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ストロボ達人への道!
第9回 Di866mkII 使い倒し 〜 1台で多灯撮影! 2012/09/20
 
▼目次  
1台で多灯撮影ができる Di866 MARK II
レフもライトボックスも使わずに撮ってみる
サブフラッシュの設定方法
人物撮影にも役立つサブフラッシュ
次回予告
▼写真0 Di866 MARK II の
サブフラッシュを使う
Clickで拡大
ニッシンストロボ Di866 MARK II には、メインの発光部以外にサブ発光部が搭載されています。
( 写真を Click で拡大 )
Camera ---
Lens ---
F. Dist. --- EV ---
Aperture --- S. Speed ---
ISO --- WB ---
M.Mode --- Strobe ---
S. Light ---
Filter ---
▼トピック  
■ 物撮り講座・限定復活 ■
今回から数回にわたって Di866 MARK II 使い倒し企画が始まります。 今回は、本講座でメインに使ってきたストロボ Di866 MARK II のサブフラッシュを使って、簡単多灯撮影にチャレンジしてみましょう。
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■ 1台で多灯撮影ができる Di866 MARK II
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● 多灯撮影のメリット/デメリット

   本講座の第5回第6回第8回では、2台以上のストロボを使った多灯撮影を紹介してきました。これまでにも解説したとおり、複数のストロボを使えば光を自由にコントロールでき、被写体の質感を高められるだけではなく、空気感の演出もできるようになります。しかし、複数台のストロボの予算は決して安くはありませんし、ストロボをカメラから離して設置するため、手軽さや機動性は当然低くなります。室内での物撮りをより高度に撮影しようとするならば、多灯撮影はもっとも適切な方法のひとつではありますが、上記したようなデメリットは否めません。しかし、ストロボ一灯だけでそれなりの撮影をしようとすると、第1回の 「 レフ板を使ってみよう 」 の項で紹介しているようなライトボックスが必要になってしまいます。これはこれで面倒ですよね?

 そこで今回は、ストロボ一灯だけで、しかもライトボックスを使わずに、まるで多灯撮影したかのような質感で撮影できる方法をご紹介しましょう。


● 1台2役の珍しいストロボ

   より簡単で手軽に質感高く撮影できるストロボがあります。それは、本講座でずっと使い続けてきた、ニッシンデジタル Di866 MARK II です。

 この Di866 MARK II は、世界的に見てもとても珍しいストロボで、メインの発光部とは別に、「 サブ発光部 」 が搭載されています。写真0写真1を見てください。ストロボ本体前面にある乳白部分、これが 「 サブ発光部 」 です。サブ発光とはいっても、ガイドナンバー 12 の立派なストロボです。つまり、Di866 MARK II は、2つの発光部を持つストロボということで、言い換えれば Di866 MARK II なら1台で多灯撮影ができるということになるわけです。

▼写真1 サブ発光部
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Di866 MARK II 本体の前面にあるサブ発光部。メイン発光部と同時に発光させ、補助光として使える。メイン発光部に角度をつけてバウンス発光させ、サブ発光部をアクセントライトとして使えば、1台で多灯撮影ができる。
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▼図1 サブフラッシュの使い方
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メイン発光部に角度をつけて、ストロボ光を天井や壁などにバウンスさせる。メインフラッシュ光を天井バウンスさせると、被写体の影が床に落ち、被写体のフェイスが暗くなりがちだが、正面照射するサブフラッシュ光でこれらを回避する。 ( 写真を Click で拡大 )
 

 


■ レフもライトボックスも使わずに撮ってみる
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● サブフラッシュを使って撮る

   論より証拠ということで、カメラ ( Nikon D7000 ) とストロボ ( Di866 MARK II ) ( 写真2 ) だけを用意して、車のミニチュアを撮ってみました。補助光は一切ありません。レフ板はもちろん、ライトボックスも用意していません。

 まずはサブフラッシュを使わずにストロボの正面照射で一枚。( 写真3上 ) 当然ですが、ダメダメな写真になりました。画面下部が暗くなっているのは、今回使ったレンズ ( Tokina AT-X 165 PRO DX ) でストロボの光がケラれているからです。

 次にこれもサブフラッシュは使わずにストロボを天井に向けて発光する 「 天井バウンス 」 を試してみました。( 写真3下写真3上よりはキレイに撮れていますが、天井に反射したストロボ光による被写体の影が下にくっきりと落ち、さらに被写体のフェイスが暗くなっています。当然といえば当然ですね。

 それでは Di866 MARK II のサブフラッシュをオンにして撮ってみましょう。メインフラッシュは天井バウンスのまま、サブフラッシュを手動で設定して撮った結果が写真4です。天井バウンスによってできた被写体の影が薄くなり、さらに被写体のフェイスが明るくなっているのがわかるでしょう。

▼写真4 サブフラッシュを使って撮ると…
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Di866 MARK II は TTL モードに設定して天井バウンス発光。サブフラッシュの光量は、天井バウンスによってできる被写体の影を消して、被写体のフェイスを明るくするだけでよいので、メインフラッシュよりも少し暗めになるように、テスト撮影しながら 1/32 に設定。
( 写真を Click で拡大 )


