礒村浩一の探せ!デジカメ・ギア 第13回
Godox WITSTRO AD180/AD360
TOPIX
デジタルカメラを使いこなすための、あったら便利、使うと楽しい、そんなアイテム「 デジカメ・ギア 」を紹介していく礒村浩一の探せ!デジカメ・ギア。パワフルでポータブルなフラッシュ、「 Godox WITSTRO AD180/AD360 」をご紹介。豊富なアクセサリと組み合わせることでどんな画が撮れるのかを、新しくオープンしたケンコー・トキナーのレンタルスタジオにて写真家・礒村浩一氏が徹底的に使い倒し、レビューします。 by 編集部 |
■ 豊富なライティングアイテムと場所を選ばない機動性が頼もしい
充電式大光量クリップオンストロボ
ここ最近ストロボを使用したライティング撮影がとても人気だ。以前はストロボといえばカメラの上に取り付けたクリップオンストロボで被写体を正面から直射するか、せいぜい天井に発光部を向けて反射させたバウンス光で撮影する程度が一般的であったが、最近ではカメラからストロボを取り外して、離れた位置で発光させるオフカメラライティング撮影をする人も増えてきた。それに伴いストロボと組み合わせて使うライティングアイテムの種類もとても豊富になってきている。ただライティングアイテムを使って光を拡散させると、被写体に届く光量が下がってしまうために光量不足になってしまったり、その光量を補うためにフル出力で発光させる必要があり、結果、充電時間が長くなってテンポ良く撮影できないといった悩みもでてくる。とは言え、大出力の大型ストロボを個人で用意するのはコスト的にも、また持ち運びにもなかなかハードルが高い。そこで今回はクリップオンストロボとあまり変わらぬサイズでありながら、より大きな光量を得る事ができる「 Godox WITSTRO AD180/AD360 」を紹介しよう。
「 Godox WITSTRO AD180/AD360 」は大光量でのフラッシュ撮影ができる充電式クリップオンタイプのストロボだ。発光部を備えた本体と、外部電源のリチウム充電池バッテリーパックを組み合わせて使う。光量は一般的なクリップオンストロボよりも大きい 180W/s の AD180 と 360W/s の AD360 の二種類がラインナップされている。
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Godox WITSTRO AD180![]() |
Godox WITSTRO AD360![]() |
リチウム充電池 PB960![]() |
■ メーカーサイト ■ | ||
Godox WITSTRO AD180/AD360 |
■ 豊富で本格的なライティングアイテム
WITSTRO には本格的なライティングを実現できる豊富なアイテムが用意されている。付属のリフレクターに取付けるグリッドやカラーフィルターの他に、別売のリフレクターなどに付け替えることで光の質を変化させることも簡単にできる。リフレクターの脱着もマウントのロックリングを緩めるだけとシンプルだ。このセクションでは、WITSTRO の各種アイテムと、そのアイテムを使った作例を紹介していこう。
以降の写真で、作例実画像の文字をクリックするとカメラで撮影した実際の画像が別ウインドウで表示されます。容量が大きいのでモバイル端末での表示には注意してください。
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ディスクリフレクター。フラッシュ光をいったん中心部のディスクで反射させ、さらに大きなシルバーのディスクで反射させることで光源をより大きくできる。ビューティーディッシュとも呼ばれ、人物撮影では顔の影を和らげることで肌の肌理やシワを目立たなくする効果もある
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ソフトボックス+ディフューザー。ソフトボックス内で反射拡散されたフラッシュ光がディフューザーを透過することでさらに拡散し柔らかい光となる。面光源となるので人物撮影や物撮りのメインライトとして使用することも多い
■ 応用ライティング( 多灯ライティング )
WITSTRO には他のフラッシュ光に同調する光スレーブ機構が搭載されている。これによって複数の WITSTRO やクリップオンストロボ、大型ストロボと組み合わせた多灯ライティングもできる。また TTL オート調光機能のついたストロボと組み合わせる際には、プレ発光を無視し本発光に同調する S2 スレーブモードを使うことで対応できる。
■ 場所を選ばずに本格ライティングを実現
WITSTRO の最大の強みは大光量ストロボにもかかわらず、電源を充電したバッテリーパックから得られることだ。これにより屋内であろうが屋外であろうがどこでも撮影ができる。筆者も出力 500W/s のモノブロックストロボを撮影に使っているが、AC 電源を必要とするため屋外での使用は制約があり難しい。最近ではバッテリーで駆動するモノブロックストロボや外部電源を使用するハンディストロボも登場しているが、連続発光回数が少なかったり本体サイズや質量が持ち歩くにはちょっと大きいなと思うものもある。
WITSTRO にはオート調光機能は搭載されていないが、TTL オート調光を搭載したストロボであっても、自分の場合はオフカメラライティング撮影ではマニュアルで光量を調整することの方が多い。自動的に光量を調光してくれるオート調光は便利だが、いったんライティングセットを組み上げてしまえば、そのセットでの撮影中は発光量を固定してしまうのでオート調光の必要はない。
WITSTRO は実勢価格がバッテリーパック付きの AD360 キットで7万円台、AD180 キットで6万円台と手にしやすいのも現実的だ。それでいて大型ストロボと同様のライティングアイテムが豊富に用意されているので本格的なライティング撮影にもすぐに執りかかれる。機動性を重視し、かつ一般的なクリップオンストロボの光量では物足りないというカメラマンにとって、Godox WITSTRO AD180/AD360 は十分に検討に値するストロボであるといえる。
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モデル:三嶋瑠璃子(http://ruriko-mishima.com)
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Godox WITSTRO AD360![]() |
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■ ケンコー・トキナースタジオ情報
今回、記事中に使用した写真の撮影はケンコー・トキナーのショールーム兼直営ショップにあらたに併設された撮影スタジオにて行いました。こちらのスタジオは2015年4月中旬より有料レンタルスタジオとして利用可能となる予定です。スタジオにはケンコープロフェショナルイメージングが取り扱う照明機器、スタンド、三脚などが備えられており、これらを実際に使用することもできます。 |
■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
礒村 浩一