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第8回 ホワイトバランスを使って肌をキレイに表現する |
2006/11/22 |
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はいはい、本題に入りましょうね。ふたりに任せておくと進まないから、これからは僕が進行係をさせてもらいますからね。さて、林さん。女性の肌の色をキレイに表現するにはどうして撮ったらいいんですか? |
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う〜ん。肌をキレイに撮る方法っていっても、どんな肌をキレイって思うかって、人によって違うじゃない? 僕の写真を見てキレイだって言ってくれる人もいるけど、物足りないって感じる人もいるはずだし。 |
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確かにそうですよね。林さんの肌の表現の仕方と僕の好みは違ってて、僕の写真はコントラストが強くて、肌の陰影が割と強く出てる。 |
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うん、僕は割りとフラットな感じに肌を表現するのが好きだけど、写真のテーマや、モデルの女の子の肌の質によってはコントラストを強く出すときもあるよ。ただ、肌があまりキレイじゃない女の子の場合、肌に陰影を付けるとキレイに撮れない場合があるんだよ。 |
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僕らが撮る女の子は普段から肌の手入れをしてるプロのモデルが多いから、あまりそういうことはないけど、確かに顔にニキビなんかがあるとコントラストは付けにくいよね。留美さんみたいに笑いジワが多い人も、コントラストを付けるとシワが目立っちゃうし。 |
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ちょ、ちょっとぉ〜。変なところで例に出さないでよ。私だって一応モデルやってるんですから、肌のお手入れは人一倍気を使っているわ! |
●肌荒れやシワを目立たなくするには
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はいはい、本題からずれそうですから戻しますよ〜。それじゃぁ、ニキビやシワがある女性を撮る場合は、どうやればいいんです? 化粧で隠してもらうんですか? |
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第6回でも紹介してるけど、メイクで隠すって方法もあることはある。でも留美ちゃんみたいにメイクで隠し切れないときは、ハイキーな写真にするのが手っ取り早いかな。 |
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わっ、私はメイクで隠し切れないほど肌は汚くないですよっ! なっ、なんなのこの講座はっ! 私をいたぶるのが目的の講座なのっ! ふん! もう私帰る! |
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林さんっ、留美さんを例に出すと進行が遅れるんでやめてくださいよ……。で、そのハイキーな写真てのは、いわゆるとっても明るい写真ってことですよね。 |
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そう。普通より絞りを開いたり、シャッタースピードを遅めにしたりして、明るめに撮った写真のこと。もちろん、ストロボを強く焚いたり、環境光を明るくする方法でもいい。ただその場合、モデルの全身に光が回りこんでないと、結局コントラストが強くなるから気をつけないとね。 |
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なるほどね。カメラの設定でハイキーにするだけじゃなくて、ここで掲載している写真みたいに、なるべく明るい場所を選んで撮るとか、これまでに何度も紹介してるレフ板などで、全身に光が回りこむようにすればいいわけですね。 |
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なぜカラーメーターの測定値を設定しないんですか? |
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カラーメーターの測定値にしろ、カメラに内蔵されたオートホワイトバランス機能にしろ、それらはいわゆる標準的な値なんだよね。つまり、このホワイトバランスにすれば、とりあえず標準的な色は出るよっていうわけさ。でもそれが自分好みの色ってわけじゃない。それに、機械が人間の肌の色をキレイに表現する智恵を持ってるわけじゃないから、カラーメーターで測定した後は、自分で微調整しなければダメなんだ。 |
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カメラのオートホワイトバランス機能が出ましたけど、カラーメーターを持っていない人は、カメラのオートホワイトバランス機能を使って、そこから微調整すればいいんですか? |
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う〜ん、オートホワイトバランス機能は使っちゃダメ。だって、オートで設定された色温度の値がわからないカメラが多いでしょ? 今使った色温度の値がわからなければ微調整のしようがない。だから、あらかじめプリセットホワイトバランスであたりを付けて撮影して、カメラの内蔵液晶画面で色を確認してから、その前後のプリセットを選択して撮ってみるのさ。ホワイトバランスをマニュアルで細かく調整できるカメラなら、そっちを使った方がいいよね。 |
写真3 |
曇天下での撮影だといって、ホワイトバランスをプリセットの 「曇り用 6000K 」 に設定しても、 撮影環境によっては肌の色がイメージ通りに出ないことがあります。この写真の場合は、少し赤味が強く出てしまいました。 (拡大写真) |
モデル:藍 海夏 |
