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新・女性の撮りかた講座
番外編 ロケーションに応じた撮影テクニック
第27回 クラブやライブハウスでの撮影 <2> 2005/08/31
 
  前回の続きです……今度はホールやクラブでの撮影 このページのトップへ  

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写真0 東京は渋谷にある有名なクラブでの撮影。照明は会場内のスポットライトのみ。次々に色や角度の変わるスポットライトの中でベリーダンスを踊る女性を、ISO 感度を 3200 に増感して、シャッタースピード 1/80 秒で撮影。当然発生するカラーノイズも、雰囲気を表現するひとつの手段と考えると楽しいかもしれません。
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  ダンサー:Kurio & Peco
 今年の4月末日に、私としては珍しくハウスミュージックを聴きに(若い子は踊りに、と書くんでしょうけど…)、渋谷は O-East にある Duo に行ってきました。実際は行ったというより、一緒に仕事をしているデザイナーの岩井君に、無理やり連れて行かれたと言った方が正しいんですけど。で、お目当てのアーティストはというと、国内よりも国外で圧倒的に高い評価を受けている、Daisuke Yamagishi 氏のソロプロジェクト、OMB です。オヤジの私としては、ハウス系やトランスミュージックはあまり得意じゃないので、OMB の Yamagishi 氏に許可をもらって、撮影に集中させてもらうことにしました。

 Yamagishi 氏は男性なので、私の被写体ではもちろんありません。(笑) じゃぁなぜ撮影したのかといいますと、OMB のステージにダンサーの Kurio & Peco が登場して、ベリーダンスを披露すると聞いたからなのです。(笑) Yamagishi 氏には申し訳けないけど、私のカメラのメモリーカードは、Yamagishi 氏 1割、 Kurio & Peco 9割という、とっても失礼な内容になってしまいました。

 本題に入りましょう。この Duo でのベリーダンスの撮影は、前回のような狭いライブハウスでの撮影よりもさらに難しいものでした。まず、私はあくまでも観客として会場にいたわけで、撮影できる場所が限られていたことです。広い Duo の会場には、踊っている観客がいっぱいで、ステージを撮影するには2階席しかありませんでした。よって、400mm ( 35mm 換算 ) の望遠ズームで撮影するしか方法がありません。当然、ストロボはご法度です。 会場のスポットライトは、前回のライブハウスよりも明るいのですが、ステージ背後にあるスクリーンにプロジェクタで映像を投影する演出のために、スポットライトが照射されることは稀です。照射されたとしても、目まぐるしく回転したり色が変わります。 

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写真1 会場にあったオブジェを撮影してみました。1/10 秒で手持ち撮影なので、ちょっと大変でした。
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写真2 会場の2階席からの望遠ズームによる撮影。普通に撮影するのは、はっきり言って無謀です。ISO 感度も 3200 ですから、ノイズが出るのは必至です。
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  ダンサー:Kurio & Peco
  どうせならスローシャッターならではの写真を撮ろう このページのトップへ  

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写真3 シャッタースピードを 1/30 にして、回転するダンサーの衣装がたなびくところを撮影。会場が暗いために高速なシャッタースピードが使えないのなら、逆にスローシャッターで別の表現にチャレンジしてみましょう。被写体のダンサーもさすがプロ。完璧に体を中心にして回転しているため、体はブレていません。さすがです。
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  ダンサー:Kurio & Peco

●高速シャッターが無理なら…

 望遠ズームを使うしかなく、会場はひたすら暗いと、難しいロケーションであることはわかりました。ではどうすればいいのでしょうか? 前回書いたように、なるべく明るいレンズを使うとしても、400mm というテレ側を使うのであれば、当然レンズは暗くなります。ISO 感度を増感させたとしても、どうしてもシャッタースピードは低速になってしまいます。であれば、ここは開き直って、スローシャッターならではの撮影に集中することにしましょう。

●流し撮り風の写真

 というわけで、写真3写真4のような撮影をしてみました。これはダンサーが体を中心にして回転しながら、衣装をたなびかせている写真です。ISO 感度が 3200 なので、さすがにノイズがたくさん出ていますが、雰囲気は十分に表現できていると思いますがいかがでしょうか? この写真のキモになったのは、回転はしていてもダンサーの体がブレていないことです。これは私の技術じゃなくて、被写体のダンサーがプロだからですね。完璧に体を中心にして回転しているのは、さすがプロです。

●比較的速いシャッタースピードで連写!

 スローシャッターでの流し撮り写真も面白いですが、少しだけシャッタースピードを速めに設定 ( 1/80 秒 ) して、連写で撮影してみましょう。1/80 秒でははっきり言って暗いわけですが、偶然明るいスポットライトが当たって、写真4のような絵が撮れることもあります。光や被写体の動きが予測できないのなら、連写という方法がベストかもしれませんね。

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写真4 こちらの写真も、1/30 秒というスローシャッター。腕や体は動いていますが、顔はピタっと止まっています。これも、私の技術というより、ダンサーの技術の賜物です。ちなみに、カメラを「中央重点測光」モードにして、ダンサーの顔で露光して撮影します。そのため衣装の明るい部分が白飛びしてしまいますが、ご愛嬌です。
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  ダンサー:Kurio & Peco
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写真5 会場のビデオカメラで撮っているダンサーの映像を、プロジェクターでリアルタイム上映していたのが面白かったので、こんな写真を撮ってみました。ダンサーの動きが速いので、シャッタースピードを 1/80 秒にして連写しました。
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  ダンサー:Kurio & Peco
 さて、前回と今回の2つの記事で、北海道の R.T さんからいただいたご質問への回答記事とさせてもらうわけですが、いかがでしたでしょうか? もしかしたらご希望の回答とはいかなかったかもしれませんが……。とにかく、写真は撮影に十分な光がないと、いかんともしがたいものですね。どうしても暗い場所で撮らなければならないときは、そのロケーションにある壁や天井、そして照明などをよく観察して、臨機応変に対処することがカメラマンに望まれていることです。もちろん、被写体の特性もよく観察して、面白い絵を撮る工夫を考えてみてください。それではまた次回。
 
初出:2005/08/31 このページのトップへ
 

     
 
 

     
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