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  ■簡単に肌だけ選んでツルツルにするには
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●範囲選択なんてしたくない!

 女性の肌をツルツルにするテクニックは、 「 写真レタッチ講座 」 の 「 部分的にレタッチするコツ 」 (第3回第4回)で取り上げましたが、 「 選択範囲が面倒だ 」 という声も少なくありません。もっと手軽に肌だけツルツルにできないものでしょうか?

 ここでは、[ レイヤースタイル ] の [ レイヤー効果 ] にある [ ブレンド ] という機能を使って、肌だけを簡単に抽出し、ツルツルにするテクニックを紹介します。

●レタッチ操作の流れ

 ここでは、以下の機能を使って補正します。

  [ レイヤー ] を複製する
  [ レイヤースタイル ] - [ レイヤー効果 ]
[ ブレンド ]
  [ 消しゴムツール ]
  [ フィルタ ] - [ ぼかし(ガウス) ]
  [ 描画モード ] を [ 比較(明) ]

 レタッチの流れは、以下の通りです。
あらかじめ、 サンプル画像をダウンロードしておいてください。

1.
サンプル画像を開き、「背景」レイヤーを編集可能にします
2.
「背景」レイヤーを複製します
3.
複製したレイヤーに [ レイヤー効果 ] をかけます
4.
[ ブレンド条件 ] の [ レッド ] チャンネルを使って肌だけ抽出します
5.
[ レイヤー効果 ] を確認します
6.
[ 消しゴムツール ] で不要な部分を消します
7.
[ ぼかし(ガウス) ] フィルタで画像をぼかします
8.
元のレイヤーを表示して、ぼかしの効果を確かめます
9.
[ 描画モード ] を [ 比較(明) ] にして完成です

●ポイント1 −  [ ブレンド条件 ] 1

 このレタッチでキーになっているのは、 [ レイヤー効果 ] の [ ブレンド条件 ] です。

 [ レイヤー効果 ] とは、レイヤーにドロップシャドウ、光彩、ベベル、エンボス、オーバーレイ、境界線といった、さまざまな効果を使用して、レイヤーに収められている画像やテキストの外観を変更できる機能です。これらの効果は、いつでもオン・オフできるのでとても便利です。

 [ レイヤー効果 ] の中にある [ ブレンド条件 ] とは、重なったレイヤーの表示方法を、チャンネル(カラー情報チャンネルのみ)を使って指定する機能です。たとえば、画面4で操作しているように、アクティブレイヤー(今、選択しているレイヤー)のレッドチャンネルの情報に基づき、シャドウ寄りの情報を除外して、下のレイヤーと合成表示するといったことができます。その際に、合成される画像の描画部分と非描画部分が滑らかに接合されるようにもできます。

●ポイント2 −  [ ブレンド条件 ] 2

 この、[ ブレンド条件 ] が、カラー情報チャンネルを使って色域指定できるという特徴を利用すれば、人物の肌だけを抽出できる、というわけです。 ここで、また画面4の操作 10 に注目してください。ここでの操作は、[ レッドチャンネル ] の256段階に分けられた階調の内、ハイライト寄りの 「 200〜255 」 までを残して、それ以外の階調を、徐々に不透明度を下げるように指定しています。このとき、シャドウに近い階調ほど不透明度が低く(つまり透明)なります。 ここで注意しなければならないことは、スライダの移動量が多いほど、本来は残しておきたい画素情報も透明化されてしまうということです。ただ、ある程度は不透明度を下げた方が、ツルツルさ加減の仕上がりがより自然になると思います。もし、不自然でもいいのでもっとツルツルにしたいときは、画面4の操作10で、スライダの移動を少なくします。

画面10
[ ブレンド条件 ] のスライダを分割しないと、抽出した画像のエッジが滑らかにならない。

 

●ポイント3 − [ 消しゴムツール ]

 画面4で肌以外の画素情報の不透明度が下がったとはいえ、まったくの透明になったわけではありませんので、不要な部分は [ 消しゴムツール ] を使って消してしまいましょう。このとき、ぼかしのあるブラシを使って消すときれいに処理できます。また、目や口元など、ディテールをはっきりとさせたい場所も、小さめのブラシで消しておくとよいでしょう。

●ポイント4 − [ ぼかし(ガウス) ]

 肌のツルツル効果は、[ レイヤー効果 ] を設定したレイヤーに、[ ぼかし(ガウス) ] フィルタをかけることで処理します。Photoshop CS2 であれば、[ ぼかし(表面) ] フィルタも効果的です。また、 「 写真レタッチ講座 」 の 「 部分的にレタッチするコツ 」 (第3回第4回)のように、[ ダスト&スクラッチ ] フィルタでもよいでしょう。

●ポイント5 − [ 比較(明) ]

 最後の仕上げは、レイヤーの [ 描画モード ] の変更です。ここでは、[ 比較(明) ] という [ 描画モード ] を使います。 [ 比較(明) ] は、各チャンネル内のカラー情報に基づき、[ 基本色 ] または [ 合成色 ] のいずれか明るい方を結果色として選択します。 [ 合成色 ] よりも暗い画素が置き換えられ、[ 合成色 ] よりも明るい画素は変更されません
(参照:描画モード

 ここでは、[ 合成色 ] にあたるレイヤーに [ ぼかし(ガウス) ] をかけていますので、ほくろやシワなどがぼけて、以前より明るい画素になっています。これを [ 比較(明) ] で合成すると、[ 基本色 ] のほくろやシワなどの、暗い画素は [ 合成色 ] の明るいぼけた画素に置き換わり、結果、肌がツルツルに見えるようになります。

 [ 比較(明) ] と反対の効果がある [ 描画モード ] に、[ 比較(暗) ] があります。[ 比較(暗) ] を使うと、以下のような感じになります。

画面11
[ 比較(明) ] と [ 比較(暗) ] の比較

 

  レタッチ例 ★クリックで拡大  
▼例 クリックして拡大すると詳細がわかります
Clickで拡大
Before After
上の写真(Before)は、ダウンロードできます。
練習用の素材としてご利用ください。
ダウンロードする
IDとパスワードって?
Photo by Eikichi Hayashi
  操作1 ★クリックで拡大  
▼画面1 サンプル画像を開いて「背景」レイヤーをコピーする
Clickで拡大
▼画面2 編集可能になったレイヤーを複製する
Clickで拡大
▼画面3 複製したレイヤーに [ レイヤー効果 ] を設定する
Clickで拡大
▼画面4 レイヤー効果の [ ブレンド条件 ] を使って肌だけ抽出する
Clickで拡大
▼画面5 赤の明るい色調を持つ範囲以外が透明になった
Clickで拡大
▼画面6 [ 消しゴムツール ] で不要な部分を消す
Clickで拡大
▼画面7 [ ぼかし(ガウス) ] フィルタで画像をぼかす
Clickで拡大
▼画面8 元のレイヤーを表示して、ぼかしの効果を確かめる
Clickで拡大
▼画面9 [ 描画モード ] を [ 比較(明) ] にして完成
Clickで拡大

● 関連解説


初出:2006/03/29
文: 薮田織也
 
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