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第2回 光沢のある物撮り ( 時計を撮る ) 1 |
2011/12/21 |
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腕時計のように表面に光沢があって周囲の風景を反射してしまう被写体を撮るときは、被写体をレフ版で囲む必要があります。また、被写体の質感を表現するために、ハイライトと 「 陰 」 のコントラストをどのように付けるかがポイントになります。
撮影データ ( 写真を Click で拡大 ) |
撮影協力:シチズン時計 |
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● 光沢のある被写体は難しい
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物撮りの中でも、その難しさにおいて上位にランクされるのが、腕時計やジュエリーなどの鏡のような光沢のある被写体の撮影です。一度でもこうした被写体を撮影したことがある人ならわかると思いますが、撮影者やカメラ、周囲の様子が被写体に映り込まないようにしなければならいないことを前提に、被写体の持つ質感を表現するために敢えて何かを反射させる必要があるのです。被写体の表面への映り込みを避けるには、被写体の周囲を囲んで撮影すればよいのですが、それだと被写体が平面的になってしまい、質感が損なわれてしまいます。
写真1を見てください。これは、第1回の陶器を撮影したときに使った 「 ライトボックス 」 と呼ぶ機材を使って撮った腕時計です。白いレフ版で時計の周囲を囲っていますので、腕時計全体に光が回り込んでいます。陶器のような質感の被写体の場合は構いませんが、腕時計のように鏡のような光沢のある被写体の場合は、コントラストが著しく失われてしまい、平面的な写真になってしまいます。これでは魅力的とはとても言えませんね。そこで今回は光沢のある被写体の質感を表現する方法を紹介していきましょう。 |
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白レフで囲ったライトボックスで撮影した腕時計。光が全体に回り込んだのはいいが、コントラストが無く、平面的な絵になってしまった。
撮影データ ( 写真を Click で拡大 ) |
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● まずはライトボックスを作ろう
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まずは、物撮りにあると便利なライトボックスを作りましょう。カメラ販売店で市販のライトボックスを購入するのも良いですが、さまざまな大きさの被写体を撮るとなると、市販のものでは不便を感じることがあるはずです。今後のためにも一つは自作しておくと良いでしょう。材料はホームセンターで買えるものばかりで、市販のライトボックスと比べても安価に作れるはずです。写真2はライトボックスの本体の材料です。ポイントは、白レフ用のカラーボードは、四隅を白い布テープで、黒レフ用は黒い布テープで補強しておくことです。組み立てるときに 「 養生テープ 」 ( ※01 ) を布テープの上に使って組み合わせれば、カラーボードの紙を剥がすことなく何度でも組み立て直せます。
写真3は養生テープを使って組み立てたところです。バック紙は写真のようにアール ( ※02 ) を持たせます。こうすることで、被写体の背景に余計な線が入らず、光の当て方によっては綺麗なグラデーションが描けます。
今回自作するライトボックスでは、前面パネルにアルミホイルを使って銀レフを作ります。( 銀レフを使う理由は後述します ) このとき、アルミホイルをカラーボードにそのまま貼り付けるのではなく、カラーボードの中を四角く切り抜いてから貼ります。これは、カメラのレンズを通す穴を開けるためです。被写体によっては白い紙を貼れるように、アルミホイルは養生テープで貼り付けましょう。
ここまでは、前回に紹介した撮影機材とあまり変わりばえしませんが、今回はさらにもうひとつ撮影機材を作ります。それは次のセクションで紹介する 「 ディフューザー 」 です。 |
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a : ポリプロピレン製のバック紙。b : レフ板代わりの白いカラーボードの四隅を白い布テープで補強した左右のサイドパネル。c : 白いカラーボードの中をくり抜き、アルミホイルを貼った前面パネル。d : カラーボードで作ったバック紙を貼るスタンド。e : 黒と白の布テープと、ライトボックスを組み立てるときに使う養生テープ。f : アルミホイル。( 写真を Click で拡大 ) |
