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ストロボ達人への道!
第11回 新製品レビュー Nissin スピードライト Di700 2013/09/13
 
▼写真0 Nissin スピードライト Di700
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▼目次  
Di700 のファーストインプレッション
発光モードの操作方法
ロック機構が付いたバウンス機能
日中の屋外でこそストロボを!
次回予告
▼トピック  
 2013 年1月 31 日のカメラと写真の総合展示会 CP+ 2013 で発表されてから、カメラファンの期待を集めてきたニッシン・スピードライト( ※01 ) Di700 が、この夏に発売されました。そこで「 ストロボ達人への道!」としては少しイレギュラーですが、新製品 Di700 のレビューをお届けします。( メーカー Web サイト
 
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■ Di700 のファーストインプレッション
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▼写真1 Di700 内容物
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@ Di700 本体 A ソフトケース B 三脚ネジ穴付きミニスタンド C クイックマニュアル
このほかに、取扱説明書が付属する。
販売価格:22,800 円。 ニッシンダイレクトおよび amazon で購入できる。

▼写真2 Di700 外観1
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バッテリーマガジン( BM-02 )。単3電池4本をすべて同じ方向にまとめてセットできるクリックローディングシステムは、電池の入換えに大変便利。 シンクロ端子( X 接点 )と、3.5mmφミニジャックタイプのストロボ増設用端子。 ヘッド部ロック機構。ここを押しながら発光部のバウンス角度を調節する。

▼写真3 Di700 外観2
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ワイドパネルとキャッチライトパネル。ワイドパネルを引き出して使うと、照射角は 16mm 相当になる。どちらか一方だけを格納することもできる。 外部電源用端子。ニッシン製充電式ストロボ外部電源( PS8 )を接続して高速チャージができる。

▼写真4 Di700 外観3
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視認性と操作性の高い Di700 操作パネル。下部のダイヤルと Set ボタンの2つを使って発光モードを操作する。操作方法は後述

▼写真5 Di700 + Nikon D7000
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Di700 を Nikon D7000 に装着したところ。

▼写真6 Di700 + パワーパック PS8
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Di700 に外部電源パワーパック PS8 を装着したところ。( PS8 に貼ってあるシールは無視してください )

 ニッシンデジタルのクリップオンストロボ・プロダクツにおける Di700 の位置づけは、普及クラスの「 Di600 」の上位、本講座で何度も登場している「 Di866 MARK II 」の下位となる、ミドルクラスの製品です。

 Di700 の製品仕様を簡単に紹介しておくと、照射角( ※02 ) 24 〜 200mm、ガイドナンバー( GN )( ※03 )は 200mm 時に GN54、35mm 時に GN28( ともに ISO100 相当 )という、一般的な利用において申し分のないスペックです。

 申し分のないスペックと書きましたが、GN28 というと、ミドルクラスのストロボではちょっと物足りないと感じる方もいるかもしれません。しかしそれは、近年のデジタルカメラメーカーの画素数競争のようにクリップオンストロボも大光量化が進んだ時期があり、「 大きいことはいいことだ 」的な風潮が蔓延したことによるものだと筆者は考えています。実際、ここ数年のクリップオンストロボの世界的な潮流は大光量化とは反対の方向を向いています。その理由として考えられるのは、消費電力を抑えて長時間利用できるようにすることと、なによりもコストダウンのためでしょう。

 撮影の現場で、クリップオンストロボを利用する一般的な状況( カメラのアクセサリーシューに装着して使う場合 )を筆者の経験から考えると、GN40 を越えるような光量を使う機会はあまりありません。光量が欲しいときは2灯、3灯とストロボを増やして、多方向から光を当てる方が現実的ですし、より作品の表現力を高められます。そういったことを考えると、ストロボの最大光量を上げることよりも、操作性や機能性を向上させる方向に進んでもらい、よりコストダウンを進めて多灯撮影用にストロボを複数台購入できるようにしてもらった方が、ユーザーにとっては嬉しいことなのではないでしょうか。

 

● 新開発の操作系が使いやすい!

