画像A
JPEGの圧縮の最大の特長は、輝度情報(上)と色差情報(中/下)を分離し、人間の眼には識別しづらい色差情報(中/下)を間引いてデータ容量を減らすしくみです。
※ 『体系的に学ぶ デジタルカメラのしくみ』(日経BPソフトプレス刊)より |
画像B
Photoshop Elementsは画面上の画像をJPEGでもGIFでも保存することができます。では、どのような時にJPEGで保存し、どのような時にGIFで保存するのが適しているのでしょうか? |
画像C
ある画像をJPEGの画質「12」で保存するとファイルの容量サイズは約2652KBとなります。では画質「0」で保存すると… |
画像D
同じ画像をJPEGの画質「0」で保存するとファイルの容量サイズは約133KBになります。 |
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●JPEGのファイル容量が劇的に小さくなる理由
デジタルカメラの撮影画像を保存したり、インターネットの画像ファイル形式でお馴染みのJPEGは「圧縮」によってファイル容量を小さくできて、その割には画質の劣化が少ないことで知られています。
そのために業界標準の画像形式として利用されているのですが、プロやハイアマチュアの人が見れば、高圧縮してファイル容量を縮めた画像ファイルの画質の劣化は明確に解ります。前回も最後に画質が劣化する事例をあげましたが、JPEGの圧縮と画質の低下、ファイル容量との関係をもう一度おさらいしてみましょう。
JPEGは画像を輝度情報と色差情報に分離し、人間が感じにくい色差情報の信号を間引きしてファイル容量を減らします(画像A)。つまりヒトの目には気付かれにくいところで画質を落としているわけです。そのしくみの詳しくは私の別コラムデジカメPopEye「第14回 JPEG研究序説 〜JPEGの画質劣化を考える〜」で書いていますので、そちらを参照して下さい。
●JPEGは保存の際に画質を選択
Photoshop Elementsの場合は、画像をJPEG形式で保存する際に画質を指定することができます。例えば、画像B〜はスナップ撮影術の画像をPhotoshop Elementsで呼び出してJPEGで保存する手順を示したものです。「画像オプション」で画質を0〜12まで指定できますが、その際に概ねのファイル容量とそれをインターネットなどでダウンロードしたときの所要時間の目安が、表示されています(画像Cの四角い赤枠(上))。
画像Cは「12」で表示した場合、ファイル容量は約2652KB(約2.6MB)で、「56.6kbps」の通信環境の場合、約468秒(8分弱)かかる、ということを示しています。
一方、画像Dは最低画質(ファイル容量を小さくすることが優先)の「0」で保存を指定した場合、ファイル容量は約20分の1、約133KBとなります。この容量は「56.6kbps」の通信環境の場合、約23秒かかることを画面で示しています。
この例は、インターネットで掲載するにはずいぶん大きなサイズの画像なので、ホームページに使用する画像の事例としては現実的ではありませんが、このようにJPEG保存の際に、インターネットなどで画像をやりとりした場合、どのくらいの所要時間がかかるのか、目安がひと目で解るしくみになっていることを知っておくと便利だと思い、紹介しました。
●56.6kbpsってなに?
ちなみに「56.6kbps」という数値はどんな通信環境を表しているのでしょうか?
これはISDN(INS64)で通信した場合の理論値と同じです。インターネットにアクセスする通信環境は様々ですが、ISDN程度を基準として時間を表示しているわけです。例えば、「ん〜? 今時、ISDNが基準というのもどうかな。僕のホームページはADSLなどのブロードバンド環境のユーザを基準に制作する方針でいいんじゃないかな」という人は、この数値を引き上げて設定して構いません(画像E)。例えば1MBbpsの通信環境の人を基準にすると画質「0」で保存したファイルはわずか1秒でダウンロード(表示)できる目安ということになります。
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