萩原和幸の旅スナップ ~ Trip-Snap
第19回 静岡を行く<前編>
TOPIX
坂の街を旅しながらのスナップをお届けしている「 萩原和幸の旅スナップ~ Trip-Snap 」。第 19 回目は「 静岡は浜松 」からお届けします。今回の旅に萩原氏がお供に選んだレンズは、FiRIN 20mm F2 FE MF と AT-X 24-70mm F2.8 PRO FX の2本。それではお楽しみください。 by 編集部 |
今回の「 萩原和幸の旅スナップ 」は、静岡県西部。実はこの連載、次回が最終回! つまりこの連載最後の旅なのです、この旅が。で、現在、某公営放送では、井伊直虎を主人公にした大河ドラマ放映中。舞台は現在の井伊谷。つまり浜松市及びその周辺。静岡出身の私ですが、意外と西部には縁遠い。そこでこれを機会に静岡県西部に足を伸ばして見ることにいたしました。
今回のお供機材は、トキナーの「 FiRIN 20mm F2 FE MF 」+ SONY α7R II。今回はこのレンズ1本で勝負!……と言いたいところだけど、20mm という超広角での画像ばかりになってしまっては、まとまりがつかなくなるとも考え……、同じくトキナーの AT-X 24-70mm F2.8 PRO FX を Canon EOS 5D mark III に装着して持っていくことに。でもメインはあくまでも「 FiRIN 20mm F2 FE MF 」+ SONY α7R II で。
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![]() ■ メーカーサイト ■ FiRIN 20mm F2 FE MF |
![]() ■ メーカーサイト ■ AT-X 24-70 F2.8 PRO FX |
東から向かうので、まずは東海道筋を、と金谷あたりを寄り道。金谷といえば大井川鐵道の機関車でしょ! とも思ったのだが、今回は徹底して歴史的な切り口で。金谷には旧東海道の石畳を敷いた坂道が残されていて、そこをメインに、牧之原をてくてく。

さすが牧之原台地! お茶畑が一面に広がる。段々としたラインが美しいねえ
Canon EOS 5D mark III + Tokina AT-X 24-70mm F2.8 PRO FX
70mm 絞り優先 AE( f14 1/30 秒 ) -0.3EV 補正 ISO:200 AWB RAW
旧東海道の金谷宿と日坂宿の間にある、金谷坂の石畳。東海道制定の頃、山道がぬかるむのを幕府が敷石を敷くことを命じ、助郷たちによって金谷宿から牧之原に到るまでの道に山石を並べたそう。現在は 611m もの間に再現。当時の往来はすごかったんだろうねえ。こうした事業によって、当時の流通を支えていたんでしょう。

坂の途中には「 すべらず地蔵 」。急な坂を通っての旅だから、こうした地蔵尊も大切にされていたんだねえ
Sony α7RⅡ + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF
絞り優先 AE( f8 1/30 秒 ) +0.3EV 補正 ISO:500 AWB RAW

で、現在はというと、そのネーミングから受験の神としても崇められている
Sony α7RⅡ + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF
絞り優先 AE( f2 1/50 秒 ) +0.7EV 補正 ISO:100 AWB RAW

足元を見ると、当時の石が。長い年月、多くの旅人の足を支えたのでしょう
Sony α7RⅡ + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF
絞り優先 AE( f2.5 1/30 秒 ) -1.3EV 補正 ISO:160 AWB RAW

これは庚申堂にある三猿。「 見ざる聞かざる言わざる 」……長い年月ですっかりと顔は見えなくなってしまっているけど、この三猿は、ここを訪れる人たちにいつも話しかけてきたんだと思う。ネット時代の現在だからこそ、この三猿は大切!
Sony α7RⅡ + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF
絞り優先 AE( f2.5 1/80 秒 ) -0.3EV 補正 ISO:100 AWB RAW
金谷を後にして、掛川に向かう。掛川といえば掛川城。日本初の本格木造天守閣として、平成6年に復元された三層四階の天守閣を持つお城だ。ドラマの中では直接掛川城が登場しないが、今川義元の館がある駿府( 静岡市 )に向かうには掛川を通ることになるし、主要なポイントなわけ。

