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| 〜 背景を段階的にぼかす 〜 |
2003/10/01 |
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写真レタッチの
テクニックを磨くなら |
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フォトショップの
小技を覚えるなら |
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■被写界深度って? |
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●背景がボケてるとなんかいいでしょ?
面倒な説明の前に、まずは画面1と画面2を比べてくださいな。どっちの佑紀ちゃんが魅力的に見えるでしょ〜か。この写真、人物には色調補正以外のレタッチを施していません。あっ、佑紀ちゃんを少しだけ大きく
リサイズ していますけどね。2つの写真の違いは、背景がボケているかいないかということだけです。女性のポートレートを撮るなら
「 絞りを開放にして背景をぼかす 」 ことが重要と 「 女性の撮りかた講座
」 で何度も書いてますけど、普通のデジタルカメラって、銀塩一眼レフに比べてあまりボケてくれないんですよね。
ところで、なぜ背景がボケる写真とそうでない写真があるんでしょうか。この理由はカメラの 「 被写界深度
」 という特性によるものです。Photoshop のテクニックを説明する前に、この 「 被写界深度
」 について簡単に説明しましょう。
●被写界深度はピントの深さ
「 被写界深度 」 とはピントの合う距離の範囲のことです。被写体にピントを合わせて撮影すると、被写体の前後にもピントの合う範囲がありますが、これが
「 被写界深度 」 です。ピントの合う範囲が広いほど 「 被写界深度 」 が深い、また逆を
「 被写界深度 」 が浅いと言います。 「 被写界深度 」 は、使用するレンズの 「 絞り値 」 と 「
焦点距離 」、「 カメラから被写体までの距離 」 によって変化します。
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被写界深度 |
| 深い |
浅い |
| 絞り値 |
絞る(大きく) |
開放(小さく) |
| 焦点距離 |
広角寄り |
望遠寄り |
| 撮影距離 |
被写体が遠い |
被写体が近い |
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絞り値を大きくする(絞り込む)ほど、 「 被写界深度 」 は深くなり、絞り値を小さくする ( 開放する
) ほど浅くなります。また、同じ絞り値を使ってもレンズが広角になるほど深く、望遠側になるほど浅くなります。
さらに、同じレンズで同じ絞り値でも、被写体が遠距離にあると深く、近距離にあるほど浅くなります。
なんだか写真レタッチ講座じゃなくて、「 女性の撮りかた講座
」 になってしまった感じですが、写真の基礎はレタッチテクニック向上に不可欠ですので、 「 被写界深度
」 についてもよく覚えておいてください。ついでに、「 被写界深度
」 は、ピントが合っている位置を中心にして、カメラ側へ1、奥側へ2の比率になっていることも頭の片隅に置いておいてくださいね。
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■ペンツールで人物を範囲選択 |
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●まずはおなじみの輪郭トレース
背景をぼかして 「 被写界深度 」 の浅い写真を作るには……、もうおわかりっすね。そうです、背景だけに [ ぼかしフィルタ ] をかければいいだけのことです。では背景だけに [ フィルタ ] をかけるには? これもわかりますよね。この講座で何度も書いてますが、人物だけをトレースして選択範囲を作り、別の
[ レイヤー ] にコピーしておき、「背景」 [ レイヤー ] だけに [ フィルタ ] をかければいいわけです。
それでは、この講座でもおなじみになった、 [ ペンツール ] を使って人物の輪郭をトレースして、
[ 選択範囲 ] に変換して別 [ レイヤー ] にコピーしてみましょう。から登場している輪郭のトレースです。画面3の要領でパッパとトレースしちゃってください。……ところでみなさん、この講座ではパスの描き方を簡単にしか紹介していませんが、
[ ペンツール ] をちゃんと使えてますか?難しいと感じている方はいませんか? もし、パスの描き方をもっと詳しく知りたいなら、「
第25回 ペンツールの使い方 」 を参照してください。
●パスに中マドを作る
画面4を見てください。トレースした輪郭には、腕と体の間に隙間がありますよね。こうしたパスはそのままではひとつのオブジェクトとして認識されません。画面4の場合は、3つのオブジェクトになっているわけです。こうしたパスから
[ 選択範囲 ] を作成しても、せっかく描いた隙間のパスは無視されてしまいます。それでは意味がないので、画面4では外側の輪郭のパスに対して、中にある隙間のパスで中マド(窓)を作っています。この操作をすると、複数のパスがひとつのオブジェクトとして認識されるようになり、隙間の部分も
[ 選択範囲 ] としてきちんと変換されます。
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■背景に [ ぼかし(ガウス) ] [ フィルタ ] をかける |
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●まず背景全体に弱くかける
人物だけを別 [ レイヤー ] にコピーできたら、まずは背景全体に軽く [ ぼかし(ガウス) ] [ フィルタ ] をかけてみましょう。 画面6では、一度背景
