写真10のようなマクロ撮影時に困るのは、レンズを被写体に近づけるために、被写体が暗くなってフォーカシングがしづらくなることです。オートフォーカスを使えばいいのではと思うかもしれませんが、マクロ撮影の場合は基本的にオートフォーカスは使いません。マクロ撮影では被写界深度が浅くなるため、オートフォーカスでは思いも寄らない場所にフォーカスが合い、主題がボケてしまうことがあるからです。イメージ通りの絵に仕上げたければフォーカスもマニュアルにしなければなりません。しかし被写体が暗いのはいかんともしがたい……というときに便利なのが、「 モデリング LED ライト 」 です。モデリングライトとは、ストロボと同じ位置、同じ角度で被写体を照らしてくれる補助灯で、ストロボが発光するときは消えるライトのことです。このライトがあれば、真っ暗な部屋で撮影するときもフォーカシングできますし、なによりストロボ光が被写体にどのように当たるかを事前に確認できます。業務用のストロボには標準で搭載されているモデリングライトですが、一般的なクリップオンストロボにはほとんどありません。ニッシンデジタルの一部のハイエンドモデルには、このモデリングライトが LED ライトで搭載されているので、とても重宝します。