講師 林英吉 フォトグラファー あくまでも「シューティング感覚」を大切にするフォトグラファー、林英吉氏。商品撮影や建築撮影もこなすが、最近は専らタレントや女優などの人物撮影で活躍中。
●本題に入る前に…
僕が担当する講座にしては珍しいんですけど、前回の予告通り、林さんに衣装の話をしてもらおうと思うんですよね。でもその前に、読者もすっごく気になっているはずの、モデルさんの紹介をしておきたいんですよ。………、ねっ! 林さん!
………………………。
なんでうんともすんとも言わないかなぁ…。僕はまだ会ったことのない女の子たちなんだから、林さんが紹介してくれないと。
いい子たちだよ。
な…、だから、どんな感じで「いい子たち」なんですか〜?
どんな(撮影の)仕事でも前向きに取り組んでくれるんだよね。ちょっと無理目のポーズだって、頑張ってチャレンジしてくれるし、なにより(撮影)現場を楽しんでいるのがいいよね。
若い子でもプロ意識があるってのはエライっすね。ちなみに所属事務所の Excel Human Agency さんからもらった資料によりますと…、冒頭の写真では、左から石川 久美子さん、水沢 彩さん、華月 梨沙さんです……………(資料を読みふける)?! が〜〜! 3人ともすんばらすぃプロポーションしてますなぁ〜。ハァハァ…。
聞きしにまさるスケベだね、薮ちゃん。
は、林さんに言われたくない! 彼女たちの詳細情報は、Excel Human Agency の Web サイトで確認してくださいね、読者のみなさま…。
●カメラマンは衣装に注文を付けるのか
さあて、本題に入りましょうか。いきなり真面目な質問ですけど、林さんはフォトグラファーとしてモデルの衣装に注文をつけたりしますか? たとえば、今度の撮影ではこんな衣装を着て欲しいとか。
う〜ん、仕事の内容にもよるから一概には答えられないよね……。たとえば、この写真みたいに、衣装を撮るための撮影もあれば、モデルが主役の撮影もあるし、ロケ地が主役の撮影もあるじゃない。
あっ、そうか。僕はモデルが主役の撮影が多いんで、ついつい衣装やロケ地は二の次に考えちゃう。一般的なアマチュアカメラマンの場合も被写体の人物が主役だと思うけど、プロカメラマンの場合は、その撮影において何が「主役」なのかで優先順位が変わるわけですよね。それじゃぁ質問のしかたを変えますけど、モデルが主役の撮影で、衣装が決まっていないとき、林さんは衣装のことについてモデルに何を要求しますか?
モデルには何も要求しないねぇ……。
えっ? まったく?
うん。モデルには要求しないけど、スタイリストに要求はするよ。
……意地悪……。衣装のことを決めてくれるスタイリストに対しての要求も、モデルに要求するのも、この場合なら同じ意味じゃないっすか。
へへへ、悪かったね。それでもさ、僕は衣装の細かいことまでは注文しないよ。スタイリストもプロだからね、僕が「こんな感じで撮りたい」って言えば、スタイリストがそれに見合った衣装を決めてくれる。だから、衣装の色とか雰囲気とか、そいうった程度の注文しか僕は付けないよ。スタイリストがいないときも大体同じ感じでモデルに要求するよ。
なるほどね。いずれにしても、撮りたい写真をイメージするってことが大切ってことっすね。
●ロケハンで衣装を決める
衣装の色とか雰囲気とか、具体的にはどういう基準で考えるんですか?
ロケ地がすでに決まってるときは事前にロケハン(撮影場所の下調べのことを「ロケーションハンティング」と言い、略して「ロケハン」と呼ぶ)しておいて、撮影場所に見合った衣装をイメージするんだよ。
林さんの過去の写真を見ると、背景と衣装が同じ色合いになることが多いっすよね? 右の写真は前回紹介したものですけど、これらなんか典型的な例ですよね?
同じ色合いにすると「しっとりと落ち着いた」雰囲気になるんだよね。人によっては好き嫌いが分かれるところかもしれないけど、個人的にはこれが好きなんだよね。
●背景と同じ色だと埋没しない?
単純に考えると、背景と同じ色合いの衣装にすると、モデルが背景に埋没しちゃうんじゃないかと思いますよね。
その辺はライティングで補ってメリハリを付けるんだよ。
たとえばどうやって?
逆光やサイド光を使って、被写体の輪郭を際立たせるとか、被写体の影を上手く使えば、メリハリが出るよね。
写真2は室内の写真で、時計やカーテンなど、いろんな物があるから、窓からの自然光だけでも十分にメリハリがありますね。
写真2は、窓からの自然光以外に、モデルの足元に銀レフを寝かせて光を補っているんだ。
●ファインダーは読者の目線?
うわっ! 今回は最後にエッチな写真を持ってきましたね。
微妙にエッチでしょ? 好きなんだよねぇ、こういうカット。
ドバっとモロ出しの写真よりも、こういうチラリズムが愛すべきスケベオヤジの心をくすぐるんですよ。ねぇご同輩!
薮ちゃんと一緒にされるのは心外だけど、一理あるね。
それじゃぁ、次回はこのあたりにポイントを当てて林プロのご高説をうけたまわることにしましょうか。それではスケベな皆さん、また次回!
スケベは余計だよ、スケベは。