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旅と写真のいい関係
#02 行くぜっ! 海外撮影旅行 <出発編> 2013/07/17
 
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短期集中連載で先週から始まった、フォトジャーナリスト柴田誠の「 旅と写真のいい関係 」。第2回の今回は、いよいよ海外撮影旅行の<出発編>です。出発前にトラブルになりやすい手荷物に関わるノウハウや、知っておくと得する便利な空港内サービス。特典も魅力的なクラブラウンジまで、経験豊富な筆者が大公開。海外に出かける前に要チェックです。<はじめに>
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▼目次  

預けるものと持ち込むものを
分けてパッキングする

カウンターで預けるものと
機内に持ち込むもの
空港の便利なサービスを利用する
憧れのクラブラウンジを利用してみる
 
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上海浦東国際空港の出発ロビー。
 撮影旅行の準備ができたら、いよいよ出発!! そこで第2回目は、撮影旅行に役立つ空港と飛行機の情報がテーマ。空港は旅の玄関口。楽しい気分で旅行ができるかどうかは、空港の第一印象で決まってしまう場合もある。空港のサービスなどを知って活用することで、旅はもっと楽しく快適になる。さっそく空の旅を楽しむためのアイデアと情報を紹介していこう。
   
■ 預けるものと持ち込むものを分けてパッキングする
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空港のあちこちで見るメッセージボード。ライターはスーツケースに入れて持ち運ぶことができない。成田国際空港。

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バッテリーは機内持ち込みに。キャセイパシフィック航空のサイトより。

 空港でまずやることは、航空会社のチェックインカウンターに行って搭乗手続きをして、荷物を預けること。事前にオンラインチェックインができる場合もあるが、荷物を預けたい場合には必ずカウンターに立ち寄らなくてはならない。そこで問題になるのが、荷物のパッキング。事前に預けるものと機内に持ち込むものを分けておかないと、空港でスーツケースを開けて、荷物を入れ替えなくてはいけなくなる。だから、何を持って行くのかだけでなく、何を機内に持ち込んで何を預けるのかを滞在日数や撮影の目的に合わせて整理しておかなくてはいけない。

 預ける荷物には重さの制限があって、それを超えると超過料金が必要になる。航空会社や搭乗するクラス、マイレージのステータスなどによっても制限される重さが変わってくるので、航空会社のホームページであらかじめチェックしておこう。さらに、機内に持ち込める荷物のサイズと個数は決められている。持ち込む荷物はなるべく少なくして、空港では身軽に動きたいところだが、だからといって高額な超過料金も払いたくはない。そこで、重さが超過しそうな場合には、着替えや充電器類などをポーチやインナーバッグなどに小分けにしておいて、すぐに取り出せるようにしておくと便利だ。

 ある写真家は、荷物には大きさや重さに制限はあるが、体重には制限がなくて超過料金を取られないということに目をつけ、極寒地に行くというのに、現地で着るための防寒ジャケットを東京から着込んで行き、ポケットに交換レンズを突っ込めるだけ突っ込んで機内持ち込みにした。それだけで、けっこうな重さが減らせ,超過料金を回避できたと言う。そこまで極端ではなくとも、厚手の上着は預け入れずに機内に持ち込むのはあり。また、普通は行きよりも帰りの荷物が増える。そんなことも想定して、パッキングを考えよう。

 

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機内に持ち込む手荷物のサイズは航空会社によって決められている。また、国内線と国際線でも大きさが違う。
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預け入れ手荷物の許容量は、利用するクラスによっても違う。複数の航空会社を利用する場合は注意しよう。日本航空のサイトより。
   
■ カウンターで預けるものと機内に持ち込むもの
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   基本的に、カメラやレンズなどの壊れやすいもの、現金や貴重品などは機内持ち込みにする。近年、預けたスーツケースがこじ開けられ、中身が抜き取られるといった事件も海外では頻発している。貴重品は目の届くところに置いて管理すること。「 自分のものは自分で管理する 」という意識を持つことが、海外では鉄則なのだ。

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機内に持ち込めないものの例は、保安検査場の入り口に掲示されている場合が多い。ジャムや味噌などもダメ。成田国際空港
日本航空のサイトより。