▼写真2 今回使う機材はこれだけ
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本講座でおなじみ Nikon D7000 と、Di866 MARK II だけで車のミニチュアを撮ってみる。レフ板はもちろん、ライトボックスも使わない。
( 写真を Click で拡大 )

▼写真3 ストロボ一灯の正面照射と
天井バウンス
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Nikon D7000 に Di866 MARK II を装着して、レフや補助光を一切使わずに撮影した写真。上はストロボを正面照射したもので、下は天井にバウンス発光させて撮ったもの。いずれもストロボは TTL 発光。 ( 写真を Click で拡大 )
   
■ サブフラッシュの設定方法
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● TTL でもマニュアルでも使える

   Di866 MARK II のサブ発光部を使えるようにするには、ストロボ本体背面にある操作パネルを使います。サブフラッシュが使えるモードは、 [ TTL ] と [ Manual ] 、および [ AV ] モードの3つで、それぞれのモード設定画面で個別に設定、記憶しておけます。

  サブフラッシュの設定画面では、光量を手動で設定します。( サブフラッシュ自体に TTL 機能はありません ) 光量の設定範囲は、1/1 〜1/128 で、8段階の設定ができます。フルパワーの 1/1 ではガイドナンバー 12 で、1/128 ではガイドナンバー1になります。

● スレーブストロボでも使える

   サブフラッシュは、本機をスレーブモードに設定しているときにも使えるので、2台の Di866 MARK II でサブフラッシュを設定すれば、4灯の多灯撮影ができることにもなります。

● メイン発光部を戻せばサブフラッシュがオフ

   サブフラッシュは、メイン発光部がバウンス状態 ( 角度を付けてある状態 ) のときに使えます。メイン発光部を正面照射の状態に戻すと、自動的にサブフラッシュがオフになります。

▼写真5 Di866 MARK II の設定 1
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Di866 MARK II のサブフラッシュの設定方法。
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▼写真6 Di866 MARK II の設定 2
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Di866 MARK II のサブフラッシュの設定方法。
( 写真を Click で拡大 )
   
■ 人物撮影にも役立つサブフラッシュ
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● キャッチライトに役立つサブフラッシュ

   本講座は物撮り講座ですが、Di866 MARK II のサブフラッシュ機能は、どちらかというと人物撮影に大変重宝します。物撮りと違い、感情を持ち、しかも動く被写体が対象の人物撮影では、スタジオでもない限り多灯撮影はとても大変です。ましてパーティ会場などでの撮影ともなると、ストロボは1灯が限界ですし、レフ板などを使っている暇はありません。人物の場合、ストロボの正面照射は基本的に御法度ですし、天井や壁バウンスとなると、会場の雰囲気は演出できますが、人物の顔が暗くなり、瞳にキャッチライトが入りにくくなります。そんなとき、この Di866 MARK II のサブフラッシュが役に立つはずです。

 メインフラッシュは天井や壁バウンスに設定し、キャッチライトパネル ( 写真9 ) を引き出しておきます。モードは TTL でサブフラッシュを設定し、光量は顔が白く飛ばない程度にします。こうして撮影したのが写真8です。

▼写真9 キャッチライトパネル
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■ キャッチライトパネル バウンス発光時に引き出して使うと、パネルへの光の反射で被写体のフェイスを明るくし、人物の場合はキャッチライトを入れることができる。
( 写真を Click で拡大 )

   キャッチライトパネルはメインフラッシュの反射光ですので、サブフラッシュに比べて光が拡散して柔らかくなります。実際の現場では、まずキャッチライトパネルを試し、それでも光が足りないときにサブフラッシュを併用するとよいかもしれません。

▼写真7 人物写真でストロボ1灯の場合
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暗い室内での人物撮影の場合も、ストロボ1灯だけだと魅力的な写真になりにくい。正面照射 ( 上 ) では瞳にキャッチライトは入るが、平面的な絵面になってしまう。バウンス発光 ( 下 ) では、全体的な雰囲気は出てくるが、顔が多少暗くなり、人物の顔の方向によってはキャッチライトが入らなくなってしまう。
( 写真を Click で拡大 )

▼写真8 サブフラッシュでキャッチライト
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メインフラッシュを天井バウンスで、サブフラッシュを弱めに使うと、場所の雰囲気を保ちながら人物の顔を明るく、そして瞳にキャッチライトを入れられる。 ( 写真を Click で拡大 )
 



■ 次回予告
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● まだまだ続く Di866 MARK II 使い倒し企画

   Di866 MARK II は大変多機能なストロボです。本講座の第8回までは、汎用的なストロボを対象に、物撮りのテクニックを紹介してきましたが、第9回以降は、Di866 MARK II の機能に焦点をあてた使い倒し企画でしばらく連載していく予定です。次回も Di866 MARK II ならではの機能を取り上げる予定です。お楽しみに。



■ 協力企業 ■
ニッシンデジタル
ケンコー・トキナー


■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
薮田織也事務所
 

 

 
 
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初出:2012/09/20 このページのトップへ
 
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