画像8
限定されたカラーマネジメント(sRGB)でファイルを開いたとき。 |
画像9.
Adobe RGBでファイルを開いたとき。オレンジや校庭の遊具が色鮮やか。 |
画像10.
プリントする際に、1.「その他のオプションを表示」をチェックすると、2.「カラーマネジメント」が指定できます。 |
画像11.
プリントしたものをスキャンしたのでちょっと解りづらいですが、下の画像の方が上の画像より、色が少し鮮やかめに出ています。 |
画像12.
上の画像は、カラースペースを変換しないでプリントしたものでした。 |
画像13.
下の画像はカラースペースをsRGBに変換してプリントしたものです。お使いのデジカメ、パソコンやプリンタ環境でいろいろと試してみて、好みの設定をみつけてください。 |
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さて、だんだん難しい話になってきたので、この辺で唐突に結論を。
1. 画像をPhotoshop Elementsで開くときに
カラーマネジメントを行う
デジカメで撮影するときに「Adobe RGB」モードで保存した場合は、Photoshop Elementsでファイルを開くときにも、「作業用スペース」を「Adobe RGB」で開くべきです。
Photoshop Elementsでは、カラーマネジメントを行う場合はメニューバーから「編集」-「カラー設定」を選択します(画面6)。表示された「カラー設定」ダイアログから「完全なカラーマネジメント」を選択します(画像7)。
「限定されたカラーマネジメント」とはいわゆる互換性を重視したモードで、様々なアプリやWEBで使われている色空間「sRGB」の色域の中で編集するということです。色域を抑えたモードととでも表現しましょうか。
一方、「完全なカラーマネジメント」は色域の広い「Adobe RGB」を作業用スペースとして編集できます。またどちらで撮影したか明確ではない写真の場合は、作業用スペースを選択することもできます。
右の画面8と画面9は同じ写真ファイルです。上が「限定されたカラーマネジメント」で開いたところで、色鮮やかには出ていません。下が「完全なカラーマネジメント」(Adobe RGB)で開いたところです。作業用スペースだけでこんなに色合いが違ってきます。
もしかしたら、既にadobe RGBの作業用スペースを使って、色鮮やかな画像レタッチをしている人も多いかもしれません。でも、そんな人の中にも「プリントするとどうも色が渋るんだよなぁ」という声を聞くのです。画面で見ている画像は鮮やかなのに印刷するとくすむ・・
それは、もしかすると・・
2. 画像をプリンタで印刷するときに
カラーマネジメントを行う
次に、Photoshop Elementsで写真を印刷するときにちょっとした工夫を行います。
「ファイル」-「プリント」(画像9)で印刷を指定しますが、このとき、「プリントプレビュー」画面で「その他のオプション」を表示をチェックすると、カラースペースの変換を指定することができるようになります。
元はAdobe RGBの写真ファイルで、プリンタがsRGBでしかプリントできないとしたら、Photoshop ElementsはAdobe RGBで色表現して鮮やかな色情報を送っているのに、sRGBしか表現できないプリンタは鮮やかな部分は失われて、結果的にくすんだ色になってしまうのかもしれません。 画像10.は「カラースペースを変換しない」で印刷したものです。
そこで、Photoshop Elements上で、プリンタに合わせてAdobe RGBの色情報をsRGBにデータ変換して、プリンタに色情報を送ったらどうでしょうか。画像11.はカラースペースに「sRGB」を指定し、マッチング方法に「相対的な色域を維持」を選択して印刷したものです。
少し解りづらいかもしれませんが、色合いが変わっているのが解ると思います。
冒頭で紹介した画像も同様に、Adobe RGBの画像を、プリンタのカラースペースを変更して印刷したものです。上が変更なし、下がAdobe RGBからsRGBに変換してプリントしたもの。どっちが好みですか?
■追伸
最後に付け加えておきたいのですが、カラーマネジメントは、入口(デジカメ)から出口(プリンタ/ディスプレイ)まで、統一して行うべきもので、ハードウェア(ご使用の環境)に影響を受ける、とてもセンシティブなテーマなんです。ハードやドライバとの相性もあります。理論的にこれがいいから、といって、誰の環境でもその通りの結果が出るとは限りません。
例えば、プリント時に「sRGB」に変換した方が色は鮮やかに出るものの、一部の色が破綻してブロック化してしまうようなケースもあるのです(私の場合は決まったデジタルカメラの画像で発生しますので相性かな、と思っています)。
ですので、まずはこの記事の情報を元に、ご自分の環境でぜひ実験をやってみて下さい。実験すれば、だいたいの効果や、どの設定が自分の望むものかがはっきりすると思います。この講座はその足がかりになればいいな、と思い執筆しました。その関係上、本文中に良し/悪しについて曖昧な表現がありますが、それはご了承下さい。