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環日食・撮影始末記 |
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いよいよ世紀の天体ショー、金環日食当日となった。
読者の皆様は無事観察できましたでしょうか?
これから、私の金環日食の観察当日の動きを報告したいと思う。
前日からの天気予報では、東京地方は曇りと出ている。
雲の切れ間から観測できるかどうか…という天気予報士の言葉に、少しでも観察の可能性を高くするべく、北関東へと移動を決める。前日の茨城県水戸市の天気予報は曇り時々晴れ。東京よりも太陽が顔を出す確率が高い。私はひとつ賭けに出ることにした。
目指すは茨城県稲敷市。ここは食分0.969、金環の始まりが7時33分、終わりが7時38分と5分間も続く、屈指の好条件。市内の和田公園に到着し、辺りをうかがうことにした。
朝5時頃の到着だが、既に100名ほどの先客あり。さすが屈指の好条件・稲敷市。
撮影の準備に入る。
機材は以下の通り。
観察当初の天候はまずまず。
雲が広がって入るものの、青空も見え、金環日食は大いに期待できそうだ。
日食が始まった。
徐々に欠けが進んでいき…
いよいよ金環日食となる寸前まできた。
しかし、金環日食の、まさにその最中、そこだけが厚い雲に覆われてしまった!
ファインダーではまったく確認できない状態に。
肉眼でなんとか位置がわかるか…という感じになってしまった。
周りから『あーっ…』という、叫びにも似たため息の声が、あちらこちらから聞こえる。
やっとのことで捉えた金環日食だが、雲がかなり邪魔をしてしまった。
あまりにもタイミングの悪い雲の出方に、ショックが大きい。
5分間も続いた金環日食はほとんど見ることが出来なかった。
次に太陽が顔を出した時には、金環日食は終わってしまっており、徐々に太陽の面積が増えはじめた。
そして、金環日食の間はとても寒く薄暗かったのだが、明るさや暖かさを取り戻してきた。
世紀の天体ショーも終わりに近づいてきた。太陽はもとの姿に戻ってゆく。
こうして私の金環日食の観察は終わった。
都心では、観察できたところが多かったそうだ。しかし私は、少しでも観察できる確率の高さを求め、東京から茨城に移動することにした。その結果、ちょっと残念な気持ちを抱くことに。でも、私自身、茨城に移動したことに後悔はしていない。自然が相手だから、こういうこともあるものだ。
綺麗な金環日食のカットをここでお見せできずに残念。
でも、この『太陽を撮ろう』の記事が、金環日食を撮影できた方々の、少しでもお役に立てたとしたら、とても嬉しく思う。
次は6月6日の『金星の太陽面通過』だ。
国内では25年ぶりで次は105年後の2117年12月11日まで起こらない。
21世紀では最後のチャンスとなる天文ショーだ。
せっかく用意した太陽観察専用サングラスとNDフィルター、また撮影にチャレンジしたい。
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