このコンテンツのトップページへ スタジオグラフィックス通信
お気に入りのレンズをカメラ本体に合わせてピント調整してもらいました
 

フイルム式カメラから愛用していたレンズなら…

一眼レフを使っている皆さんの多くは、愛用のいわゆるお気に入りの交換レンズを持っていることでしょうね。

もちろん本体とセットで買った「標準レンズセット」のレンズかも知れませんし、お小遣いを貯めて悩んで買った一本だったり、こだわって選んだ一本かもしれません。

僕も10本強くらいレンズを持っていますが、中でも愛用していると言えるのはこの2本のレンズ、キヤノンの「EF80-200 2.8L」と「EF28-70 2.8L USM」です。

お気に入りの望遠ズーム「EF80-200 2.8L」(左)と標準ズーム「EF28-70 2.8L USM」。

EF80-200 2.8L」は息子のサッカー撮影やレース、ポートレイトに、とフル稼働。望遠ズームながら全域F2.8のレンズは、明るくて最高の1本です。

でも、なにせ古いレンズですので、今では必須の手ぶれ補正機構は付いていません(キヤノンは手ぶれ補正を「IS」と呼んでいますね)。望遠になるほど、手ぶれの影響は受けやすいので、ISが欲しくなることはありますが、そこはそれ、手ぶれの有無も含めて撮影を楽しむ、というか…

EF28-70 2.8L USM」は標準ズームですが、プロカメラマンで愛用している人も多い大口径のレンズです。この2つのレンズ、自動ピント(オートフォーカス)も実に快適です。迷いなく素早く鋭く合わせてくれる点が気に入っていました。

これらのレンズを未だに使っているのは、私用のレンズを新型に買いかえるだけの予算がないからです(汗;)。こう見えても、どちらも買ったときは15万円以上したように記憶していますし、仕事でレンズメーカーに最新のレンズを借りることはあっても、私用ではお小遣いがなかなか…。

そうこう言っているうちに20年近くが過ぎたんでしょうね。
この2本、とうとうメーカーの部品保存期間も過ぎて、メンテナンスに必要なパーツのストックがなくなったようです。いつの間にか自分とともにレンズも年をとっていました。

※キヤノンのレンズは「キヤノンカメラミュージアム」の「交換レンズ」欄で一覧掲載されています。愛用のレンズはありますか?

デジカメにしてからピントがズレる!?

このレンズ、古くは「CANON EOS 5 QD」(フイルム式)で使っていて、その後、米国で取材に駆け回っていた頃は小型のEOS Kiss(フイルム式)に付けていました。仕事では主に取材で使っていました。故アイルトンセナ、ニキラウダ、ネルソンピケ、デーモンヒル、ジョニーハーバート等のレーサー各氏、ベッカムやジダン、フィーゴ等のサッカー選手、ビルゲイツ氏やスティーブジョブス氏、ラリーエリソン氏等、IT業界の巨人達も撮りました。なつかしいですがもう古い話です。

望遠ズーム「EF80-200 2.8L」は16枚レンズ構成の1330g。

ところが、デジタル一眼レフに変更した頃からピントのズレが気になりはじめました。お気に入りの自動ピント機能が正確に動作しないのです。ピントがズレる…いわゆる後ピンの状態になります。
そのため、何度か仕事でスポーツ写真の撮影に出かけたときにも難儀するようになりました。モータースポーツのF1やレアルマドリードのプレイ風景などを撮影したのですが、うまく合焦せず、ピントあわせはマニュアルも多用して行いました。

私用で息子のサッカーチームを撮影する際も、マニュアルを多用するようになりました。サッカーのようにボールを囲んで何人ものプレイヤーが集まった状態でボールを持った子に自動でピントを合わせると、その後ろの子よりにピントが来てしまう、という感じです。EOS 40Dに買い換えましたが、この現象は変わらず、この40D本体はすこぶる気に入ったし、さすがにオートもたまには使いたいので、本体に合わせて、レンズのピント調整のメンテナンスしてもらうことにしました。

ピント調整のメンテナンス

キヤノンのサービスセンターにレンズ2本と本体の40Dを持ち込み、実際にどのようにピントがずれていると感じるかを伝えて預けると、本体に合わせてレンズのピント精度を合わせて調整してくれます。カメラ本体も一緒に預けるのは、本体とレンズによっても若干の相性があるからです。

先に述べたように、このレンズは2本とも既にメーカーの部品保有期間を過ぎていて、部品交換による修理やオーバーホールが、哀しいかなできません。
元が高価なレンズだけに、解っていてもサービスセンターのスタッフの方に念を押されると寂しいものです。

更にサービスセンターで「EF80-200 2.8L」の方はレンズ内に若干のくもりがあると指摘されました。これまた大ショックです。今は画像に影響する程のものではないけれど、今後くもりは進行するだろう、とはいえ交換レンズ部品がもうない、ということですから、長年連れ添ってきた大切なレンズが、余命いくばくもないと宣言されたような気がして・・・。

部品交換ができないので、できるだけ清掃してもらい、ピント調整して戻ってきたレンズと伝票(報告書)。

可能な限りレンズ清掃をしてもらうことにしましたが、修理後の精度保証はできない、とのことでした。

こうしてピント調整を終え、40D本体に最適なピント精度になって2本の老兵が厳重に梱包されて宅配便で無事に帰って来ました。感触は最高です。

もちろんこの2本の老兵、前述のように手ぶれ補正機構はないし、かなり重たくてごつい、オールドスタイル丸出しですが、「もう少し一緒にやろうな」「人生の瞬間を切り撮ろうな」と声を掛けました。

ピント調整は1本9,000円(税別)です。持ち込んで10日〜2週間で宅配にて配送してくれます。フイルム式で使っていた交換レンズ等、ある程度年数が経っているもので、「いつもピントがどうも合わないなぁ」と感じたら、ピント調整に出してみるのもいいかもしれませんよ。

ちなみに、どんなレンズでもピントが合わない場合、本体側のピント調整が必要ですね(本体側のメンテナンスもやってくれます)。今回の僕の場合は、EOSのデジタル用標準レンズではどれもピントがきちんと合っていたので、EOS 40D本体は正常として預け、旧式レンズ2本のピント調整と清掃を行ってもらったわけです。

TEXT: 神崎洋治(デジカメWEB)
体系的に学ぶデジタルカメラのしくみ」著者

メールマガジンに登録しませんか

スタジオグラフィックス執筆 デジタルカメラユーザ必携の教科書!!

体系的に学ぶ次世代DVDのしくみ

■デジタルカメラのしくみと機能を基本から理解するなら・・
体系的に学ぶ デジタルカメラのしくみ 第2版
 
発売中
日経BPソフトプレス刊 神崎洋治/西井美鷹著
デジタルカメラの最新技術とそのしくみ、トレンドを加筆。デジカメの歴史から、仕様表の概要、レンズや撮像素子(CCDやCMOSセンサーなど)の構造や特徴、手ぶれ補正のしくみと違いなど、デジタルカメラをより詳しく理解するためのしくみに主眼を置き、やさしく解説。初級者からプロカメラマンやデジタル一眼レフ愛好家まで必携の一冊。
詳しく・・


 

【関連記事】
>> デジタルカメラにもっと詳しくなりたい方へ…

【NEXT Page】
>> デジタル放送の丸わかり教科書「体系的に学ぶデジタル放送」発売!!

 

2009/11/25

  このページのトップへ
 


     
 
Presented by
飛鳥のWEBサイトへ
Created by
サンタ・クローチェ
トライセック
リンクについて
著作権について
プライバシーポリシー