画像D
GIF形式は最大256色でカラーを表現します。色数を減らすとファイル容量は小さくなりますが、階調表現にザラ付きが発生します(Clickすると別の大きな画像で見られます)。 |
画像E
JPEGの最大の特長は圧縮率により、画質と容量サイズを調節できること。 |
画像F
画質でみると「0」が最も粗く、「12」は高画質となります。 |
画像G
左が最高「12」、右が低「0」で保存したJPEG画像。0で保存すれば画像の劣化は著しいものがあります(Clickすると別の大きな画像で見られます)。 |
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インターネットではJPEGとGIFが主に使われています。使えるファイル形式はほかにPNGもありますが、まずはJPEGとGIFにフォーカスして話を進めるべきでしょう。
● 256色のGIF
余談ですが、僕は今から10年前、脱サラして単身、米国のシリコンバレーに渡って、仕事をすることにしました。その頃はインターネットの黎明期で、インターネットでヒトヤマ当ててやろうという野心家が起業したベンチャーがシリコンバレーには無数にあったからです。振り返ってみるとインターネットが急速に進歩して人々の生活に入り込んでからまだ10年程度しか経っていないのです。
インターネットがまだ一般に認知される前、ネットの画像フォーマットと言えばパソコン通信(CompuServe)で利用されていた「GIF」でした。最大256色しか表現できません。日本人は「ジフ」と読みますが、米国で生活していた頃は「ギフ」と発音していました。GIFは、今でもインターネットで利用されています。
更にちょっと余談を・・
その頃パソコン業界は、Windows95が登場(95年末に発売されたので普及は1996年)し、一般ユーザーにも本格的なWindows時代が到来しました。デザイナーこそ100万円もするMacintoshでフルカラー画像を利用していましたが、一般ユーザは、MS-DOSでは「8色だ」とか「16色だ」とか、「FM TOWNSは256色だ」とか、Windows3.1で「256色対応のグラフィックアクセラレータボードをくっつけてどうのこうの〜」とか自慢していたわけですから、Windows95の登場でフルカラーが本格化し、今では誰もが当たり前にフルカラーを使っているのは大変な進歩と言えるかもしれません(まぁ、そんな昔話はそれほど役には立ちませんが…)。
そういうわけで最大でも256色しか表現できない「GIF」(画像D)ですが、当時はそのきれいな画像に感動されつつ使われていたわけです。では、フルカラーのJPEGが流行っている今でも、そんなGIFが利用されている理由は何でしょうか?
理由はいくつかありますが、それを理解するためには、その前にJPEGの特質も理解しておきたいところです。
● フルカラーで非可逆圧縮のJPEG
JPEGがインターネットで利用された最も大きな理由は、フルカラーが扱えることと、画像の圧縮にあります。JPEGは画像を保存する際に圧縮率を指定することができます。圧縮率を高く指定すればするほどファイルの容量サイズは小さくなり、その代償として画質が劣化します。逆に高画質で保存したければ、圧縮率を低く指定しますが、その代償としてファイルの容量は大きくなります。
Photoshop Elementsでは、JPEGで保存する際に「JPEGオプション」ウィンドウが表示され、「画質」を指定することができます(画像E,F)。「0」が低画質/小容量サイズ、「12」が高画質/大容量サイズ、となります。
圧縮によって画質が劣化して、四角くブロック状に潰れることをブロックノイズと呼んでいます。右の画面のように同じJPEGで保存しても、12(左)と0(右)で指定して保存した画質ではずいぶんと異なります。右の低画質の画像は、花弁や花びら、葉の部分にブロックノイズが見られ、おかしな色も混入(これもノイズの一種)しているのが解りますね。
一方、GIFは最大256色のパレットから色を当てはめて表現します。水彩画を描くときに、パレットに256色の絵の具を出して、そこから一番近い色を筆にとって描くようなイメージです。圧縮ではなく、パレットの色数を減らすことでファイルの容量を減らします。
ファイルの容量を小さくするには、256色のパレットを128色にしたり、64色に減らすのです。色数(パレットの色数)が減れば、滑らかなグラデーションが出なくなったり、違う色の点を混ぜて似させる技法がとられることになり、結果的に画質は著しく低下します(画像D)。
次回は、JPEGやGIFの更なる特長と違い、Photoshop Elements上で、どのように操作して調整すると良いのか、などの解説しましょう。
また、更に様々な画像ファイル形式についても研究していきたいと思います。お楽しみに。
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