 前置きはこの辺にして、ここからは Di700 をじっくりと紹介していきましょう。まず、 Di700 に初めて触れたとき、誰もが最初に目がいくのは背面パネル( 写真4 )でしょう。電源未投入時には真っ黒なパネルと操作ダイヤル、そして電源ボタンしかない背面パネルに、純正メーカー製のストロボしか使ったことの人は驚くかもしれません。高機能化が進むクリップオンストロボでは操作系も複雑になりがちで、ストロボが初めてのユーザーはマニュアルと格闘するはめになりますが、この Di700 はほぼマニュアル要らずと言っても過言ではないでしょう。操作の詳細は次のセクションで後述しますが、電源のオンオフ以外、すべての操作はダイヤルとセットボタンだけで済みます。こうしたカラーディスプレイを使ったユニークで簡素な操作系は、ニッシンジャパンのお家芸ともいえる部分で、マシンガンストロボ MG8000Di866 MARK II には他社とは一線を画すカラー液晶ディスプレイによる操作系が採用されています。( Di700 は液晶ディスプレイではなく、LED +カラーパネルです )

 

● 外部接続端子も充実

 もうひとつ特筆しておきたいのは、ミドルクラスのクリップオンストロボとしては外部接続端子が充実していることです。ストロボをカメラから離して使うときに必要なシンクロ端子( X 接点 )とストロボ増設用端子( 写真2 )を使えば、ストロボをカメラから離して設置でき、さらにストロボを増設して多灯撮影ができます。X 接点を使ったシンクロ接続の場合は、調光はすべてマニュアル発光になりますが、別売のユニバーサルシューコード( SC-01 / SC-01L )を使えば、TTL( ※04 ) や Auto といった自動調光が使えます。また、外部電源用端子( 写真3 )には、ニッシン製充電式ストロボ外部電源( PS8 )( 写真6 )を接続できるので、高速にチャージできるだけではなく、ストロボをより長時間使い続けられます。

 

● 扱いやすい2つのパネル

 従来のニッシン製クリップオンストロボで好評を得ている機能も、Di700 にしっかり搭載されています。ストロボ発光部先端に格納されている2つのパネル。ひとつはキャッチライトパネル。もうひとつがワイドパネル( 写真3 )です。キャッチライトパネルは、小型のバウンサー( ※05 )のようなもので、ストロボをバウンス発光( ※06 )させて使うときに、人物の瞳にキャッチライトを入れるために使います。ワイドパネルは、ストロボの照射角を最大の 16mm 相当にするパネルです。ワイドパネルを引き出すと、発光部の照射角は 24mm 固定になり、ワイドパネルのレンズによって 16mm 相当になります。

 これら2つのパネルは、引き出すときは同時に出てきますが、それぞれを個別に収納できるので、別々に使うことができます。


※01 スピードライト
ストロボと同義。ストロボという呼称が米ストロボ・リサーチ社の商標だったため、1969 年当時にニコンが付けたオリジナルの呼称がスピードライト。他にオートストロボやエレクトロニック・フラッシュとも呼ばれる。  戻る
※02 照射角
ミドルクラス以上のクリップオン・ストロボの発光部は、装着したカメラのレンズの焦点距離に合せて光の照射角度が変化する。レンズをワイド側に振れば広範囲を照射し、テレ側に振れば狭くなる。照射角によってストロボの光量も変化し、テレ側で最大、ワイド側で最小となる。  戻る
※03 ガイドナンバー表記
ストロボの光量を表わす単位をガイドナンバーと呼び、GN と略す。ストロボの光量は、発光部の照射角によって変化するが、カタログなどでストロボのガイドナンバーを表記するときは、焦点距離 35mm 時の照射角におけるガイドナンバーを用いるのがストロボ業界の標準になっている。しかし、メーカーや店頭( リアル・Web ともに )などでは、これが守られていないことがあり、最大光量が表記されていることがある。  戻る
※04 TTL 機能
Through The Lens の頭文字をとって TTL。カメラのレンズから見た被写体の現在の明るさを測定して、カメラの絞り値やシャッタースピードを決定する機能。ストロボの TTL 機能はカメラの TTL 機能と連動することで、適切な発光量を自動で決定できる。  戻る
※05 バウンサー
ストロボの発光部に取り付け、光を反射( バウンス )させるアクセサリー。反射部は白や銀色の布などが使われる。バウンサーを使うと、ストロボを被写体に直射したときにくらべ、光が柔らかくなり、より自然な印象になる。  戻る
※06 バウンス発光
ストロボの発光部を被写体に直接向けずに、白い壁や天井、レフ板などに反射させて照射する方法。直射に比べて光が拡散することで、柔らかく自然な印象になる。クリップオンストロボの発光部の角度を変えることをバウンスさせると言う。  戻る


