萩原和幸の旅スナップ ~ Trip-Snap
第17回 京都を行く<前編>
TOPIX
坂の街を旅しながらのスナップをお届けしている「 萩原和幸の旅スナップ~ Trip-Snap 」。第 17 回目は「 京都 」からお届けします。京都の旅に萩原氏がお供に選んだレンズは、FiRIN 20mm F2 FE MF と SAMYANG XP 85mm F1.2 の2本。今回も前回に引き続きスナップポートレートでお届けします。それではお楽しみください。 by 編集部 |
今回の「 萩原和幸の旅スナップ 」は、京都。坂の街をテーマにしているこの連載、やはり京都は外せないでしょう! と、言いたいところだが、実は別の理由があっての関西方面なんだけどね。まあ、それは後ほど申すとして、今回は京都。
京都にあれこれ説明は不要だろう。これまで京都へは過去かなり旅したし、いつも行き当たりばったりのひとり旅がほとんど。そこで、今回は京都への趣向を変え、この連載に華を添えてくださるお二人に、半日づつご一緒いただくことにした。感謝! 感謝! と、いうことで、お供の機材もせっかくなのでポートレート向けのものにしてみるか。
キヤノン EOS 5D MarkIII に SAMYANG から新たに発売されることになった「 XP 85mm F1.2 」をつけ、やはりトキナーから新発売となった「 FiRIN 20mm F2 FE MF 」をソニー α7 II につけてみた。
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■ メーカーサイト ■ FiRIN 20mm F2 FE MF |
■ メーカーサイト ■ XP 85mm F1.2 |
「 XP 85mm F1.2 」は 5000 万画素と 8K 動画にも耐えうる最新クオリティレンズ。F1.2 という明るさも魅力。日本ではケンコー・トキナーが扱う。「 FiRIN 20mm F2 FE MF 」はケンコートキナーが新たに立ち上げたシリーズ第一弾レンズで、ソニー FE マウントの MF レンズ。第一弾が 20mm ってところが広角レンズに定評のあるトキナーらしい選択でニヤッとしてしまう。マニュアルフォーカス超広角レンズとポートレートレンズ。自分でも滅多に組み合わせないだけに、ワクワクしながらの出発だ。
京都へは深夜バスで。このバスは慣れっこに。横浜を 23 時過ぎに出発し、京都へは翌朝6時頃到着。珍しくだるさを感じたので、京都タワー大浴場にてひとっ風呂。体を十分にほぐしてから市内に出発!
まずは二条城に向かったのだが、休館( 休城? )日。すぐに次の目的地である二条陣屋へ徒歩で向かう。
二条陣屋は予約制。拝観できる時間まで、すぐそばの神泉苑へ。実はここも初めて。神泉苑は、元は平安京大内裏に接して造営された禁苑( 天皇のための庭園 )。ここの池には善女龍王がお住みになっておられるそう。
う~ん、晴れた日にもう一度訪れたい! できれば雪が積もった冬の青空と共に撮りたい! しかし、ここはすごく惹かれたし、不思議と力をいただいたところだったなあ。
さて、予約時間が迫る二条陣屋へ……行ってみたら、全くの撮影禁止!だそうで。残念ながら、写真は無く。でも面白かった! 歴史好きにはオススメ。ボランティアの方の説明も丁寧で、とても楽しめた。一応、情報だけでも。
二条陣屋の Web( http://nijyojinya.net )
維持するのは大変でしょうし、広めてくださいとも仰ってましたしね。
13 時を回った頃、今回の旅スナップのお供をしてくださるお一人目の方、ゆうりさんと待ち合わせの場所で。
まずは南禅寺へ。
天候はしとしとの小雨。南禅寺で撮りたいと考えていたところは水道橋。今や京都を代表する風景だしね。ということで、水道橋を大きく構図に取り入れながら、20mm でスナップポートレートをば。平日とはいえ、さすがは南禅寺、観光客の方々は絶えない。20mm の範囲を意識しながら、ススッとテンポよくシャッターを切っていく。FiRIN 20mm F2 FE MF はマニュアルなので、先に構図のみ決めておき、フォーカスアシストで、ゆうりさんのピントだけを意識。
