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萩原和幸の旅スナップ ~ Trip-Snap
第18回 京都を行く<後編>


モデル:秋葉七海 写真と文:萩原 和幸


TOPIX

坂の街を旅しながらのスナップをお届けしている「 萩原和幸の旅スナップ~ Trip-Snap 」。第 18 回目は前回同様「 京都 」からお届けします。京都の旅に萩原氏がお供に選んだレンズは、FiRIN 20mm F2 FE MF と SAMYANG XP 85mm F1.2 の2本。それではお楽しみください。  by 編集部

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今回の「 萩原和幸の旅スナップ 」は、前回に引き続き京都。前回に登場していただいたヒロインゆうりさんとの撮影を終えて私は一人大阪・難波へ。NMB48 の公演に感動し、満たされた1日だったなあと、京の夜を過ごしましてねえ。出発前に少しだけ散歩。そのあと今回のもう一人のヒロインとの待ち合わせ場所に向かいました。

 機材は前回同様、キヤノン EOS 5D Mark III にトキナーが販売する SAMYANG の新しいレンズ「 XP 85mm F1.2 」と、もう1本、これはトキナーの新製品「 FiRIN 20mm F2 FE MF 」をソニー α7 II に装着。この2つの組み合わせはポートレート撮影と、メリハリの効いた画角構成に期待して。

「 XP 85mm F1.2 」は 5000 万画素と 8K 動画にも耐えうる最新クオリティレンズ。F1.2 という明るさも魅力。「 FiRIN 20mm F2 FE MF 」はケンコー・トキナーが新たに立ち上げたシリーズ第一弾レンズで、ソニー FE マウントに対応した MF レンズ。動画も意識した操作性とフォルムがまたいい。新シリーズの第一弾が広角 20mm ってところがトキナーらしい。

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FiRIN 20mm F2 FE MF
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XP 85mm F1.2
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XP 85mm F1.2

本稿公開は春になっちゃったけど、使っている写真の撮影は昨年の 12 月末。秋の名残を感じながら、待ち合わせ場所へと向かう。

Canon  EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2  絞り優先 AE( f5.6 1/30 秒 )-2.7EV 補正 ISO:400 WB:曇り RAW

Canon EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2
絞り優先 AE( f5.6 1/30 秒 )-2.7EV 補正 ISO:400 WB:曇り RAW

待ち合わせの場所へ。

本日のヒロインが小走りで駆け寄ってきてくれた。そう、本日のヒロインは本連載の第 16 回に登場してくれた「 なみ 」こと秋葉七海さん。神戸の旅で登場してくれたなみ嬢が、ここ京都にも来てくれました! 彼女の撮影は土砂降りだったからねえ、今度こそリベンジを! と、彼女から申し出てくれました。多謝!

Canon  EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2  絞り優先 AE( f2.2 1/250 秒 )+1.3EV 補正 ISO:200 AWB RAW

Canon EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2
絞り優先 AE( f2.2 1/250 秒 )+1.3EV 補正 ISO:200 AWB RAW

ということで、電車に乗り込み嵐山に向かう。天気は薄曇り。京都の観光シーズンとしては季節外れなので、観光客は少ないだろうと思いきや、すっごい人・人・人! 外国の方々がほとんどなんだけど、京都って本当にすごい。

電車内での気軽なスナップには FiRIN 20mm F2 FE MF F2FE MF の 20mm という画角は合っている。車内の雰囲気も、車外の様子も、どちらも撮影できていい  Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF  絞り優先 AE( f2 1/50 秒 )+2.3EV 補正 ISO:200 AWB RAW

電車内での気軽なスナップには FiRIN 20mm F2 FE MF F2FE MF の 20mm という画角は合っている。車内の雰囲気も、車外の様子も、どちらも撮影できていい
Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF
絞り優先 AE( f2 1/50 秒 )+2.3EV 補正 ISO:200 AWB RAW

渡月橋を渡りながら、くだらない話を。リラックスしている彼女を、広く捉える 20mm で撮影。スナップには 28mm 程度の広角が使いやすが、思い切って 20mm の画角も楽しい  Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF  絞り優先 AE( f2 1/1000 秒 )+2.0EV 補正 ISO:200 AWB RAW

渡月橋を渡りながら、くだらない話を。リラックスしている彼女を、広く捉える 20mm で撮影。スナップには 28mm 程度の広角が使いやすが、思い切って 20mm の画角も楽しい
Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF
絞り優先 AE( f2 1/1000 秒 )+2.0EV 補正 ISO:200 AWB RAW

嵐山での目的はただ一つ、「 竹林の道 」。ベタなんだけどね、すらっと伸びる竹と女性を広角で一緒に撮りたかったわけ。で、行ってみたのですけど、前述通り、人・人・人!で、どこにカメラを振ってもファインダーに入っちゃう。こういうときは中望遠くらいのレンズで背景を狭くすればいいんだけど、どうしても 20mm で収めたい!