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写真2で用意した材料を養生テープを使って組み立てたところ。( 左サイドは外してある ) g : の部分にカメラのレンズを通す穴を開ける。
( 写真を Click で拡大 ) |
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※01 |
養生テープ
粘着性が弱いので容易に剥がせる引っ越しなどで使う粘着テープ。 戻る |
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※02 |
アール ( R )
折り曲げず円弧状にすること、またはそうした状態を呼ぶ。Radius ( 半径 ) の頭文字からこう呼ばれている。 戻る |
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● 光と影を柔らかくするディフューザー
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ストロボの光は強いので、そのまま被写体に当てるのは原則的にしてはいけません。前回に紹介した 「 バウンス発光 」 や、ここで紹介する 「 ディフューザー 」 を使って光を柔らかくします。ディフューザー ( Diffuser ) とはディフューズするもの、日本語にすると 「 拡散する 」 という意味です。ディフューザーには生地の粗い半透明の布や紙を使うので、ディフューザーを通過した光は弱められて四方八方に拡散することになり、結果、被写体に当たる光が柔らかく、影の輪郭をぼかせます。
ここでは写真4のように、大きめのトレーシングペーパー ( ※03 ) をディフューザー代わりに使います。このとき、トレーシングペーパーの両端を丸い木の棒に両面テープで接着しておくと、吊るして使うときなどに便利です。実際の物撮りではストロボの前に吊るして使うことが多いのです。
トレーシングペーパーはかなり薄いので、重ねることで減光調節できるように、2〜3枚用意しておくとよいでしょう。
こうして作ったディフューザーの使いかたは目的によってさまざまありますが、今回は写真5のように、ライトボックスの上部を覆って使います。今回は外付けストロボを被写体の真上から当てる 「 トップライト 」 として使いますから、その光をこのディフューザーで拡散するわけです。
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トレーシングペーパーの両端に木製の棒を取り付けたディフューザー。こうすることで、使い勝手が上がる。 ( 写真を Click で拡大 ) |
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物撮りでは必須ともいえる 「 トップライト 」 を拡散して弱めるために、ライトボックスの上部はディフューザーで覆う。 ( 写真を Click で拡大 ) |
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※03 |
トレーシングペーパー
原画に被せ、透けて見える線をなぞってトレース ( 複写 ) するための薄い半透明の紙。画材ショップやホームセンターで購入できる。 戻る |
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ストロボをカメラから離す理由
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前回は 「 バウンス発光 」 でストロボを使ったので、ストロボはカメラのホットシューに装着していましたが、今回はストロボをカメラから離してセッティングします。写真6はストロボの延長ケーブル ( 写真7 ) とスタンド ( h i )を使ってストロボをトップライトとしてセッティングしているところです。トップライトだけなら天井バウンスで足りるのでは? なぜこんな面倒なことをするの? と思う人もいることでしょう。もちろん理由はあります。
今回の腕時計の物撮りのように、光のコントロールに微妙な調整が必要なときは、バウンス発光では無理なのです。バウンス発光は反射光ですから、被写体への光の照射角度を確実にコントロールできませんし、反射する天井や壁の色が光に乗ってしまうため、余計な色かぶりがおきる可能性が高くなります。また、比較的長い距離を反射させるために、光量不足も否めません。天井バウンスや壁バウンスであれば余計な機材は必要ありませんが、より高度な物撮りがしたければ、ここで紹介しているような機材は揃えておいて損はないでしょう。
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● 延長ケーブルは必須!
