下を隠すことができました。主役となる花ですが、他の花と高さが異なる花、背の高い花がおすすめです。
背の高い花の中でも、1本孤立している花を撮ると、このように主役がすぐわかる写真となります。ピントが1本にしか合っていない、というものが理想です。

元々のサイズが大きい花なので引いて小さく写しづらいですが、なるべく引いて小さく写すと花の可愛さが伝わります。
前後のボケが損なわれないぎりぎりの距離感で写すことがおすすめです。また、雲に表情がある場合は、写真の半分以上空が入っていると夏の雰囲気が伝わります。

ISO:100 焦点距離:50mm F1.4 SS:1/3000 WB:5150

ISO:100 焦点距離:50mm F1.4 SS:1/3000 WB:5150

標準レンズ、50mmの単焦点レンズで撮りました。長いレンズを持っていない方はこの撮り方がおすすめです。
先ほどの写真よりもひまわりを、少し大きく写しました。
このような、はっきり主役を決めた際の撮影時にまず意識したいことは、花の顔を捉えることです。
ひまわりの花の形の良さは、なるべく正面から撮らないとうまく伝わりません。他の花は、ある程度横や後ろから撮っても形の良さが伝わることがありますが、ひまわりは正面以外は良さが伝わりづらいです。
また、空を半分以上入れた花の写真は、周辺の光量を落とすと空にいいムラができます。開放で撮った花の写真は周辺の光量を落とすと似合うことが多いです。
真ん中に視線を誘導する効果もあるので、真ん中付近に見せたいものがある場合はなおさら似合います。

ISO:100 焦点距離:135mm F2.0 SS:1/4000 WB:5150

ISO:100 焦点距離:135mm F2.0 SS:1/4000 WB:5150

単焦点の中望遠レンズで撮影最短距離付近で撮りました。
大胆にひまわりの一部分、見せたい部分のみを切り取りました。他の花ではあまりこういう切り取り方はしませんが、ひまわりはサイズが大きいのでこういう切り取り方がしやすいです。
どこを切り取るかでイメージも異なるので、単調になりやすいひまわりの写真を色々なバリエーションで撮ることができます。
背景に余計なコントラストを入れず、かつ単調にならないよう緑の色ムラを取り入れました。明るい緑と暗い緑が混在している部分を背景にすると、綺麗な緑のグラデーションとなってくれます。

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3)次回予告

いかがでしたか?皆様の参考になりましたでしょうか。本連載は隔月更新の予定です。次回、9月にお会いしましょう!

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北村佑介
著者について
■ 北村 佑介 ■ 出版社勤務・埼玉県観光PRフォトグラファーを経て、花を撮るフォトグラファーとして独立。年間150回の写真教室や、書籍・雑誌・企業への写真提供をメインに全国で活動中。最近はメーカーへのレンズ作例写真の提供や、CP+などのトークショーも多数。 著書に「 花をながめて大切なことに気づく100の言葉 」( かんき出版 )・「 最高の1枚を撮る・仕上げるで生み出す超絶写真術 」( インプレス ) がある。
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