二人で周りを伺いながら、今だ! と急いで数枚シャッターを切る……なんて感じでしばし撮影。でもこれがコミュニケーションなわけです。明確な目的があって、それに向けて呼吸を合わせる。ましてや FiRIN 20mm には AF はない。パパッとピント合わせできるわけではないけど、シャッターを切るまでにキチンと過程を踏んで、的確に一枚を狙う。その研ぎ澄まされた感をお互いに共有できると、その撮影自体が盛り上がる、というものです。

竹林に覆われた感じで。竹は見上げる雰囲気がよく似合う  Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF  絞り優先 AE( f2 1/160 秒 )+1.3EV 補正 ISO:800 AWB RAW

竹林に覆われた感じで。竹は見上げる雰囲気がよく似合う
Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF
絞り優先 AE( f2 1/160 秒 )+1.3EV 補正 ISO:800 AWB RAW

FiRIN 20mm F2 FE MF はボケがとてもナチュラルで綺麗。竹林を広く捉えながらも優しいボケに包まれて、竹林の青さ含む空気感の中、七海さんが浮き上がって見えてくる  Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF  絞り優先 AE( f2.0 1/40 秒 )+1.3EV 補正 ISO:800 AWB RAW

FiRIN 20mm F2 FE MF はボケがとてもナチュラルで綺麗。竹林を広く捉えながらも優しいボケに包まれて、竹林の青さ含む空気感の中、七海さんが浮き上がって見えてくる
Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF
絞り優先 AE( f2.0 1/40 秒 )+1.3EV 補正 ISO:800 AWB RAW

次の目的地である祇園まではバスで揺られていくことに。

Canon  EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2  絞り優先 AE( f1.8 1/800 秒 )+0.7EV 補正 ISO:200 AWB RAW

Canon EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2
絞り優先 AE( f1.8 1/800 秒 )+0.7EV 補正 ISO:200 AWB RAW

でもちょっと先斗町をちら見。

Canon  EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2  絞り優先 AE( f2.2 1/125 秒 )+0.7EV 補正 ISO:200 AWB RAW

Canon EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2
絞り優先 AE( f2.2 1/125 秒 )+0.7EV 補正 ISO:200 AWB RAW

先斗町から祇園まで。合間にスナップを撮影。20mm という画角は広角ズームにおいてはスルーされているユーザーも多いだろう。でも使っていくほどに面白く思える画角だ。24mm よりも大胆な攻め方ができる。特に構図構成面ではカメラの振り方で入り方が大きく変わる。どのように撮りたいか、どこまで構図に入れたいのかをはっきりと意識してから構えるべき画角だ。

Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF  絞り優先 AE( f2.2 1/30 秒 )+1.3EV 補正 ISO:800 AWB RAW

Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF
絞り優先 AE( f2.2 1/30 秒 )+1.3EV 補正 ISO:800 AWB RAW

Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF  絞り優先 AE( f7.1 1/200 秒 )+1.0EV 補正 ISO:800 AWB RAW

Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF
絞り優先 AE( f7.1 1/200 秒 )+1.0EV 補正 ISO:800 AWB RAW

FiRIN 20mm F2 FE MF は MF ということ関係しているが、大まかなイメージを最初に持って被写体にレンズを向けて、フォーカスの微調整はゆっくりと。ピントを合わせながら被写体に向かう様は一種の儀式みたいで、これまた面白いものだ。

祇園らしい街並みをできるだけ取り込みながら。七海さんには、ここに遊びに来ているそのままの感じで、とお願いする。でも祇園も多くの方々で賑わっているので、撮影ポイントを先に決めて、人が少なくなるのをじっくりと待ちながら「 はい、歩きましょう! 」なんて感じで撮影を進めた。

85mm のやや圧縮された背景に、周りがわかる程度の適度なボケ味は、風景とともに人物を撮るのには向いているなあと思う。短いレンズでも寄りならボケるけど、こうしたモデルとの距離を離しつつぼかすには、長い焦点距離の方が有利。85mm は人物を浮き上がらせつつ、背景を見せることができる。なるほど「 ポートレートレンズ 」な訳だ  Canon  EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2  絞り優先 AE( f2.5 1/320 秒 )-0.3EV 補正 ISO:800 AWB RAW