20mm って画角は、ポートレートでも楽しい。広い範囲で周囲を拾えることを、贅沢と考えれば、20mmはその贅沢な空間をいかに使うか、という面白さに満ちている。このレンズ、本当に歪みが少ないので、遠近感の誇張にも良し。パンチの効いた画になりながらも、自然とハマって写る。クセになる画角だなあ。
マニュアルフォーカスってのもいい。別に急ぐ場面でなければ、丁寧にピントを合わせる儀式も、撮影のテンポの「 間 」になる。角形のフードがまたレトロっぽくていいんだなあ。
20mm とはいえ、さすがに開放値F2は背景がよくボケる。どアップなら確かに広角だってよくボケる。でもそこまで寄ってなくてもボケが十分に見られる。誇張された距離感の中でのボケという独特の世界も味わえる。
私の次の予定の関係で、とりあえず四条河原町まで。
先斗町をぶらっとしながら、八坂神社まで歩くことにした。
京都のことを色々と教えてもらいながら歩く。僕のような観光客と、ゆうりさんのようにここを生活圏としている方とは、京都の見え方は絶対に違う。ましてや大学生のゆうりさんが見ている京都の視点は、僕が考えもしないものだろうし。へえ~と思うことがたくさんある。ゆうりさんはポートレートの舞台として京都というロケーションを使うのだとか。このとこに強く興味を抱かせていただいた。ブラブラして、寺社仏閣見て歴史に触れて、うまい酒を飲む……というお決まりからちょっと角度を変えてみようかな、と。
鴨川を横切る時に、ほんのわずかだけど日が差した。
西楼門をくぐると、まだ紅葉の名残が。夕日に照らされて、より赤の鮮やかさを増しながら輝く。立ち止まって眺めるゆうりさんを、雰囲気丸ごと 20mm で切り取る。
本殿でお参りすると、次の予定の時間ギリギリに。
河原町の駅まで、またお付き合いいただいた。
鴨川におりて、お別れの時間に。
「 XP 85mm F1.2 」の綺麗なボケ。さすがに開放では被写界深度は浅いが、MF なので否応なしに丁寧になる。でも明るいのでピントは合わせやすい。F1.2 なのでレンズはかなりい大きくなるが、ピントリングのラバーが指によくなじみ、心地よくピント合わせをアシストしてくれた。
短い時間でしたが、本当に感謝!
お話が楽しく、会話の節々に知性を感じた。
撮るのも撮られるのも大好きというゆうりさん。次は着物着て京都で、と約束。
次の日もがんばってくださいね!とお言葉を頂戴する。
こちらこそです! 写真、たくさん楽しんでくださいね!
さてさて、僕はこの後どこに向かったか……。実はここでした。
どうしても見ておきたかった team M の公演! 取材中に自分の趣味? いいんです! この取材は自腹で来てますから! 誤解なきよう、宜しくお願いしますね(笑)
劇場内の公演後の写真は、ここでは掲載できず。ごめんなさいねえ。公演に感動し、ウルウルしちゃったよ。Mの皆さん、藤江れいなさん、ありがとね! すごく良かったよ! ( 現在は新チームになっております )
今日はたくさんの方々に元気を頂いたなあ。
早く京都に戻って、明日に備えることにしよう。
次回予告! 翌日はもう一人のモデルさんが登場! 同じく京都を舞台にブラブラスナップポートレートをたくさん紹介します! お楽しみに!
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■ メーカーサイト ■ FiRIN 20mm F2 FE MF |
■ メーカーサイト ■ XP 85mm F1.2 |
■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
萩原 和幸
■ モデル ■
ゆうり( @yuri_ebs )