礒村浩一の探せ!デジカメ・ギア 第6回 ~ 「 MILTOL 」 望遠撮影も望遠鏡観測もこれイッポン! アイデア満載の望遠レンズシステム
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写真家・礒村浩一の「 探せ!デジカメ・ギア 」。デジタルカメラを使いこなすための、あったら便利、使うと楽しい、そんなアイテム「 デジカメ・ギア 」を紹介していく本講座。今回は、「 望遠鏡とカメラの望遠レンズを共用できればいいのに 」と悩んでいる方にピッタリな望遠レンズ、「 MILTOL( ミルトル )」をピックアップ。この夏のレジャーのお供にこの1本を連れ出してみてはいかがでしょうか。 by 編集部 |
■ 望遠鏡で眺めた景色をすぐさま撮影!?
いよいよ夏も本番。こども達も夏休みを迎え、家族で山や海などに出かけるシーンも多くなる季節だ。普段は趣味の写真のために、ついつい独りで出かけることの多くなってしまうお父さんたちも、この時期はさすがに家族でのお出かけが優先となるに違いない。キャンプに海水浴とアウトドアに出かける機会も増えることだろう。普段はなかなか目にすることのできない野鳥や動物、灯りの多い都会では見ることのできない夜空の星々の観測など、楽しみは数えきれないだろう。そのようなときに用意したいアイテムが、離れた位置にあるものを大きく見ることができる望遠鏡だ。肉眼では小さなそれらを手に取るように大きく見ることができれば、きっと子ども達にとっても忘れられない大切な思い出になるに違いない。
しかし望遠鏡で見るだけでは満足できないのがカメラ好きの性でもある。せっかく魅力的な被写体がそこにあるのだから、カメラで写真も撮りたいと思ってしまうのだ。とはいえ、そうでなくとも荷物の多い家族での旅行に、カメラ用の望遠レンズまでも持って行くのはなかなか大変だ。「 望遠鏡とカメラの望遠レンズを共用できればいいのに 」と思ったことがある人は少なくないはずだ。そんなお父さん達にピッタリな望遠レンズが、今回紹介する「 MILTOL( ミルトル )」だ。「 MILTOL 」は望遠鏡にもカメラ用の望遠レンズにもなる画期的なレンズシステムだ。
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■ 1本で望遠鏡にも望遠レンズにもなる画期的なレンズシステム
「 MILTOL 」はベースとなる望遠レンズ本体とデジタル一眼カメラに装着するマウント部、そして望遠鏡として使うときのアイピース部で構成される製品だ。レンズ本体とカメラマウントを組み合わせれば、デジタル一眼カメラに装着できる望遠レンズとなる。また、レンズ本体とアイピース部を組み合わせれば目視で使える望遠鏡となる。ベースのレンズとアダプターを組み換えることで、1本で2通りの使いかたができてしまうわけだ。
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■ MILTOL で本格的な望遠撮影をしよう!
以下に掲載した写真は、MILTOL 200mm F4 望遠レンズをキヤノン EOS 5D Mark III と組合わせて撮影した画像である。35mm フルサイズ対応なので、EOS 5D Mark III などフルサイズ機では実焦点距離のままでの撮影となる。絞り羽根は内蔵されていないので、絞り値は常に開放絞りの F4 に固定。カメラの露出モードは絞り優先モードもしくはマニュアルモードにセットして撮影する( 絞りで明るさをコントロールするシャッタースピード優先モードは使用不可 )。またレンズにはカメラとのデータをやり取りする電気接点は設けられていないため、撮影画像の Exif データにはレンズの情報は記録されない。フォーカスはマニュアルフォーカスのみとなるので、正確なピント合わせをしたい場合はカメラを三脚に据え、ライブビューモードで画面を拡大してピントを合わせるとよいだろう。
以下の作例のサムネイル画像をクリックすると、ディスプレイに合わせた小さな画像が表示されます。実画像の文字をクリックするとカメラで撮影した実際の画像が別ウインドウで表示されます。容量が大きいのでモバイル端末での表示には注意してください。
作例1( 実画像 )
作例2( 実画像 )
作例3( 実画像 )
作例のサムネイル画像をクリックすると、ディスプレイに合わせた小さな画像が表示されます。実画像の文字をクリックするとカメラで撮影した実際の画像が別ウインドウで表示されます。容量が大きいのでモバイル端末での表示には注意してください。
作例4( 実画像 )
作例5( 実画像 )
作例6( 実画像 )
作例7( 実画像 )
作例8( 実画像 )
作例9( 実画像 )
作例10( 実画像 )
作例11( 実画像 )
今回撮影に使用した MILTOL は、200mm F4 望遠レンズにカメラマウントを組み合わせたものだ。これ以外にも超望遠 400mm F6.7 ED レンズもラインアップされている。また望遠鏡として使うときには、別売りされている倍率の異なるアイピースと組み合わせることで、より倍率の高い望遠鏡にもできる。ユーザーが自由にカスタマイズすることができるレンズシステムだ。
■ アイデア満載な MILTOL で欲張ろう!
MILTOL はユーザー自らが必要なパーツを組み合わせることで、カメラ用望遠レンズと望遠鏡の二通りの使い方ができるとてもユニークな製品だ。もっとも、高画質を誇るカメラ専用のレンズと比べると画像の周辺部の像の緩さや、ハイライトのエッジに色収差が発生するといった点も見受けられはするが、画像中心部においてはとても描写能力に長けており、単なるアイデア製品のレベルを超えた、撮影にも十分に使える実用的なレンズだ。三万円弱という実勢価格からすると非常にコストパフォーマンスの高い製品だ。この夏休み、子どもとの野外観測を楽しみながら本格的な望遠撮影もしてしまおう!という欲張りなヒトにはとっても便利なアイテムだ!!
■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
礒村 浩一