85mm のやや圧縮された背景に、周りがわかる程度の適度なボケ味は、風景とともに人物を撮るのには向いているなあと思う。短いレンズでも寄りならボケるけど、こうしたモデルとの距離を離しつつぼかすには、長い焦点距離の方が有利。85mm は人物を浮き上がらせつつ、背景を見せることができる。なるほど「 ポートレートレンズ 」な訳だ
Canon EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2
絞り優先 AE( f2.5 1/320 秒 )-0.3EV 補正 ISO:800 AWB RAW

Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF  絞り優先 AE( f7.1 1/30 秒 )+1.0EV 補正 ISO:800 AWB RAW

Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF
絞り優先 AE( f7.1 1/30 秒 )+1.0EV 補正 ISO:800 AWB RAW

そうだよね、こういう看板を立てることになるよね。でも景観を損ねないような立て札になっているところに、ユーモアを感じるねえ  Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF  絞り優先 AE( f5.0 1/500 秒 ) ISO:800 AWB RAW

そうだよね、こういう看板を立てることになるよね。でも景観を損ねないような立て札になっているところに、ユーモアを感じるねえ
Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF
絞り優先 AE( f5.0 1/500 秒 ) ISO:800 AWB RAW

こうしたカットって、広角レンズの醍醐味! α7 系ならウエストレベルでの撮影は容易。上からモニターを見てピントを合わせる……ハッセルブラッドを使っている僕には、自然な行為だ  Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF  絞り優先 AE( f5.0 1/100 秒 )ISO:800 WB:太陽光 RAW

こうしたカットって、広角レンズの醍醐味! α7 系ならウエストレベルでの撮影は容易。上からモニターを見てピントを合わせる……ハッセルブラッドを使っている僕には、自然な行為だ
Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF
絞り優先 AE( f5.0 1/100 秒 )ISO:800 WB:太陽光 RAW

撮影時は、まだ冬の始まり。わずかに残る秋感と冬の始まりを感じさせる日差しを探してみる。

Canon  EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2  絞り優先 AE( f3.2 1/80 秒 )ISO:800 AWB RAW

Canon EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2
絞り優先 AE( f3.2 1/80 秒 )ISO:800 AWB RAW

竹垣の雰囲気を残すために、f2.2 に絞ってボケをコントロール。なんでも大きくぼかすことが良いわけではない。大口径レンズのいいところの一つとして、ボケのコントロール幅を広く持てるところがある。どれくらいの絞りでどのくらいのボケを得られるのかを知っておくと、ボケの表現が面白くなる  Canon  EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2  絞り優先 AE( f2.2 1/160 秒 ) ISO:200 AWB RAW

竹垣の雰囲気を残すために、f2.2 に絞ってボケをコントロール。なんでも大きくぼかすことが良いわけではない。大口径レンズのいいところの一つとして、ボケのコントロール幅を広く持てるところがある。どれくらいの絞りでどのくらいのボケを得られるのかを知っておくと、ボケの表現が面白くなる
Canon EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2
絞り優先 AE( f2.2 1/160 秒 ) ISO:200 AWB RAW

立ち止まってもらい、「 THE・ポートレート 」を。開放 F1.2 のレンズだから、そもそもピント合わせは慎重になる。その分、お互いの呼吸を合わせてのシャッターで、いいカットに仕上がった時の嬉しさも倍増。

Canon  EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2  絞り優先 AE( f1.4 1/1250 秒 )+1.0EV 補正 ISO:200 AWB RAW

Canon EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2
絞り優先 AE( f1.4 1/1250 秒 )+1.0EV 補正 ISO:200 AWB RAW

彼女が不意に立ち止まって、何やら見つめていたので、さりげなくシャッターを切ってみた。夕日がうっすらと彼女を照らしていて、綺麗だった  Canon  EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2  絞り優先 AE( f3.2 1/320 秒 ) ISO:320 AWB RAW

彼女が不意に立ち止まって、何やら見つめていたので、さりげなくシャッターを切ってみた。夕日がうっすらと彼女を照らしていて、綺麗だった
Canon EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2
絞り優先 AE( f3.2 1/320 秒 ) ISO:320 AWB RAW

清水寺に向かう途中、八坂庚申堂に立ち寄る。カラフルな「 くくり猿 」が多くくくられていて圧倒される。

 

