● CS5 までの [ パッチツール ]
Photoshop 7.0 から搭載された [ パッチツール ] は、今やレタッチャーにとって欠かせないツールのひとつです。しかし、CS5 までの [ パッチツール ] は、レタッチする部分によっては予期せぬ結果になることがあったため、決して万能なツールとは呼べませんでした。たとえば、画面1の草が生えている箇所のように、周囲と大きく色や階調の異なる部分に [ パッチツール ] を適用すると、画面3のようにピクセルが滲んでしまう現象がおきるのです。 これまでの [ パッチツール ] は、人物の肌にあるシミやホクロを取り除くときのように、周囲との階調が大きくことならない画像や、階調は大きく変化していても小さい画像の場合に威力を発揮していました。
● 強力になった [ パッチツール ]
CS6 で進化した新しい [ パッチツール ] には、CS4 から登場した [ コンテンツに応じる ] 機能が搭載されました。 [ コンテンツに応じる ] は、画像の内容を Photohop が自動で認識して、目的の編集に応じて画像を再構築してくれる機能です。この機能が [ パッチツール ] に搭載されたことで、CS5 までは苦手としていた大きく色や階調の異なる画像でも、パッチ ( つぎあて ) してくれるようになりました。
● ポイントは [ 適応 ] を使いこなすこと
アドビ システムズでは [ コンテンツに応じる ] を 「 魔法のツール 」 と呼んでいます。確かに、これまでに搭載されてきた 「 コンテンツに応じる 」 関連ツールは、それまでの編集作業を劇的に変化させてくれました。しかしそれでも万能ということではありません。扱う画像や部位、編集目的によっては、ツールの使い方を工夫する必要があります。この新しい [ パッチツール ] でも同じ。ポイントは [ オプションバー ] にある [ 適応 ] オプションを目的や画像の正確によって使い分けることです。また、一度の操作で完成させられるほど強力な 「 魔法ツール 」 ではありません。どちらかというと、部分的に使える小さな魔法なので、何回にも分けて使って完成に近づけるのがポイントです。 CS4 から徐々にいろいろなツールに搭載されてきている [ コンテンツに応じる ] 機能です。[ パッチツール ] 以外のツールと使い分けるのがコツでしょう。