 また撮影旅行の場合、もっとも注意しなくてはいけないのが、カメラのバッテリーだ。各航空会社では、航空法の規定に基づいてリチウムイオンバッテリーを預け入れ手荷物に入れないよう呼びかけている。つまり機内持ち込みが原則。荷物を預ける場合に必ず確認されるので、カメラだけでなく携帯の予備バッテリーなども忘れずに、機内に持ち込むバッグに移しておかなくてはいけない。ちなみに、最新の航空機なら座席周りにコンセントが用意されていることが多いので、充電器も機内持ち込みにしておけば、到着までの間に充電しておくこともできる。出発ギリギリまで使っていたいスマートフォンが、移動中の機内で充電できるのは便利だ。

 一方、三脚や傘のような棒状のものは機内に持ち込むことができない。三脚はケースに入れて預けることが可能だが、脚が歪んで伸ばせなくなったり、カーボンの脚が割れてしまったりという事故もないわけではない。国内線で大丈夫だったから国際線でも大丈夫とは言い切れない。そこで、できればスーツケースに入るコンパクトなサイズの三脚を持って行くようにしたい。もちろん撮影旅行なので、そこを妥協できるかどうかは大きな問題だが、少なくともそうすれば、預ける荷物の数を減らすことができるし、紛失や破損の心配はしなくてもよくなる。

 機内への持ち込みが禁止されているものは、ほかにもある。100ml 以上の液体やナイフ、ライターなどだ。キーホルダーに小さなナイフやハサミなどを付けて持ち歩いている人も多いと思うが、どんなに小さいものであってもそれらを機内に持ち込むことはできない。持っていれば便利なアイテムだけに、うっかりカメラバッグの中に入っていたりすると厄介なことになりかねない。ナイフやハサミ類は、はじめから海外に持っていかないようにするのがいいだろう。

 

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 また、何かと便利なウェットティッシュも持ち込み禁止なので気をつけよう。さらに、渡航先の国によって持ち込みができない制限品が異なることがある。経由便を利用する際には、乗り継ぎの際に放棄しなければいけないこともあるので、注意が必要だ。こうした情報は、各航空会社や国土交通省のホームページに詳しく紹介されている。出発前にしっかりと確認しておくようにしよう。

 航空会社では、原則出発の2時間前までにチェックイン手続きを済ませるようアナウンスしている( 空港や航空会社によって違う場合がある )。チェックインカウンターが締まってしまうと、荷物の預け入れができないだけでなく、LCC( ローコストキャリアの略、格安航空会社のこと )の場合には搭乗できなくなることもある。朝や夕方の便では、渋滞することなども考慮して、時間に余裕を持って空港に到着するようにしよう。

 チェックインを済ませて保安検査、出国審査が終わったら、あとは搭乗ゲートで出発を待つだけ。保安検査や出国審査は、時間帯やシーズンなどによって、予想以上に混んでいる場合があるので、余裕を持って搭乗手続きを済ませ、それから空港を散策してみよう。

   
■ 空港の便利なサービスを利用する
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両替は空港でできるが、現地でやった方がレートがいい場合が多い。最近は為替レートの変動が大きいので、出発前にチェックしておこう。成田国際空港

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忘れ物は空港の売店で買い揃えよう。カメラのバッテリーからアクセサリーまで、たいていのものが揃えられる。成田国際空港

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現地の空港ではお土産だけでなくガイドブックや雑誌を見るのも楽しい。香港国際空港

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携帯電話のレンタルサービス。長期の旅行なら、現地で SIM フリーの携帯を買ってしまうという手もある。成田空港

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フリー WiFi サービスは、とっても便利なサービス。現地で必要になりそうなアプリは空港でダウンロードしておこう。成田空港

 今や空港では、両替だけでなく携帯電話や無線 LAN ルーターのレンタルサービス、荷物の宅配サービスまで、海外旅行に便利なさまざまなサービスが提供されている。ネットで予約をしておけば、空港でサービスを受けるなんてこともできる。しかし、こうしたサービスを利用するつもりなら、やはり時間に余裕を持って空港に到着することだ。

