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第7回 明るい背景での肌の質感の出しかた |
2006/11/01 |
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写真2
写真3 |
写真2は、カメラの測光モードと露出プログラムをオートにして撮ったもの。写真3は、露出プログラムはオートで、測光モードを中央重点測光にして、胸元で露出を決めたもの。いずれも薮田が OLYMPUS E-1 で撮った失敗作です。
(拡大写真)
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モデル:藍 海夏 |
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写真1は、さすが林プロって感じですな。薮田さんが撮った写真2とか写真3と比べるまでもないですな。 |
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薮ちゃんの写真と比べられてもねぇ。こっちはこれだけで飯食ってるわけだし。やっぱり、一般的に女性は明るく、ちょっとハイキー気味に撮ってあげると肌がキレイに見える。 |
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ぼ、僕のは、わ、わざと失敗して撮ってるんだからね!この講座のために。林さんはきちんと測光してから撮るだろうから、逆に、全自動で撮ると左の写真のように失敗しやすいよ〜って読者に教えるためにさ。第一、レフ板だってない状態で撮った写真なんだから、こうなるのは当たり前だよ。 |
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そんな話は僕の講座の方でとっくにやってるから、もっと違うこと解説してよ。 |
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な、なんで俺が解説しなけりゃならないのよ。ブツブツ。とにかくさ、写真1みたいな背景が滅茶苦茶明るい場所での撮影ってのは本当に難しいんですよ。林さんは簡単に撮ってるけど、私のようなど〜せヘタクソなカメラマンが何気に撮ると、写真2とか写真3みたいになっちゃうんですよっ! |
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だから、どうして何気に撮ると写真2とか写真3みたいになっちゃうのよ。 |
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ま、まず第一に、写真1は半逆光で撮ってるけど、写真2と写真3は完全な逆光でしょ。このロケーションでの逆光だと、レンズに光がまともに飛び込んできて、カメラの露出プログラムがまともに働かないことがあるし、ハレーション(光がレンズに直接入って、レンズ内で乱反射するため、写真全体が白っぽくなること)を起こしやすいよね。 |
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林さんが撮った写真4も完全な逆光だよね。でも、失敗してないじゃない。 |
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だ、だからさ、林さんはカメラの露出プログラムに頼ってないし、レフ板使ってモデルに光を当ててるからさ。それにしたってさ、写真1と写真4じゃやっぱり肌の感じが違うでしょ。ちょっとだけハレーション起こしてるし。女性の肌のグラデーションを表現するなら、やっぱり半逆光が最適だよね。 |
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ふ〜ん。でもなぁ、やっぱり写真2と写真3はヘタクソだよなぁ。露出はもちろん、構図もさ。変な斜め線入ってるし。 |
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あ〜わかりましたよ! どうせ俺はヘタクソですよ! はいはい! |
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写真4 |
完全に逆光になった状態でも、肌で適切な露出をかせげれば、このように撮影できます。もちろん、レフ板による補助光は必須ですし、背景の明り取り窓が白飛びすることは、ある程度避けられません。また、レンズの角度によってはハレーションが起きることもあります。 (拡大写真) |
モデル:藍 海夏 |
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別に単体露出計なんて使わなくてもいいけどね。デジタルカメラなんだから、テスト撮影して液晶画面で確認して、それで良い写真だと思ったらそれでいいんじゃない? |
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がぁ〜! それじゃ話が進まないっすよ! もう…。 確かにストロボやレフ板を使わず、地明かりだけで撮るってのなら単体露出計なんていらないよ。カメラの内蔵露出計で充分に測光できるとは思うけどね。 |
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カメラの内蔵露出計じゃ、ストロボやレフ板の光に対応できないってこと? |
