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新・女性の撮りかた講座
第3部 間接光の上手な使い方
第28回 明るい窓を背景にして撮影 2005/10/20
 
■ご無沙汰しすぎちゃいました
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●2ヶ月ぶりです

 

 いっやあ〜お久しぶりです。本当にご無沙汰してました。みなさんお元気でしたか? カメラ触ってますか? キレイな女性を撮ってますか? 最近の私はなぜか男性の撮影が多いんですよ……。 人物撮影の仕事が増えることは喜ぶべきことなんでしょうけど、「女性専門!」と言っているのにも関わらず、なぜか男性を撮ってくれっていう依頼が増えてるんですよね。なんかねぇ、男性の場合はねぇ、撮影のリズムが掴めないんですよねぇ…。寄りの写真なんか撮る気にもならないし…。口癖の「可愛いよぉ!」を言うわけにはいかないし、撮った後のデータ処理にも力が入んないんですよねぇ……。つい最近、某システム系商社の社長を撮らせてもらったんですけど、その方もやっぱり男性…。でも、撮影依頼をされてきた担当の女性が可愛いかったので、社長の撮影終了後に、ちゃっかりと彼女を撮らせていただきました。
(なにやってんだか…)

●室内編です

 

 さて、本題に入りましょう。今回から最終回までの数回は、「室内編」です。大きなテーマは「間接光」の使い方で、日中の室内に射しこむ自然光を利用した撮影術をお届けします。

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写真0 窓からの光のみで照明の灯っていない室内で撮った写真です。一番明るいのは背後にある光の射しこむ窓。そのままでは逆光になってしまうロケーションですが、周囲の壁が白いために光が回り込んでくれたのと、自分の体に立てかけたレフ板によって明るくしています。
撮影データ (写真をClickで拡大)
  モデル:藍 海夏
 

 か〜んと晴れた昼下がりの、窓辺から差し込む陽射しにキラキラと輝く彼女のウナジの産毛…。そお〜んなマクロな写真が大好きな私ですが、今回はそういう写真は残念ながらありません。手始めの今回は、それなりに難しい「窓から射しこむ光」を制する方法です。

■AE ロックで陽射しをコントロール
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●こんなロケーションです

 

 写真1が、このページで使っているサンプル写真を撮った場所です。四方向にある窓から室外光がたっぷりと入るハウススタジオです。撮影した時期は1月のお昼時。真冬でしたけど、空は晴天で、室内にはかなり強い陽射しが射しこんでいました。室内は壁や天井、床までもが白。そりゃあもう反射光の渦です。ストロボなんぞを使わなくても、十分に明るい写真が撮れそうな場所です。

●オートで撮ると暗くなる

 

 そんな明るい室内ですが、カメラをオートにして気を抜いて撮っていると、かなりアンダー(暗い)な写真になってしまいます。そりゃそうですよね。窓からは太陽の光が射しこんでいるわけですし、周囲は白、しろ、シロですから、カメラのプログラム AE は、シャッタースピードを速くして、絞りを絞り込んでしまいます。

 写真2写真4は、そんな失敗例です。たとえ壁や天井が比較的暗い色で、反射光が期待できない室内であったとしても、こうした失敗はかなりの確立でおきるはずです。というのは、人間の目が感じる以上に、窓からの陽射しは明るいんですよね。写真2写真4は、被写体の背後に窓があります。この窓の方向に太陽があります。つまり、逆光の状態なわけです。窓からの陽射しはレースのカーテンで遮られてはいますが、カメラのプログラム AE がミスするほどに明るいというわけです。

●AE ロックで対応する

 

 こうした失敗をしないようにするには、カメラのプログラムモードに頼りきっていてはいけません。コンピュータってヤツは結構おバカさんですからね。できればシャッタースピードも絞りもマニュアルで設定して欲しいところですけど、人物撮影となると、被写体の笑顔は待ってくれませんから、あんまり悠長なことはしてられません。そこで、プログラムモードを上手に使う方法として、以前にも紹介した AE ロックがオススメです。(詳しくは「第21回 側光(サイド光)でコントラストを出そう」を参照)

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写真1 窓から射しこむ光だけで、照明の灯っていない室内。カメラをプログラムモードにして撮影すると、窓の明るさに自動的に露出が合って、こんな風に少し暗い感じの写真になります。こういったロケーションで、人物を撮影する方法を紹介します。
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  StudioVintage
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写真2 失敗例
撮影モードはプログラムAE、測光モードもオート。何も意識せずに撮影すると、人物はかなりアンダー(暗い)になってしまいます。この室内は全面が白い壁なので、そこに反射して回り込んだ反射光によって、少しだけ救われてはいますが…。これでは表情がよくわかりませんね。

撮影データ (写真をClickで拡大)
  モデル:藍 海夏
 

 写真3は、一番暗いと思われる被写体の胸あたりで AE ロックを使って露出を決定。その後、構図をとりなおしてシャッターを切っています。なんで被写体の顔で AE ロックをかけなかったのと思う読者もいるかもしれませんが、ちょっとハイキー(明るい)な写真にしたかったので、顔よりも暗い場所でロックをかけました。ただ、できあがった写真はちょっとハイキー過ぎて、イメージ通りじゃありませんでした。やっぱりプログラムモード。所詮コンピュータです。人間の感覚についてこれるはずがありません。

