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有岡秀倫の 自然光で撮る!料理写真講座( 前篇 )


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TOPIX

ご自宅で料理した後はぜひ押さえておきたい料理写真。レシピサイトや飲食店のレビューサイトが活況である昨今では人気の被写体であると思います。そんな料理写真を上手に撮影するコツを物撮り写真家であり料理写真撮影を数多くこなしている有岡秀倫氏に撮影・執筆を依頼いたしました。撮影はフードコーディネーター/フードスタイリストの山田晶子さんにもご協力いただきました。ぜひ、ご覧ください。by 編集部

スタジオグラフィックス on the Webの読者の皆様、初めまして。有岡秀倫( ありおかひでのり )と申します。前篇・後編の2回で「 料理写真の撮り方 」について執筆させていただくことになりました。よろしくお願いいたします。

簡単に自己紹介をさせていただきます。私は1971年の富山県生まれ、広告写真制作会社を経て2000年よりカメラマンとして仕事を開始し、現在は料理・商品撮影を中心として活動しています。

ホテル・大手居酒屋チェーン店などではプロ機材をふんだんに使用してメニュー撮影をしているケースが多く見受けられます。しかし、趣味やちょっとした仕事で料理撮影をするのにプロ機材を揃えるのはコスト的に大変ですね。そこで今回は、プロ機材はあまり使わないで撮る料理写真について基本的なお話しをしていきます。

みなさんスマートフォンやミラーレスカメラなどで料理写真はたくさん撮られていると思います。
お店などで撮る時はその時のシチュエーションの違いできれいに撮れたり撮れなかったりすると思います。なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか?最初に光の違いにより写真がどのように変化するかを見ていきましょう。

■ 光の違いについて

料理を窓際におき、それぞれの光で撮影してみました。

▼写真1 サイド光

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▼写真2 サイド光( メイキング )

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人間の目は左からの光に慣れているので自然に見えます。落ち着く光ですね。
コマーシャルやメニューの広告撮影では横文字が入ることが多いので左からライティングすることが多いです。

▼写真3 逆光

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▼写真4 逆光( メイキング )

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料理写真の基本的な光です。普段みなさんの撮影はで嫌いな方も多いと思います。が、料理写真の基本は逆光です!
反射角に光源があるので、エビや野菜のてりや全体の立体感も表現できていると思います。

▼写真5 順光

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▼写真6 順光( メイキング )

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全体的にべたっとした写真になりましたね。一昔前の記念写真のような感じです。
ただ、色に関しては一番忠実に表現ができています。スタジオで料理撮影するカメラの横から色出しのためにライトを順光で打つ時があります。

いかがですか。3枚の料理写真は同日・同時刻に撮影したものです。光の違いにより料理の表情が変わっていることに気が付かれると思います。お店での撮影で、「 きれいに撮れたり、撮れなかったり 」の違いはこの光の違いによることが多いです。

撮影当日はあいにく天気が悪く、光が弱かったのでそのまま撮影しましたが、強い光が入るようであれば、レースのカーテン越しに撮ると、いい感じに光が回ると思います。陽射しの強い直射日光の下での撮影はおすすめできません。
お家で撮影するときは、窓際にテーブルや移動できる台などを置いて撮影してみて下さい。なるべく窓の近くがいいですよ。曇りや雨の時など、「 こんな暗くて大丈夫かな? 」と思うときは、三脚を使用したり、ISO感度を上げたりすれば大丈夫です。

コマーシャル写真の場合、顧客より求められる写真( しっとり、カリッと、なめらかに、など )によって光の使い方が変わってきますが、料理写真は逆光でとるのが基本です。

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■ 料理の盛り付けについて

撮影する前に料理はきれいに盛り付けましょう。今回はフードコーディネーターの山田晶子( やまだあきこ )さんにご協力頂ました。
広告の料理撮影ではほぼフードコーディネーターさんに盛り付けをお願いします。盛り付けにより写真の見栄えが大きく異なるので、カメラマンと協力して、撮影を進めていきます。

▼写真7 盛りつけシーン( メイキング )
ードコーディネーターの山田晶子( やまだあきこ )さん盛り付け中

フードコーディネーターの山田晶子( やまだあきこ )さん盛り付け中

盛り付けのコツとしては、キーポイントとなる食材( 今回の撮影ではエビ・トマト・パプリカ )を考えながら盛り付けます。
また盛り付けているシーンは人の手がアクセントとなり、動きがでているので撮影することをおすすめします。面白いですよ!

▼写真8 盛り付けシーン1

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▼写真9 盛りつけシーン2

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■ レフ板( 税込108円 )を効果的に使う


窓際に料理を置いて撮影の際、どうしても反対側が暗くなります。
それはそれで立体感がでていて、いいと思いますが、気になるようでしたら、レフ板で暗い部分を、光を当てて起こしてあげます。
今回の写真は100円ショップで売っている、スケッチブックや鏡を使用しています。

▼ 写真10 サイド光 (自然光のみ)

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さて、次の写真は100円ショップで販売されている鏡2枚を使って、光を起こしました。きゅうりや、パインに立体感がでてきて、色も鮮やかになります。お皿の左側にハイライトも入っています。
鏡のいいところは、実際に光が見えるので、自分の明るくしたいところに光をあててみて下さい。

▼写真11 サイド光+レフ板( 鏡x2 )

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▼写真12 写真11のメイキング

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▼写真13 レフ板(スケッチブック)
またスケッチブックなどを使うだけでも明るくできます

またスケッチブックなどを使うだけでも明るくできます


さて、料理写真の撮り方(前篇)の今回は自然光でも光の違いにより料理写真が変化する事・盛り付けの重要性・レフ板の使い方について解説をいたしました。いかがでしたか。次回の料理写真の撮り方(後編)ではレンズの焦点距離・アングルについて解説したいと思います。お楽しみに!

著者について
■ 有岡 秀倫( ありおかひでのり )■ 1971年富山県生まれ。日本写真芸術専門学校卒。博報堂フォトクリエイティブ、アマナを経て2000年よりカメラマンとして活動を開始。料理、パッケージ、商品撮影で活動中。玄光社 料理写真大全、MdN フォトグラフィカ等にライティング講座掲載。