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レフ板はちょっとおいといて、ここで言ってるストロボは、あくまでもカメラのシンクロ端子に接続する業務用のストロボのことなんだ。話が少し逸れちゃうけど……、カメラに内蔵されたストロボや、カメラのホットシューに接続できるストロボなら、カメラに内蔵されたコンピュータが、カメラ本体の露出と、ストロボの光量を調整して、適切な露出を決定してくれるけど、カメラのシンクロ端子とシンクロケーブルで接続する外部ストロボだと、光るタイミングしかカメラとシンクロできない。つまり、ストロボの光量とカメラの露出は、全部マニュアルでやらなければならないから、写真5のような単体露出計が必要になってくる。まっ、それでもデジタルカメラで何度もテストして、単体露出計を使わずに、適切な露出を設定することは不可能ではないけどね。仕事の撮影の場合、そんな悠長なことやってらんないでしょ? |
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うん、写真5の露出計は、商品名を「フラッシュメーター」って呼ぶように、こうした単体露出計の使い方のひとつには、ストロボの光を測定するっていう役目があるんだよね。業務用ストロボは、2つ以上使うことが多いし、いろんな角度から被写体に光を当てるでしょ? 被写体の顔や胸、腕、腰って具合に、どの部位にどの程度の光量があるかをチェックして、個々のストロボの当て方や光量を調整する必要がある。 |
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なるほどね。つまり、単体露出計の使い方には、2通りあって、カメラ内蔵の露出計と同様に、今現在、被写体に当たってる光を測定して、適正な露出を決めるというのと、被写体を照らす光を積極的に作っていくために測定するっていうことですね。でも、今回はストロボを使わないんだから、単体露出計は必要ないんじゃないですか? |
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ストロボは使わないけどレフ板は使うよね。人工光は使わないけど、人為的に補助光を作る必要があるわけだから、単体露出計があった方がいい。 |
写真6
写真7 |
単体露出計は、これから撮影者が立つ場所を頭に入れ、被写体の測定したい場所で、受光面をカメラの方向に向けて測定します。その際、撮影者の体で被写体に当たる光を遮らないように、腕を伸ばして測定します。(入射光式の測定の場合)
(拡大写真) (拡大写真) |
モデル:藍 海夏 |
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でも、ストロボは光るの一瞬だから単体露出計が必要だってのはわかるけど、レフ板はずっと光を反射してるじゃない。 |
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光は被写体に満遍なく当たってるわけじゃないでしょ? 顔の辺りの明るさと下半身の辺りじゃ、かなりの差がある場合があるわけで、単体露出計は、複数箇所の明るさを測定して、その平均値を出すこともできるから、やっぱり便利だよ。 |
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なるほどね。で、どうやって使うんですか? |
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写真6のように、測光したい場所に露出計を持っていって、そこで露出計の測定ボタンを押すだけ。それ以上は露出計のマニュアルを読んで。 |
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うん、露出計の使い方をくどくど説明してもねぇ。俺自身、デジタルカメラになってからあまり使ってないし。 |
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不親切だなぁ。一段上の写真を撮るなら露出計を使えとか言っておいて、それはないでしょ。それとも、俺は露出計になんか頼らなくてもいいほど腕があるとでもいいたいわけ? |
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いや、正直言って僕は下手だよ、写真。イメージ通りの写真を一発で撮れるほど天才でもない。僕の撮り方って数打ちゃ当たる方式だから。知り合いから、プロなら一発で撮れなんて言われることあるけど、下手なんだからしようがない。銀塩カメラの頃は現像してからじゃないと成功か失敗かわかんなかったから仕方なく露出計を使ってたけど、デジタルになってから広告撮影以外じゃ使わなくなっちゃった。大体、僕が写真を始めた頃は、露出計を内蔵してるカメラなんて高価だったし、もちろん単体露出計も買えなかったから、いつも絞りとシャッタースピードは頭のなかで計算してたんだから。そんなこんなで、機械に「この露出が最適ですよー」なんて言われてもピンとこない。 |
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そうだね。撮影に慣れてくれば、勘でわかるようになるからね。慣れてないうちは単体露出計を使ったからって、まともな露出ができるわけじゃないし。商業用の写真を撮るなら光を微妙に調整しなければならないことがあるから露出計は必須かもしれないけど、趣味や作品創りの撮影だったら、露出計を使わない偶然の結果というのも大事にしなけりゃね。その偶然から、いかにして、どうしたら、よりイメージ通りの写真が撮れるのかってのを学んでいくほうが王道かもね。 |
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だったら単体露出計の話なんかしないでよ〜。 |
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いやほら、一応プロっぽいとこ見せたいと思ってさ。ねぇ林さん。 |
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僕は知らないよ。 |
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