■ 発光モードの操作方法
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▼写真7 ダイヤルとボタンだけで操作
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電源ボタン( )を押して電源投入後、背面にあるダイヤル( )を回して発光モードを選び、Set ボタン( )で確定する。各発光モードのオプションも同様の操作をする。

▼写真8 発光モードの選択とロック
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電源ボタン( @ )を押すと、表示パネルに全発光モード( )が約1秒間表示される。この状態でセレクトダイヤル( A )を回して発光モードを選択して Set ボタン( B )で確定する。セレクトダイヤルを回すと、選択されている発光モードのアイコンが点滅する。電源ボタンを長押しすると電源オフになるが、短く押すとロック表示( )が表示され、セレクトボタンと Set ボタンが操作できなくなる。もう一度電源ボタンを短く押すとロックが解除される。

▼写真9 各モードでのオプション選択
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写真8の( )で Set ボタン ( @ )を押してモードを選択すると、選択されたモード以外は消灯し、選択されたモードのオプション選択画面( )( Auto 以外のモード )になる。この状態でセレクトダイヤル ( A )を回すと、調光補正( )ができる。( Wireless の場合はグループ選択 )

▼写真10 ワイヤレス TTL リモートモード
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ワイヤレス TTL リモートモード( )を選択して Set ボタン ( @ )を押すと、グループ A / B / C( )が選択できるようになる。コマンダーモードのマスターストロボで設定したグループをここで選択する。グループの選択は、セレクトダイヤル ( A )でする。

▼写真11 オートズーム
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Di700 の発光部は、Auto、TTL および Manual モード時で、正面照射( バウンス角度0°)に設定されているとき、レンズの焦点距離に合せて自動でズームする。これにより、照射角がレンズの画角に自動でマッチする。

 写真7は、Di700 を女性が手に持って操作しているところです。ちなみに Di700 の重さは電池抜きで 350g、電池を入れると 約 108g 増加します。( エネループ単3を4本で計算 ) この重量であれば女性でも片手持ちができますが、欲を言ってもっと軽く( 電池込みで 300g 以下 )できれば、女子カメユーザーにもストロボが普及すると思うのですが…。

 さて、このセクションでは、Di700 最大の特徴である背面操作パネルの使い方をかいつまんで紹介していきましょう。

 Di700 の発光モードの変更は、背面パネルで操作します。操作方法はこれ以上のものはないと思えるほどに簡単。まずは電源ボタンを押して電源オン。後は表示パネルを見ながらセレクトダイヤルを回して発光モードを選択し、Set ボタンで確定します。各発光モードのオプションを変更するのもこれと同じ操作です。

 

● 発光モードは全6種類

 Di700 の発光モードは全部で6種類。それぞれの内容は以下の通りです。

Auto。全自動モード。
オプションは選択できない。
TTL。E-TTL/E-TTL II (キヤノン用)、i-TTL/i-TTL-BL(ニコン用)で動作。±2.0、0.5EV ステップでの調光補正ができる。
Manual。FULL 発光〜1/128 まで 1EV ステップの調光。
SD( デジタルスレーブ )( ※07 )デジタルストロボのプリ発光に対応。FULL 発光〜1/128 まで 1EV ステップの調光。
SF( アナログスレーブ )FULL 発光〜1/128 まで 1EV ステップの調光。
ワイヤレス TTL リモート。グループ A / B / C を選択。チャンネルは ch1〜4 で共通。

 

● 1台目のストロボとして使うとき

 ストロボ1灯で使うときは、Auto、TTL、Manual のいずれかを選びます。Auto は完全な自動モードで、調光補正はできません。TTL はカメラの各 TTL モードに対応し、自動で調光してくれるという点は Auto と同じですが、±2.0 の範囲で 0.5EV ステップでの調光ができます。調光補正は写真9はの手順で、セレクトダイヤルを使って調光します。Manual は、調光をすべて手動でするモード。FULL 発光〜 1/128 まで 1EV ステップでの調光ができます。

 