天守閣を仰ぐ。天守閣が設置されたのは豊臣時代、山内一豊が入場してから。だから直虎の時代には、掛川城には天守閣もなく、まだこの地ではない「 掛川古城 」だったか。いずれにせよ、こうしたお城が大好き! 名古屋城も木造にするみたいだが、できるといいねえ
Sony α7RⅡ + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF
絞り優先 AE( f8 1/2500 秒 ) -2.0EV 補正 ISO:100 AWB RAW
天守閣横にある御殿に移動。御殿は儀式や式典、藩主の公邸、役所の3つの機能を持ち合わせた施設。建築は江戸時代後期で、城郭御殿としては全国に4つしか残っていない貴重な建物。

書院作りの建築方法で、中には畳が敷き詰められた部屋部屋が連なっている
Canon EOS 5D mark III + Tokina AT-X 24-70mm F2.8 PRO FX
70mm 絞り優先 AE( f4.0 1/640 秒 )
ISO:200 AWB RAW

畳に落ちる日差しが、なんとも歴史気分を駆り立てる
Sony α7RⅡ + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF
絞り優先 AE( f8 1/40 秒 ) -1.7EV 補正 ISO:100 AWB RAW

空と外観を。「 トキナーブルー 」がチラリ。歴史的建築物と青空って、好きな組み合わせ
Canon EOS 5D mark III + Tokina AT-X 24-70mm F2.8 PRO FX
52mm 絞り優先 AE( f10 1/200 秒 ) -0.7補正 ISO:200 WB:太陽光 RAW

池( 本当は三日月堀と呼ばれるお堀だったんだけど、現在は池になっている )に映るお城がロマンチック。でも風が出て水面を揺らしてしまう
Canon EOS 5D mark III + Tokina AT-X 24-70mm F2.8 PRO FX
24mm 絞り優先 AE( f11 1/100 秒 ) -2.0EV 補正 ISO:100 AWB RAW

何かの供養なのか、それとも単なる忘れ物か……。掛川城内の池のほとりに置かれた子供の下駄が、なんとも切なげで
Sony α7RⅡ + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF
絞り優先 AE( f2 1/200 秒 ) +0.3EV 補正 ISO:100 AWB RAW
隣接する淡山翁記念報徳図書館に、夕日が差し込む。昭和2年に建てられた、鉄筋コンクリート作りの図書館。もう何度も何度も夕日を浴びてきたはずなんだろうけど、きっと次の日の朝を迎えた喜びを、毎朝感じていたに違いない。歴史的建築物が次々取り壊されていく昨今、ついそんなことを思ってしまう。

Canon EOS 5D mark III + Tokina AT-X 24-70mm F2.8 PRO FX
70mm 絞り優先 AE( f6.3 1/5000 秒 ) -1.0補正 ISO:200 WB:太陽光 RAW

Canon EOS 5D mark III + Tokina AT-X 24-70mm F2.8 PRO FX
70mm 絞り優先 AE( f8.0 1/400 秒 ) -1.0補正 ISO:200 WB:太陽光 RAW

もうすぐ日が暮れる。城に落ちる夕日は、掛川ではきっとシンボリックな光景なんだろうね
Canon EOS 5D mark III + Tokina AT-X 24-70mm F2.8 PRO FX
24mm 絞り優先 AE( f5.0 1/8000 秒 ) -1.7補正 ISO:200 WB:太陽光 RAW
宿に戻り、夕食。
今回はここまで。次回はいよいよ井伊谷へ! 「 井伊直虎 」感たっぷりのぶらぶらカットをご紹介しいたします。乞うご期待!
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萩原 和幸