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写真4 |
今度は 6000K からひとつ下のプリセット、「晴天用 5300K 」 に。でも、まだ今ひとつです。 (拡大写真) |
モデル:藍 海夏 |
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なんだか偉そうに解説してるけど、そういう薮田さんが撮った写真はどうよ。写真3なんか、肌の色がわざとらしいじゃない。 |
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がっ、こ、これは、この講座用に失敗写真を撮っておいたんだよ。やだなぁ。第一、林さんが撮影してる後ろから遠慮しぃしぃ撮ってるんだから、まともに撮れるわけないじゃない。 |
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ふ〜ん。まぁいいけどね。ところでさ、ホワイトバランスを微調整するって言っても、具体的にどう調整すれば自分の好みの色になるわけ? それを教えてよ。 |
図1 |
実際の色温度とカメラのホワイトバランスの関係。
(拡大) |
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ふふん。そう言われると思って、図1を作ってみましたよ。この図1は、実際の色温度とカメラのホワイトバランスの関係と、意図的にカメラのホワイトバランスをずらすとどうなるかを解説した図なんだよ。まずは図1の上の方だけ見て。 |
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これはつまり、適正なホワイトバランスで撮るとこうなるっていう図でしょ? |
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そう。要はカメラのホワイトバランスは、どんな光源下でも白いものを白く見せるための機能だよね。で、その基準にしているのが 「晴天」 の色温度( 5200K 〜 5300K )での白。 この色温度よりも高い色温度の光源下で撮ると、カメラには白が青っぽく映る。逆に低い色温度の光源で撮ると、白が赤っぽくなる。わかるよね。 |
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わかるよ。ただ、デジタルカメラには普通にオートホワイトバランス機能が付いてるから、実際にはそうならないよね。そうなるとしたら、ホワイトバランスを晴天用に固定した場合だよね。 |
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その通り。で、そのオートホワイトバランスが何をしてるかっていうと、撮影の環境光の色温度を測定して、その色温度の光源下で本来白く見えない白を、白くなるように補正してるわけだ。その仕組みのイメージを表したのが図1の上の図なんだよね。
色が付いた帯がずれて上下に重なってるけど、この帯はふたつともまったく同じもの。下の帯が実際の色温度で、それぞれの色温度の光源下で白がどんな色に見えるかがわかるようになっている。で、上の帯はカメラのホワイトバランスだと思ってちょうだい。 |
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ははぁ、つまり、カメラのホワイトバランスを実際の色温度に合わせて、白を本来の白に撮影するってことは、図1の上の図のように、ホワイトバランスの基準点になってる 「晴天用」 のホワイトバランスを、実際の色温度の位置にずらしてるようなもんなんだって言いたいわけね。 |
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そうなんだよ〜、そうなんだよぉ〜。一度理解するとわかりやすいでしょ。この図1。 |
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この上の図だけだとわかりにくいけど、下の図と見比べるとわかるような気がする。下の図は、光源の色温度と違うホワイトバランスをわざとずらして選んで、写真の色味を変える場合の説明で、わざとずらしたホワイトバランスによって、実際の写真がどんな色味になるかを説明してるんでしょ? |
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きゃ〜! その通りよ〜! よくわかってらっしゃるわ〜。図1の下の図のように、実際の色温度が 4600K だとして、カメラのホワイトバランスをわざと 6000K に設定したときの写真の色味は、ちょっと赤緑がかった色になるのよ〜。下の帯の 4600K の上の位置にある上の帯の色を見ればいいのよ〜。 |
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なんでオネェ言葉になるんだい。しかし、こんな面倒な説明をせずに、実際の色温度よりも高いホワイトバランスを設定すると赤っぽく、低いホワイトバランスを設定すると青っぽくなるって説明すればすむことじゃないの? |
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…………………………。 |
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多分ねぇ…、ポージングとか構図とか、その他もろもろ、留美さんが関連することになると思うよ。多分ね。 |
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きゃぁ〜〜〜〜〜! 私が喋れるのねっ! そうと決まったら喋り捲るわよ! さぁすぐにでも第9回目の更新よ。私が進行役をやるわっ! |
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やる気があるのはいいんですけど、あなたたちに任せると、無駄話でページを埋め尽くすからなぁ。頼みますからスムーズにやってくださいよ。スムーズに。それでは次回。お楽しみに。 |
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