● 2台目のストロボとして使うとき

 SD、SF、およびワイヤレス TTL リモートは、すべて本機を2台目のストロボとして発光させるときに使います。いずれもシンクロケーブルなどを使わないワイヤレスモードです。SD と SF は、昔からあるスレーブモードで、マスターとなるストロボの発光に同調して発光するモード。ワイヤレス TTL モードは、コマンダーに設定できるマスターストロボですべてを制御できるモードです。最近のミドルクラス以上のデジタル一眼レフに内蔵されているストロボには、コマンダーモードがあり、このコマンダーストロボで、リモートとなるストロボを調光できます。ニッシン製ストロボでは、MG8000、Di866 MARK II、MF18 などにもワイヤレス TTL が搭載されており、これらはコマンダーストロボにもなりますが、Di700 はリモート、つまり受け側のストロボにしか設定できません。また、Di700 のワイヤレス TTL では、グループを A / B / C から選択できるようになっており、チャンネルは ch1〜4 で共通になります。つまり、マスターのコマンダーでどのチャンネルを選択していても、グループさえ合っていれば Di700 は発光します。

 

● 照射角はオートズームのみ

 ミドルクラス以上のクリップオンストロボは、発光部にズーム機能があり、カメラの TTL 機能と通信できる場合は、レンズの焦点距離に合せて自動で発光部がズームするようになっています。この機能により、レンズの画角に合せた照射角が保たれるわけです。

 Di700 にも全自動のズーム機能があります。しかし、上位機種の MG8000 や Di866 MARK II のように、マニュアルズーム( 手動で照射角を調整する機能 )はありません。ただ、バウンス時には 50mm に固定、SD、SF、ワイヤレス TTL リモートモード時には 35mm に固定されるなど、一般的な利用において不都合のないように設計されています。Di700 をより使いこなすには、モードやバウンス時に、オートズームがどのように動作しているかを把握しておくとよいでしょう。

 

● オートズームとモードの関係

  カメラとの接続状態 A カメラとの接続状態 B
バウンス角0° バウンス時 バウンス角0° バウンス時
AZ 50mm 固定 --- ---
AZ 50mm 固定 --- ---
AZ 50mm 固定 50mm 固定 50mm 固定
--- --- 35mm 固定 35mm 固定
--- --- 35mm 固定 35mm 固定
--- --- 35mm 固定 35mm 固定
カメラとの接続状態 Aは、カメラのアクセサリシューとストロボが接続されている状態。
  ユニバーサルシューコードを使う場合も同じ。
カメラとの接続状態 Bは、カメラのアクセサリシューとストロボが接続されていない状態。
  シンクロケーブルで接続されている状態は含まれる。

※07 スレーブ( デジタル/アナログ )
複数のストロボをシンクロケーブルを使わずに同調発光させる方法のひとつ。マスターとなるストロボが発光すると、その光を感知して同調発光するモード。デジタルスレーブは、デジタルストロボに搭載されているプリ発光を無視して、本発光で発光する。アナログスレーブは、プリ発光でも発光するモード。  戻る
■ ロック機構が付いたバウンス機能
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▼写真12 ロックボタンを解除してバウンス
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水平または垂直方向にバウンスさせるときは、ロック解除ボタン( @ )を押しながら操作( A )する。バウンス角0°時と、水平方向0°かつ垂直方向 90°バウンスさせたときにのみロックがかかる。

▼写真13 水平バウンスが 360°に!
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発光部が前を向いている状態からの水平方向のバウンス角が、30°刻みで左右に 180°動かせるようになった Di700。

▼写真14 垂直方向は 90°+下7°
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垂直方向のバウンスは、上方向 90°、下方向に7°。途中、45°、60°、75°でノッチが設けられている。

▼写真15 大型アクセサリも付けられる
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ロック機構のおかげで、大型のアクセサリーを付けられるようになった。写真はローグのバウンサー。

● ロック機構は必要か不要か

 Di700 には、ニッシン製クリップオンストロボでは初となる、バウンス時のロック機構が採用されました。これは、バウンス角0°から発光部を水平、垂直方向に角度を変更する際、ロック解除ボタン( 写真12@ )を押しながら操作しないと動かせないというものです。他社のクリップオンストロボでよく見かける機構ですが、同社の従来製品では、バウンス時の簡便さを優先させて、こうしたロック機構は採用されていませんでした。