[ レイヤー ] をコピーしてから、その複製に [ フィルタ ] をかけています。こうすることで、後で失敗に気づいたときでも元の画像が残っているので安心です。また、 [ フィルタ ] をかけていない画像が必要になったときのためにも、「背景」 [ レイヤー ] はそのままにして残しておきましょう。
●全体にかけると平面的になる
画面7が背景にだけ [ ぼかし(ガウス) ] [ フィルタ ] をかけたものですが、元の写真に比べて奥行き感は出たとはいえ、まだまだいい感じではありませんね。というのも、写真の背景自体は実際に奥行きがあるのに、一律にぼかしをかけているのは不自然です。本当なら、奥に行けば行くほどぼかしが強くなるはずです。
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■段階的にぼかしをかける |
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| 画面9 |
[
クイックマスクモード ] で
グラデーションを使う
Clickで拡大 |
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| 画面10 |
グラデーションによる
[ 選択範囲 ] に [ ぼかし(ガウス) ] をかける Clickで拡大 |
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●完成をイメージする
さて、ここからが今回の肝になるテクニックの紹介です。でもその前に、背景を奥に行くほどぼかすにはどうしたらいいのかを自分で想像してみてください。
レタッチが上手くなるには、まずは完成をイメージできること。次に、その方法をイメージできることが重要です。Photoshop
はその手段を何通りも提供してくれますから、私がここで紹介している以外の自分なりのテクニックを探して、状況に応じて使い分けることができれば、もうあなたは一流のフォトショッパーです。
あああ、また講釈の癖が出てきたので、本題に戻りましょう。
●グラデーションでぼかす
奥に行くほどボケる背景を表現するには…。私の場合は [ グラデーションツール ] を考え付きました。詳しく書くと、グラデーションを使って範囲選択して、そのコピーに対して [ ぼかし(ガウス) ] [ フィルタ ] をかけ、元の画像と重ねて表示すれば、段階的にぼかしをかけることができる…、というわけです。
普通、グラデーションというと、たとえば白から黒へ滑らかに変化するといった、色のスケールが思い浮かぶと思います。この場合、グラデーションの開始点も終了点も「色」ですが、Photoshop
の [ グラデーションツール ] は、「色」以外のものを [ 色の分岐点 ] に指定できるのです。それは
[ 不透明度 ] です。つまり、透明からある色へ変化するグラデーションを描くことができるのです。これを
[ クイックマスクモード ] で使えば、選択する画像の情報量を徐々に変化させられる範囲選択ができるわけです。そうして選択した画像を別
[ レイヤー ] にコピーして、それに [ ぼかし(ガウス) ] [ フィルタ ] をかければ、ぼかしの度合いを徐々に変化させられるというわけです。
画面8で、まずグラデーションを作ります。ぼかしをかけたいサンプルの写真は、左側に壁、右側に柱があるので、画面8のような
[ 不透明度 ] 中央で 100 %、左右で 0 % になるグラデーションを作ります。こうして作ったグラデーションを、画面9のように
[ クイックマスクモード ] で使います。これを [ 選択範囲 ] に変えて、ぼかしをかけた「背景」
[ レイヤー ] から別 [ レイヤー ] にコピーすると、画面10の
c) のような [ レイヤー
] ができます。これに [ ぼかし(ガウス) ] [ フィルタ ] を、さっきよりも少し強くかけます。
画面9と画面10の手順を参考にして、幅を狭くしたもうひとつのコピーを作り、これに再度 [ ぼかし(ガウス) ] [ フィルタ ] を強くかければ、奥に行くほどボケ足が強くなる写真(画面11)の一丁あがりです。
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■仕上げは色調補正 |
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●人物を少しだけ大きく
画面11をよく見ると、佑紀ちゃんの背後に黒いボケがあります。これはぼかしをかけた「背景」
[ レイヤー ] の佑紀ちゃんの画像がボケて滲んでいるからですね。これはこれで味を出していると思えなくもないですが、「
被写界深度 」 の浅い写真がテーマだとすると、やっぱり不自然です。そこで、 [ レイヤーパレット ]
の最上段にある人物の画像を少し大きく拡大してあげましょう。(画面12) 人物を切り抜いていると、こうしたレタッチも簡単にできてしまいます。
●背景をアンダーに
人物を拡大したことで、背景から人物が浮き出て少しいい感じになりました。今度は背景だけをちょっとアンダー目に設定して、さらに人物を浮き出させてみましょう。(画面13) そのとき、
[ トーンカーブ ] の [ グリーンチャンネル ] を選んで、中間調を少し上げてやると、背景のグリーンの色が冴えてきます。
●手前もぼかそう
おっと、大変なことを忘れていました。ここまでできた写真をよく見ると、背景はかなりボケているのに、被写体の前方はまったくボケていません。これって、よく考えると変ですよね。ここで、冒頭で書いた、「
被写界深度は、ピントが合っている位置を中心にして、カメラ側へ1、奥側へ2の比率になっている 」 を思い出してください。つまり、ピント合ってる被写体の後方よりも、前方の方がもっとボケていなければおかしいということになります。
そこで、画面14の手順で最前面にあるテーブルと佑紀ちゃんの手までを強くぼかしてあげましょう。 これで滅茶苦茶に被写界深度の浅い写真の完成です。
それでは皆さん、次回までグッバイさよなら再見アディオス。ごきげんよ〜。
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