|
|
|
|
|
|
薮田織也のフォトショップ早わかり
Photoshop Tips & Manual |
|
|
|
|
|
|
|
|
■背景をリアルにぼかすには (Photohop
CS) |
|
|
|
|
●レタッチ操作の流れ
ここでは、以下の機能を使って補正します。
|
クイックマスクモードで編集 |
|
グラデーションの編集 |
|
グラデーションから選択範囲を作成 |
|
パスから選択範囲を作成する |
|
選択範囲 − 重なる部分を削除 |
|
選択範囲 − 選択範囲を保存 |
|
フィルタ − ぼかし(レンズ) |
レタッチの流れは、以下の通りです。
あらかじめ、 サンプル画像をダウンロードしておいてください。このサンプル画像には、人物の輪郭をトレースした「パス」が入っています。
今回は、人物の輪郭パスを利用してレタッチを紹介していきます。
|
サンプル画像を開き、[クイックマスクモード]に切り替えます。 |
|
[グラデーションエディタ]で、描画色から透明になるグラデーションを選びます。 |
|
画面の下部からグラデーションをひきます。 |
|
あらかじめ保存してあるパスをもとにして、選択範囲を作成します。 |
|
パスによって作成された選択範囲と、グラデーションで作成された選択範囲が重なる部分を削除して、新しい選択範囲を作成します。 |
|
新しくできた選択範囲に名前を付けて保存します。 |
|
保存した選択範囲を対象にして、[ぼかし(レンズ)]フィルタをかけます。 |
|
完成です。 |
●レタッチのポイント1 − [ぼかし(レンズ)]フィルタ
このレタッチでキーになっているのは、[ぼかし(レンズ)]フィルタです。このフィルタは、カメラのレンズが作り出す光学的なボケを演出してくれるフィルタです。画像をぼかすフィルタの代表的なものに、[ぼかし(ガウス)]フィルタがありますが、画像に奥行き感を出すために使うのなら、[ぼかし(レンズ)]フィルタが最適です。
[ぼかし(レンズ)]フィルタは、ボケさせる対象にアルファチャンネルを指定できるので、使い方によっては、奥に行くにしたがって徐々にボケが強くなるような演出ができます。つまり、カメラでいう、被写界深度を演出できるわけです。
●レタッチのポイント2 − メイン画像を範囲選択
ここでは、写真の背景だけをボケさせたいわけですから、人物以外を選択する必要があります。そのためには、ここで紹介するテクニックを操作する前に、あらかじめ人物だけを範囲選択しておく必要があります。ここでは、[ パス ] を使って人物の輪郭をトレースして、選択範囲に変換しています。サンプル画像には、あらかじめ作成された「輪郭」パスが含まれています。
[ パス ] でのトレースの方法は、[ ペンツール ] か、「写真レタッチ講座」の「第25回」を参照してください。
●レタッチのポイント3 − 選択範囲の一部削除
被写界深度によるボケを演出するためには、画像の手前から奥に行くにしたがって、徐々にボケが強くなるようにしなければなりません。そのためには、クイックマスクモードでグラデーションツールを使って、画像の一部をマスクします。画面3 こうしてできた選択範囲は、画像全体にかかっているため、ボケさせたくない人物までも含まれています。そこで、画面4と画面5のようにして、グラデーションで作られた選択範囲から、人物の輪郭から作られる選択範囲を削除して、背景だけを選択するようにします。
●選択範囲を保存する
画面6では、作成した背景だけの選択範囲を保存しています。保存した選択範囲は、[ぼかし(レンズ)]フィルタのダイアログボックスで、効果を適用する対象として指定します。
こうして保存された選択範囲は、[チャンネル]パレットに、アルファチャンネルとして存在します。
●[ぼかし(レンズ)]の各パラメータ
プレビュー・高速/精細
フィルタ効果の適用具合をプレビュー画面で、どのように表示するかを指定します。「精細」を選ぶと、よりきれいに表示されますが、プレビューに時間がかかります。「高速」はその逆です。
深度情報
「深度情報」にある「ソース」は、アルファチャンネルに保存された、どの情報に対して効果を適用させるのかを選ぶ場所です。
「ぼかしの焦点距離」は、「ソース」で指定したアルファチャンネルの色調グラデーションの値をもとにして、どの範囲をぼかすかを指定するものです。色調グラデーションの値は、0〜255で表され、例えば「ぼかしの焦点距離」に「100」を指定すると、1と255の値で表される部分は完全にボケますが、100に近い値で表される部分はそれほどボケません。この機能は、カメラのレンズによるボケ具合が、ピンとの合っている被写体を中心にして、前後でボケることを表現しようとしているものなのです。では、なにが0や1で、なにが255なのかと言いますと、このサンプルを例にとれば、クイックマスクモードで完全にマスクされている部分が0、まったくマスクされていない部分が255です。マスクがグラデーションによってかけられている場合は、マスクの不透明度が下がるたびに、1から徐々に254に近づいていくというわけです。わかりにくい場合は、プレビュー画像のどこかをクリックしてみてください。クリックした場所のアルファチャンネルの深度情報を読み取って、「ぼかしの焦点距離」のスライダが動き、焦点として設定されます。「ぼかしの焦点距離」に0を指定すると、ソースで指定したアルファチャンネルのマスクの通りにボケが適用されます。
このサンプルでは、「ぼかしの焦点距離」はあえて使っていません。
虹彩絞り
「形状」は、カメラのレンズにある絞り羽根の形状をシミュレートするものです。「半径」は、ボケの度合いを指定します。「絞りの円形度」は、「形状」の輪郭を滑らかにします。「回転」は、虹彩絞りの形状を回転させます。
スペキュラハイライト
スペキュラハイライトとは、光学的なボケを演出するための重要な要素で、画像の中のハイライト部分をどのように強調するかを指定するものです。「明るさ」のスライダを上げる(右に寄せる)と、画像の中のハイライト部分だけがさらに強調されて、より明るくなります。これに対して「しきい値」のスライダは、明るさを制限する値を設定できます。指定した値より明るいピクセルすべてが、ハイライトとして扱われることになります。「明るさ」と「しきい値」のスライダを上手に組み合わせることで、よりリアルなボケを演出できます。
ノイズ
実際の写真は、どんなにキレイに見えても、必ずノイズが存在します。ところが、Photoshopなどのフィルタで画像をぼかすと、このノイズが除去されてしまいます。よりリアルな写真に仕上げたい場合は、必ずこの「ノイズ」を使って、画像にノイズを加えてやります。画像の色に影響を与えずにノイズを追加するには、「グレースケールノイズ」を選択します。ノイズの量を調節するには、ノイズの量スライダをドラッグします。
|
▼例 |
フィルタを使って、背景をリアルにぼかしてみましょう |
|
|
|
▼画面1 |
サンプル画像を開き、クイックマスクモードに |
|
|
▼画面3 |
クイックマスクモードでグラデーションをひく |
|
|
|
●関連ティップス
[パス]
[クイックマスクモード]
[アルファチャンネル]
[選択範囲]
[グラデーション]
[パスから選択範囲を作成]
|
|
|
|
|
|
|
|
|