 

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写真3 測光モードを中央重点測光にして、AEロック(AEL)を使って被写体の一番暗い場所で露出を決定します。構図を決めたらそのまま撮影。明るい背景はさらに白く飛んでしまいますが、雰囲気は出ていると思います。被写体の足元の床に銀レフを転がしてありますが、これは補助光用ではなく、被写体の瞳に入れるキャッチライトのためです。
撮影データ (写真をClickで拡大)
  モデル:藍 海夏
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写真4 失敗例
プログラムモードに頼り切っていると、写真2と同じ場所、同じ時間なのに、ここまで暗くなってしまうこともあります。これはショックですよね。
撮影データ (写真をClickで拡大)
  モデル:藍 海夏
■露出補正して陽射しをコントロール
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●AE ロックよりも自由度が高い露出補正

 

 上述したように、AE ロックは便利ではあるけれどカメラマンの意図した通りに働くわけではありません。プログラムモードを使いながら、さらにマニュアル感覚で露出を調整したいのなら、「露出補正」機能がオススメです。最近の一眼レフカメラであれば、かならずと言っていいほど搭載されている機能です。

 「露出補正」機能は、撮影時にプログラム AE が決めた適正露出に対して、カメラマンによる簡単な操作で露出の増減を調整する機能です。露出補正の記述は、露光の量を表す単位、「EV」で表記されます。(用語集 EV を参照) 撮影時にプログラム AE が決めた適正露出を ±0 として、その露出よりも明るくするときは、+1.0EV や、+0.7EV など、+側に補正します。暗くするときは -0.5EV や -2.0EV など、−側に補正します。露出補正できる幅はカメラによってことなります。

●背景が明るいときは+補正

 

 写真6は、背景の明るさに被写体の顔が暗くなるのを防ぐために、露出補正を +0.7EV 上げています。なんで +0.7EV 上げたのかといいますと……、勘です。理論的に説明できるものはなにもありません。経験則です。カメラって、理論的に説明できるものもありますけど、やっぱり経験則でしか説明できないものの方が多いですよね。だからこそ面白いんでしょうけど。

 写真6は、AE ロック(写真3)のときよりも、空気感がある写真になったかと思いますがいかがでしょうか? 露出補正機能だと、狙った構図でそのまま撮影できるので、より撮影に集中できます。

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写真5 失敗例
写真2と同じ、プログラムモードに頼って撮った写真です。
撮影データ (写真をClickで拡大)
  モデル:藍 海夏
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写真6 写真3と違う方法、露出補正ダイヤルを使って露出を調整した写真です。写真3の AE ロックはカメラ任せの露出補正であり、AE ロックした後は狙いたい構図にフレーミングしなおす必要があるのに対して、露出補正はマニュアルに近い感覚でできますので、狙い通りの写真が撮れます。
撮影データ (写真をClickで拡大)
  モデル:藍 海夏


●どんどん撮って露出補正に慣れましょう

 

 自分のイメージ通りの絵を作るためにどの程度に露出補正すればいいのかを理解するには、どんどん試して経験を積むしかありません。練習のときは、同じ撮影で、何段階にも露出補正した写真を撮っておき、後で検証することが大切です。

■おまけ
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●新しい写真はないの?

 

 ここで掲載した写真…。なんだかスタグラのサイト内でよく見かける写真だなぁ〜と思った読者さん。(ご愛読ありがとうございます) そうなんです。本サイトの他のコンテンツでも、同じロケーションで撮影した写真が使われています。ここで使っている写真は、今年の1月に撮ったものなんですけど、本当はとっくの昔に本講座で使う予定だったんです。でもね。あの、お馴染みの神崎洋治が、本サイトのプロデューサーである図々しいほどの巨体野郎が、私よりも先に自分のコンテンツで使いやがりまして、さすがに同じ時期に同じ絵柄の写真を使うのは、読者さんに「なんだスタグラって使いまわしの写真ばっかりジャン」なんて言われないようにと、小心者の私としては、掲載を先に延ばすしかないなと、まぁ、そういった配慮をしたわけなのでありますよ。おかげで、当初予定していたコンテンツの掲載スケジュールを大幅に変更する必要に迫られまして、藍 海夏でガンガン行こう!なんて言ってたのに、2回目からの数回、読者も望んでいないであろう「熟女」を使うハメに陥ったわけであります。そういうわけで、(なにがそういうわけなのか) 新しい写真がなくて大変申し訳ありませんが、しばらくお付き合いくださいませ。

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写真7 おまけ
女の子の目を閉じている写真って、結構好きなんですよねぇ。

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  モデル:藍 海夏


●しばらく毎週更新

 

 最終回までは、毎週更新を予定しています。私の予定ですから守られることはないだろうと思ったあなた…。大好きです。それでは次回。ごきげんよう。

   
 
初出:2005/10/20 このページのトップへ
 

     
 
 

     
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