 今回 Di700 にロック機構を採用したことは、従来からのニッシンユーザーの間では賛否両論あるかと思いますが、筆者は個人的に歓迎したい機構だと感じています。筆者はストロボアクセサリーとしてバウンサーやディフューザーを多用するので、ストロボの発光部が重くなりがちなため、ロック機構のないニッシンの従来製品だと、バウンス角度が気づかないうちに変わってしまうことが多々あるからです。ただ、ロックされる角度はバウンス角0°時と、水平方向0°かつ垂直方向 90°と限定されているため、それ以外のバウンス角度では従来とあまり変わらないことになってしまいます。

 今回 Di700 を使いながら考えたアイディアは、ロック解除ボタンをトグル式にし、押してロック解除、もう一度押すとロックがかかるという仕組みにして、どのバウンス角度でも自由にロックのオンオフができるような機構にするというものです。これであれば、ロック機構不要派も賛成派も使いやすいのではないでしょうか。

 

● 水平バウンスが 360°に!

 Di700 に追加された新機構で、これも歓迎したいのが可動範囲の大幅な拡大でしょう。特に水平方向が従来製品の 180°+90°の 270°から 180°+ 180°の 360°になりました。撮影中に後方バウンスに切り替えたいとき、従来だとバウンス方向を選ばなければなりませんでしたが、Di700 だとどちらの方向に操作しても真後ろを向いてくれます。

 垂直方向にも少しだけ( 下方向7° )可動範囲が拡大されましたが、これはちょっとわかりにくいかもしれません。

 

● アクセサリーで表現力を高めよう

 ストロボを最大限に楽しみ、さらに表現力を高めるには、ストロボ用のアクセサリーを活用しましょう。代表的なアクセサリーとしては、バウンサーやディフューザー。今回 Di700 にロック機構が搭載されたことにより、重いアクセサリーを取り付けても発光部がお辞儀することがなくなりましたので、写真15 のような大型バウンサーもどんどん楽しめます。アクセサリーの活用方法は、いずれこの講座で取り上げます。お楽しみに!

■ 日中の屋外でこそストロボを!
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▼写真16 向日葵と蜜蜂
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日中の向日葵畑で、下を向いた向日葵に蜜を集めにきた蜜蜂を撮ってみました。90mm マクロレンズで寄れるだけ寄って、ユニバーサルシューコードでカメラから離したストロボを手持ちで弱めに発光させています。

 今年の8月8日、山梨は明野の向日葵畑に早朝から撮影に行きました。持ち込んだ機材は Nikon D800、Tamron の AF 24-70mm F2.8 Di VC USD と SP AF 90mm F2.8 Di 1:1 Macro。そして、マシンガンストロボと呼ばれる Nissin MG8000 です。現地に着いて驚いたのが、カメラを抱えた人の多いこと。しかしもっと驚いたのが、筆者以外にストロボを使っている人が一人もいないことでした。晴天の日中なんだからストロボ使う必要もないと皆さん思っているのでしょうが、もし、より印象的で魅力的な写真にしたいと思うのなら、晴天の日中でこそストロボを使ってみてください。ストロボによって、写真16 のようなコントラストのある絵が撮れるはずです。また、ストロボとカメラの設定をマニュアルにすることで、写真17 のように幻想的な絵も作れるようになります。

 こうしたストロボを使った、ひと味違う写真の撮りかたについては、いずれ本講座で紹介していく予定です。お楽しみに!

▼写真17 夕暮れの明野の向日葵畑
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夕暮れの明野の向日葵畑。雲間から射す光に露出を合せて、シャッタースピードを速く、F値を絞り込んだために、当然手前の向日葵は暗くなります。そこで、MG8000 をユニバーサルシューコードでカメラから離し、手持ちで向日葵に照射しました。こうした撮影のテクニックも、いずれ本講座で紹介する予定です。

■ 次回予告
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● 次回は……

   一度は最終回を迎えた本講座ですが、ありがたいことに各方面から再開のご要望をいただきまして、もしかしたら連載を再開することになるかもしれません。現在、連載再開のための企画を練っているところですが、これまでとはちょっと違う形にしようと考えています。たとえば……「 こんな絵を撮るにはどうライティングしたらいいのか 」と言った感じです。楽しみにしていてくださいね。それではまた。


■ 協力企業 ■
ニッシンデジタル


■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
薮田織也事務所
 
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初出:2013/09/13 このページのトップへ
 
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