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以上のような理由から、写真7のような延長ケーブル ( ユニバーサルシューコード ) は、より高度な物撮りをするときは必須のアイテムと言っても過言ではないでしょう。本講座でも、延長ケーブルを使ってのテクニックが今後も続きます。ニッシンデジタルの SC-01L であれば、延長した TTL ストロボの TTL 機能 ( ※04 ) が使えるので、より便利に使えるはずです。また、SC-01 のホットシューはマルチコンタクトなので、ニッシンデジタル以外の、カメラの純正ストロボも使えます。 ( ※05 ) SC-01L は長さが5mもあるので、物撮りにおいては十分すぎるでしょう。5mもいらないというときは、カールコードで 1.5m の長さの SC-01 もあります。 |
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延長ケーブルを使って、クリップオンストロボをカメラから離してセッティングする。今回はトップライトにするので、アーム ( h ) やスタンド ( i ) を使ってセッティングする。 ( 写真を Click で拡大 ) |
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ニッシンデジタルのクリップオンストロボをカメラから離して使うときの延長ケーブル SC-01L 5m 。接点はマルチコンタクトになっており、キヤノン、ニコン、フジフィルム、ペンタックス、サムスンの一眼レフカメラで使える。
( 写真を Click で拡大 ) |
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SC-01L のスイッチが付いているシューをカメラのホットシューに装着。このとき、スイッチを EXT ( エクステンション ) 側にしておく。
( 写真を Click で拡大 ) |
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SC-01L のもう片方のシューにストロボを装着。こちら側のシューには三脚取り付け用のねじ穴があるので、それを使ってスタンドなどに装着する。
( 写真を Click で拡大 ) |
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SC-01L にはそのケーブルの両端に二つのシューが付いていて、片方をカメラのホットシューに、もう片方にストロボを装着します。カメラ側のシューにもホットシューが付いているので、ここにもストロボを装着できます。ただ、二つのシューでストロボを同時発光できるわけではなく、カメラ側のシューにあるスイッチで、どちらを発光させるのかを選択します。スイッチを 「 TOP 」 側にするとカメラ側のストロボを、「 EXT 」 側にすると延長した先のストロボを発光できます。
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● Nikon D7000 + SC-01L の組み合わせは要注意
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わたくし薮田の環境では、Nikon D7000 と Di866 MARK II を SC-01L でオフカメラ ( ※06 ) にすることは問題がありませんでしたが、ニッシンジャパンの公式発表では、D7000 と SC-01L の組み合わせは 「 不可 」 だそうです。理由は、D7000 のホットシューからの電圧が、5mの長さで延長すると低下してしまうからだそうで、そのために動作が不安定になるのだそうです。今のところ D7000 以外のカメラでは起きていない症状だそうです……。電圧降下となると、単純にケーブルの長さを5m未満に、たとえば3mとかにすれば解決するのではないかと思いますが、読者の皆さんで、D7000 のストロボを延長したい人は、カールコードで 1.5m の長さの SC-01 を使うといいでしょうね。でも、本格的に物撮りするとなると2〜3mの長さは欲しいところなので、SC-01 シリーズにミドルレングスのケーブルが追加されることを切に望みます。
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※04 |
TTL 機能
Through The Lens の頭文字をとって TTL。カメラのレンズから見た被写体の現在の明るさを測定して、カメラの絞り値やシャッタースピードを決定する機能。ストロボの TTL 機能はカメラの TTL 機能と連動することで、適切な発光量を自動で決定できる。 戻る |
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※05 |
SC-01 に対応しているストロボとカメラ
キヤノン、ニコン、フジフィルム、ペンタックス、サムスンの一眼レフカメラで、それぞれのカメラの TTL に対応している TTL ストロボが使える。 戻る |
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※06 |
オフカメラ
ストロボをカメラ本体から離して使うこと。 戻る |
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● カメラもマニュアルにして撮影
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自作したライトボックスとディフューザーを組み立てて、中に腕時計を置き、ストロボを写真12のようにセッティングしたら、実際に撮影してみましょう。このとき、ストロボもマニュアルなら、カメラの絞りやシャッタースピードも当然マニュアルモードにします。微妙な光のコントロールをするための基本は、カメラもストロボもマニュアルで撮影することだと言えます。TTL 機能は大変便利な機能ではありますが、機械任せにしているので、光のコントロールが安定しません。マニュアルでの設定は面倒だと感じるかもしれませんが、長く続けていると、周囲の環境光を感じ取って、カメラとストロボの露光設定が頭に浮かんでくるようになります。そうなればもう素人は卒業。プロの領域に入ってきています。
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● 綺麗だけど平面的な写真になる
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こうして撮った写真が写真1です。撮影時のカメラとストロボの設定は、写真をクリックして拡大表示されるウインドウに表記してあるので確認してください。 さて、この写真、どう感じますか? あっ、写真が下手なことはこの際脇に置いておいて、光にのみ着目してみてください。