一つ欲望を我慢することで、願い事が叶うと言われる「 くくり猿 」。七海さんも早速。

どんな願い事を書いているのかなあ……  Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF  絞り優先 AE( f3.5 1/30 秒 )+1.7EV 補正 ISO:800 WB:太陽光 RAW

どんな願い事を書いているのかなあ……
Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF
絞り優先 AE( f3.5 1/30 秒 )+1.7EV 補正 ISO:800 WB:太陽光 RAW

くくりつけています。くくり猿の「 猿 」は、人間の中にある欲望に喩えられていて、その欲望が動かないように、庚申さんによってくくりつけられているそう

くくりつけています。くくり猿の「 猿 」は、人間の中にある欲望に喩えられていて、その欲望が動かないように、庚申さんによってくくりつけられているそう

欲を一つ我慢して、くくり猿に願い事を託す。努力の際に妨げとなる欲望を抑えてもらい、叶いごとに邁進できるようにするのだそうです。七海さんの目標は何だったの? 聞かずに立ち去ることに

欲を一つ我慢して、くくり猿に願い事を託す。努力の際に妨げとなる欲望を抑えてもらい、叶いごとに邁進できるようにするのだそうです。七海さんの目標は何だったの? 聞かずに立ち去ることに

夜の帳が降り始める頃。二年坂・三年坂と。

せっかく来たのだから、といかにも観光っぽいカットで(笑)  Canon  EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2  絞り優先 AE( f4.5 1/80 秒 ) ISO:800 AWB RAW

せっかく来たのだから、といかにも観光っぽいカットで(笑)
Canon EOS 5D Mark III + SAMYANG XP 85mm F1.2
絞り優先 AE( f4.5 1/80 秒 ) ISO:800 AWB RAW

歩いたしねえ、ちょっと休憩

歩いたしねえ、ちょっと休憩

いよいよ日も暮れてきた。今回の京都ぶらぶらも終わりに。手持ちでは限界だな、というシャッタースピードだけど、どうしても撮りたくなった。眼下に広がる京の街はきれいでした  Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF  絞り優先 AE( f5.6 1/10 秒 )+1.0EV 補正 ISO:1000 WB:太陽光 RAW

いよいよ日も暮れてきた。今回の京都ぶらぶらも終わりに。手持ちでは限界だな、というシャッタースピードだけど、どうしても撮りたくなった。眼下に広がる京の街はきれいでした
Sony α7 II + Tokina FiRIN 20mm F2 FE MF
絞り優先 AE( f5.6 1/10 秒 )+1.0EV 補正 ISO:1000 WB:太陽光 RAW

撮影の頃は初冬でしたが、今はもう春。春の京都でも撮りたいなあ。やっぱり桜かしらね。お二人のモデルさんにご登場いただいた、贅沢な撮影でした。ありがとうございました! 85mm と 20mm、極端な組み合わせだったけど、視点が変わって面白いね。

さて、次回はどこにいこうか。春爛漫の場所に出かけることにしよう!

● 萩原和幸のスナップワンポイント ●

MF レンズのピント合わせ
今回は、85mm・20mm 共に MF レンズを使った。昔は当たり前だったマニュアルのピント合わせが AF になって、MF を手間として捉える人もいるだろう。しかし、MF は操作感、特に写真を撮っている実感を味あわせてくれるし、これはこれで楽しいものだ。MF のピント合わせのポイントは距離感。重なる被写体と実寸でどれくらい離れているかを気にしながら撮影することだ。常にピントリングを動かして、大体の距離にアタリをつけておくと、素早いピント合わせができる。写真を撮る上で、被写体との距離を体感し続けることは、実際、写真の仕上がりや表現にも直結する。実際の空気感・温度や息遣いなど、その距離でしか感じられないものはたくさんある。では実際に何センチ何メートルの距離なのかを、撮影者は知っておくべきだ。その場を伝える代表者として。その点では数値としての距離を意識し続ける MF レンズは、ポートレートにこそ必要なレンズかもしれない。

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著者について
■ 萩原 和幸 (はぎわら かずゆき) 写真家 ■   1969年 静岡県出身。東京工芸大学写真技術科卒業、静岡大学人文学部法学科卒業。 写真家・故今井友一氏師事。独立後、K&S Photograph∞を設立。 フリーランスのフォトグラファーとして雑誌での撮影・執筆や広告撮影などで活動中。公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員。静岡デザイン専門学校非常勤講師。