預けるものと持ち込むものを 分けてパッキングする
預ける荷物には重さの制限があって、それを超えると超過料金が必要になる。航空会社や搭乗するクラス、マイレージのステータスなどによっても制限される重さが変わってくるので、航空会社のホームページであらかじめチェックしておこう。さらに、機内に持ち込める荷物のサイズと個数は決められている。持ち込む荷物はなるべく少なくして、空港では身軽に動きたいところだが、だからといって高額な超過料金も払いたくはない。そこで、重さが超過しそうな場合には、着替えや充電器類などをポーチやインナーバッグなどに小分けにしておいて、すぐに取り出せるようにしておくと便利だ。
ある写真家は、荷物には大きさや重さに制限はあるが、体重には制限がなくて超過料金を取られないということに目をつけ、極寒地に行くというのに、現地で着るための防寒ジャケットを東京から着込んで行き、ポケットに交換レンズを突っ込めるだけ突っ込んで機内持ち込みにした。それだけで、けっこうな重さが減らせ,超過料金を回避できたと言う。そこまで極端ではなくとも、厚手の上着は預け入れずに機内に持ち込むのはあり。また、普通は行きよりも帰りの荷物が増える。そんなことも想定して、パッキングを考えよう。
また撮影旅行の場合、もっとも注意しなくてはいけないのが、カメラのバッテリーだ。各航空会社では、航空法の規定に基づいてリチウムイオンバッテリーを預け入れ手荷物に入れないよう呼びかけている。つまり機内持ち込みが原則。荷物を預ける場合に必ず確認されるので、カメラだけでなく携帯の予備バッテリーなども忘れずに、機内に持ち込むバッグに移しておかなくてはいけない。ちなみに、最新の航空機なら座席周りにコンセントが用意されていることが多いので、充電器も機内持ち込みにしておけば、到着までの間に充電しておくこともできる。出発ギリギリまで使っていたいスマートフォンが、移動中の機内で充電できるのは便利だ。
一方、三脚や傘のような棒状のものは機内に持ち込むことができない。三脚はケースに入れて預けることが可能だが、脚が歪んで伸ばせなくなったり、カーボンの脚が割れてしまったりという事故もないわけではない。国内線で大丈夫だったから国際線でも大丈夫とは言い切れない。そこで、できればスーツケースに入るコンパクトなサイズの三脚を持って行くようにしたい。もちろん撮影旅行なので、そこを妥協できるかどうかは大きな問題だが、少なくともそうすれば、預ける荷物の数を減らすことができるし、紛失や破損の心配はしなくてもよくなる。
また、何かと便利なウェットティッシュも持ち込み禁止なので気をつけよう。さらに、渡航先の国によって持ち込みができない制限品が異なることがある。経由便を利用する際には、乗り継ぎの際に放棄しなければいけないこともあるので、注意が必要だ。こうした情報は、各航空会社や国土交通省のホームページに詳しく紹介されている。出発前にしっかりと確認しておくようにしよう。
航空会社では、原則出発の2時間前までにチェックイン手続きを済ませるようアナウンスしている( 空港や航空会社によって違う場合がある )。チェックインカウンターが締まってしまうと、荷物の預け入れができないだけでなく、LCC( ローコストキャリアの略、格安航空会社のこと )の場合には搭乗できなくなることもある。朝や夕方の便では、渋滞することなども考慮して、時間に余裕を持って空港に到着するようにしよう。
チェックインを済ませて保安検査、出国審査が終わったら、あとは搭乗ゲートで出発を待つだけ。保安検査や出国審査は、時間帯やシーズンなどによって、予想以上に混んでいる場合があるので、余裕を持って搭乗手続きを済ませ、それから空港を散策してみよう。
ちなみに、両替手数料は日本の空港よりも海外の空港の方が安かったり、為替レートがいい場合が多い。両替は現地のホテルや街の両替所などでもできるので、出発時に割高なレートで両替をするのはお勧めしない。クレジットカードを利用することなども考えて、必要な額だけを現地で両替するのが賢い方法だ。参考までに、空港の免税店は各国の通貨が使え、釣り銭は現地通貨で戻ってくる。だから、ちょっとした小銭なら空港で調達できちゃうのだ。また、ホテルの両替レートはホテルのグレードに比例する。しかも両替ができるのは宿泊者のみに限られるので、安い宿に泊まるならホテルでの両替は諦めた方がいい。
多くの空港では、フリー WiFi の接続サービスが提供されている( 一部のエリアに制限されている場合もある )。スマートフォンやノートパソコンでメールをチェックしたり、現地の天候などを出発直前にチェックできるのはありがたい。ぜひ利用したいサービスの一つだ。
以前、私は日本に帰国する際に香港の空港で飛行機に乗り遅れたことがある。空港のカウンターで航空券は買えるのだが、片道の正規料金は安くはない。どうしたものかと悩んでいたら、カウンターの女性が、小さな声で「 ホームページで買った方が安いよ 」と教えてくれた。早速、カウンターのすぐ前のベンチでノートパソコンを開けて、航空会社のホームページから格安航空券を購入した。片道の正規料金よりも往復の格安航空券の方が安かったし、その場で座席指定までできた。リアルショップの目の前で、オンラインショップで購入するというのは何とも奇妙な話だが、空港の WiFi にはこうした使い方もあるのだなと、その時は妙に納得した記憶がある。
また旅行保険は、空港でも手続きが可能。本来は、家を出るところから家に着くまでが旅行期間として保険の対象になるのだが、時間がなくて保険に入り忘れたという場合には、空港で加入しておくといい。不安のリスクは、できるだけ減らしておこう。さらに、スーツケースからティッシュまで、何でも買い揃えることができのるが空港の売店のいいところ。ガイドブックやお土産はもちろん、カメラのアクセサリーなども買えるので、忘れ物に気がついたという場合にも役に立つ。
また、最近は無料でインターネットが使えるパソコンが置かれていたり、充電ができるスペースが設けられている空港も多い。搭乗ゲートから多少離れている場合もあるが、探索するつもりで歩き回ってみると、いろいろ便利な発見があったりする。そういう空港の楽しみ方もあるのだ。
また航空会社のラウンジは、ビジネスクラスやファーストクラスの利用者などが利用できるもので、軽食のサービスをはじめ、インターネットサービスなどの利用が可能。航空会社の国の新聞や雑誌などが置かれていたり、充電用のコンセントも用意されていたりする。空港の喧噪を離れてメールをチェックしたり、荷物を整理したり、充電や食事をしておきたいという場合は便利だ。どんなサービスが提供されているのかは、各航空会社によっても、また空港などによっても違うので、問い合わせてみるといいだろう。