白いバック紙、白レフで囲んだライトボックスで撮っていますので、被写体全体に光が回り込み、まぁとりあえずキレイに見えますが、腕時計が持つ質感は伝わってきませんよね? ちなみに写真1ではライトボックスの前面パネルには、その差がわかるように銀レフを使っていません。
もともとこの腕時計はメタル部分以外はホワイトのみの落ち着いた色使いをしたものですが、カメラなどの映り込みを排除したため、光沢感が失われてしまいました。これではやっぱり NG ですよね。さて、ではどうして撮影したら、腕時計の質感が際立ってくるのでしょう。
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● 完成形と言うには程遠いけど……
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写真13は、ライトボックスの中に、この後で紹介する工夫を施して撮った写真です。まだまだ完成形とはいえませんが、写真1よりは腕時計の質感が際立ってきているはずです。この二つの写真を比べてみて、質感を向上させている要素はどこにあるのかを考えてみてください。それは……被写体表面への黒い写り込みではないでしょうか。
ライトボックスを作った理由のひとつに、映り込みをさせないことがあったのに、写真の質感を落としていたのが映り込みの無いところ……というわけです。この矛盾が光沢のある被写体の物撮りを難しくしているポイントです。では、質感を向上させる映り込みの方法を次のセクションで紹介しましょう。
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腕時計専用のシーリング ( 1 ) という道具を使ってベルト部分を膨らませ、黒い粘土 ( 2 ) を使って腕時計を立てる。
( 写真を Click で拡大 ) |
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白レフで囲ったライトボックスで撮影した腕時計。光が全体に回り込んだのはいいが、コントラストが無く、平面的な絵になってしまった。
撮影データ ( 写真を Click で拡大 ) |
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ライトボックスの前面パネルを銀レフにして、そのそばにトレーシングペーパーで包んだ黒レフを配置。さらにトップライトの近くにカラーボードを配置して、光の一部を遮って撮影したもの。
撮影データ ( 写真を Click で拡大 ) |
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● 銀レフ+黒レフ
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写真13を撮るために使ったのは、銀レフと黒レフです。銀レフは 「 ライトボックスを自作する 」 で用意したものです。この銀レフを写真14の j のようにライトボックスの前面パネルに使うと、反射する光がシャープになり、腕時計の光沢部分がより明るくなります。このとき、銀レフの表面をわざとくしゃくしゃにすると、腕時計のキラキラ感が増します。ただし、腕時計の文字盤の文字が視認しにくくなることがあるので注意しましょう。
続いて前面パネルの左右に写真14の k のように黒レフを配置します。ここでは黒レフをトレーシングペーパーで包んでいますが、こうする前に黒レフをそのまま配置して撮影してみてください。腕時計の表面に、シャープな黒い影が映り込むはずです。そうした写真も面白い ( 写真15 ) のですが、今回はより自然な質感を出したかったので、黒レフをトレーシングペーパーで包み、黒をトーンダウンさせています。
黒レフの配置は、思い描いた場所に黒が映り込むように、細かく調整していきます。今回は、写真16の場所に影を入れるために黒レフを配置しています。
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文字盤周囲の金属部と竜頭 ( l ) に、メインの影を入れ、長針と短針 ( m ) の立体感を増すための影を入れることを考えて撮影した。
( 写真を Click で拡大 ) |
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● ストロボ光を遮って影を作る
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前面パネルの左右に黒レフを配置することで、狙った場所に影を写し込むことができましたが、それでもまだ全体的なコントラストが弱いと感じました。また、トップライト一灯のため、腕時計の上部と下部で明度の差があるのも気になっていました。なので、写真17のように、トップライトの光の一部を遮り、さらにストロボ光が銀レフにバウンスするように照射角度を変えることで、腕時計の平らな面にコントラストが生まれ、上部と下部での明度の差がなくなりました。こうして撮影すると、当然ですがストロボ光が弱くなるので、ストロボの発光量を段階的に増やして撮影してみましょう。 |
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ライトボックスの前面パネルを銀レフ ( j ) にし、その左右にトレーシングペーパーで包んだ黒レフ ( k ) を配置する。黒レフを置く場所は、撮影しながら決めていく。
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黒レフをディフューザーで包まずに、そのまま置いて撮影したもの。バック紙もグレーのポリプロピレン製のものに替えてある。
( 写真を Click で拡大 ) |
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ライトボックスの上部に置いたディフューザーと、ストロボの間に、カラーボード ( n ) を配置する。ストロボの光を一部遮ることで影を作り、その影を腕時計に映り込ませる。
( 写真を Click で拡大 ) |
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● 光沢のある物撮り第2弾
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次回も光沢のある被写体を使った物撮りテクニックの紹介ですが、バック紙ではないものを使ったり、ストロボ光に工夫をすることで、被写体のイメージをより際立たせる方法を紹介する予定です。( まぁ、私の予定はあくまでも未定ですが…… )
今後の講座では、瓶のように透明な被写体や、料理などの物撮りテクニックを紹介する予定です。お楽しみに!
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