 ちなみに、両替手数料は日本の空港よりも海外の空港の方が安かったり、為替レートがいい場合が多い。両替は現地のホテルや街の両替所などでもできるので、出発時に割高なレートで両替をするのはお勧めしない。クレジットカードを利用することなども考えて、必要な額だけを現地で両替するのが賢い方法だ。参考までに、空港の免税店は各国の通貨が使え、釣り銭は現地通貨で戻ってくる。だから、ちょっとした小銭なら空港で調達できちゃうのだ。また、ホテルの両替レートはホテルのグレードに比例する。しかも両替ができるのは宿泊者のみに限られるので、安い宿に泊まるならホテルでの両替は諦めた方がいい。

 多くの空港では、フリー WiFi の接続サービスが提供されている( 一部のエリアに制限されている場合もある )。スマートフォンやノートパソコンでメールをチェックしたり、現地の天候などを出発直前にチェックできるのはありがたい。ぜひ利用したいサービスの一つだ。

 以前、私は日本に帰国する際に香港の空港で飛行機に乗り遅れたことがある。空港のカウンターで航空券は買えるのだが、片道の正規料金は安くはない。どうしたものかと悩んでいたら、カウンターの女性が、小さな声で「 ホームページで買った方が安いよ 」と教えてくれた。早速、カウンターのすぐ前のベンチでノートパソコンを開けて、航空会社のホームページから格安航空券を購入した。片道の正規料金よりも往復の格安航空券の方が安かったし、その場で座席指定までできた。リアルショップの目の前で、オンラインショップで購入するというのは何とも奇妙な話だが、空港の WiFi にはこうした使い方もあるのだなと、その時は妙に納得した記憶がある。

 また旅行保険は、空港でも手続きが可能。本来は、家を出るところから家に着くまでが旅行期間として保険の対象になるのだが、時間がなくて保険に入り忘れたという場合には、空港で加入しておくといい。不安のリスクは、できるだけ減らしておこう。さらに、スーツケースからティッシュまで、何でも買い揃えることができのるが空港の売店のいいところ。ガイドブックやお土産はもちろん、カメラのアクセサリーなども買えるので、忘れ物に気がついたという場合にも役に立つ。

 また、最近は無料でインターネットが使えるパソコンが置かれていたり、充電ができるスペースが設けられている空港も多い。搭乗ゲートから多少離れている場合もあるが、探索するつもりで歩き回ってみると、いろいろ便利な発見があったりする。そういう空港の楽しみ方もあるのだ。

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充電機能を備えたシート。遠くから探せるようになっているので探してみよう。
香港国際空港。
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ちょっとしたメールチェックなどに便利な空港のインターネットサービス。数は少ないが無料で提供されている場合が多い。
上海浦東国際空港
   
■ 憧れのクラブラウンジを利用してみる
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航空会社のラウンジサービスについては、航空会社のサイトなどで紹介されている。
日本航空のサイトより

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航空会社のラウンジは、違うフロアに設けられている場合が多い。香港国際空港

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クレジットカードのラウンジには、特典満載のガイドブックが用意されている。成田
 クレジットカードや航空会社のラウンジを使える人は、さらに便利なサービスが提供される。クレジット会社のラウンジでは、ドリンクサービスのほかに現地の地図やガイドブック、お得なキャンペーン情報などを手に入れることもできる。ガイドブックにはカード会社が保証するお店が網羅されているので、知らない国で飛び込みでお店に入るのは不安という人にはありがたいサービスだろう。また、現地のレストランでカード会社のスペシャルメニューが用意されていたり、ウェルカムドリンクなどの特典があったりすることも多い。事前にこうしたお得な情報をチェックするには、ぜひ立ち寄りたいところだ。

 また航空会社のラウンジは、ビジネスクラスやファーストクラスの利用者などが利用できるもので、軽食のサービスをはじめ、インターネットサービスなどの利用が可能。航空会社の国の新聞や雑誌などが置かれていたり、充電用のコンセントも用意されていたりする。空港の喧噪を離れてメールをチェックしたり、荷物を整理したり、充電や食事をしておきたいという場合は便利だ。どんなサービスが提供されているのかは、各航空会社によっても、また空港などによっても違うので、問い合わせてみるといいだろう。

   
■ 次回予告
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 次回は現地編。空港に着いてから、そしてホテルに着いてからの様々な情報をお届けします。お楽しみに!
   
 
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